写真は当該小冊子の外観。2冊を表・裏で並べている。
第一作となった隧道あるはずでしょう物語(以下「前作」と略記)と同じく宇部マニアックス文庫として出版しており、2024年6月5日夕方に入稿委託先に届いた。題材提供や入稿作業など小冊子制作に携わった関係者に先行通知され、FBページやこのホームページで告知を行い6月10日より販売開始した。購入方法は こちら を参照。
《 概要 》
県道琴芝際波線の樋ノ口橋から真締川に沿って河口まで歩き、その途中にある題材を紹介する内容である。この区間は江戸期に川の排水効率を高めるために人工的に掘削されており、昔から新川と呼ばれていた。2021年11月に山口ケーブルビジョン「にんげんのGO!」で放映された宇部マニさんぽIがベースとなっている。ただし前作のような登場人物の会話などはなく、当サイトの総括記事や時系列記事を集積する形で構成されている。新川が中核となるので、護岸や流路にまつわる題材が多い。特に橋はすべてを網羅している。これは2023年に新川地区で開催されたサイコロの旅の橋カードの情報を補完する意図もある。観光ガイドのようなありきたりな構成をまったく意図していないので、両岸の真締川公園にある題材から個人的興味を元に選択している。
【 構成 】
表の表紙(p.1)に新川橋より上流の風景と小冊子のタイトル、裏の表紙(p.48)に下流側の風景を載せている。樋ノ口橋から河口までを適当な区間に分割し、前作と同様にプロローグとエピローグを配置している。はじめに
書き始めた経緯の概説。株式会社宇部日報社によるサンデーうべのコラムの初回配信分となる Vol.1「真締川の新川の掘削」の pdf イメージが埋め込まれている。(p.3〜4)第1章 樋ノ口橋から新川橋梁まで
県道琴芝際波線の樋ノ口橋からJR宇部線の新川橋梁の区間にある物件を収録している。樋ノ口は旧河川の屈曲点であり、河川経路の変位を説明するために樋ノ口橋より僅か上流側も含めている。(p.5〜12)第2章 寿橋の周辺
寿橋から緑橋の間にある題材。(p.13〜20)第3章 緑橋の周辺
緑橋の周辺。現在使用されていない水道管の橋や真締川水管橋など。(p.21〜26)第4章 新川大橋の周辺
国道190号の新川大橋を挟んだ周辺にある題材。(p.27〜34)第5章 新錦橋から真締大橋まで
新錦橋から真締大橋までにある題材。ただし河口側の一部題材が含まれる。(p.35〜42)あとがき
前作では手描きのメッセージをスキャンした画像とクレジットのみだったが、小冊子制作にあたって協力を頂いたり題材の元となった山口ケーブルビジョン関係者への謝辞が含まれる。前作では宇部マニアックスそのものについて何も記述がなかったことから、現在の活動に至った背景を時系列データとして盛り込んだ。末尾にfavicon と宇部マニアのイラストを配置するクレジットは前作と同じ。(p.43〜46)【 イメージ 】
小冊子を開いたイメージ。縦置き・横置きを問わず2枚を横に並べている。
テキストは画像と同じ行には配置しない。即ち回り込み無しの設定である。前作と比較して掲載される写真サイズは小さいが枚数はずっと多い。画像がページに占める比率が小さくその分テキストが増えるので、前作よりも情報量は多い。
《 販売と購入方法 》
小冊子の価格は対面販売で1,100円(税込)である。初の市内題材であり、今後続編を制作したときのセット販売も想定して前作より僅かに多い140部制作した。前作と同様、一般書店での販売やネット販売を行わず対面販売が主となる。小冊子の内容を知って頂くための見本誌は携行するが、書店で通常行われる立ち読みを容認しないのも前作と同じである。(→引き売り手法)代わりに今回より事業所や団体などの購読者を介した預託販売を実施する。詳細は対面販売したとき購入者の希望に応じて説明する。
小冊子はA4サイズの書類が入る透明な袋に入れて封緘されない状態で販売される。
封緘しないのは、その場でサインを求められたとき再び開封する手間が要るためである。殆どの購読者は小冊子のみ買っていかれるので、すぐ手渡せるように在庫の一定数は封緘している。後述する郵送購読者には(封筒の中で動き回らないように)封緘された状態で配送される。
前作に続いて本作でも対面購入・郵送購入を問わずご購入に合わせての応援資金を歓迎する。前作では数人によるご協力を頂き、撮影用のカメラ購入資金に充当された。
(よろしくお願いします)
【 郵送での購入について 】
日常生活で接点がない遠方在住者には郵送販売している。1冊の場合、配送料込みで1,500円(税込)となる。[1]購入希望者は郵便番号・住所・お名前を明記してこちらからメール
A4小冊子が入る封筒を用いてゆうメールで郵送する。前作と異なり今回はDVDなどの添付品がないので緩衝材を省略している。請求書を封入しているので、小冊子が到着次第所定の金額を請求書に書かれた口座へ振り込んで頂くことで決済する。
【 在庫について 】
最終編集日の現時点で在庫は残り約3分の2である。全冊売り切った後の追加印刷は、まとまった冊数の需要があった場合のみ対応する。《 小冊子の諸元 》
印刷上の仕様や写真・テキストの設定について前作と比較している。【 出版物の諸元 】
前作とほぼ同じ仕様である。
外観: 無線綴じ小冊子(中央を糊付けした冊子)
サイズ: A4縦・左綴じ横書き
表紙: マットコート150
本文: コート90
ページ数: 48ページ(表紙4P + 本文44P)
表紙1・4:フルカラー
表紙2・3:印刷しない
本文:フルカラー
表紙1・4とは小冊子の表(p.1)と裏(p.48)で、表にはタイトルと主要な写真2枚、裏は河口部付近の写真2枚を載せている。表紙2・3とは小冊子の表(p.2)と裏の裏面(p.49)で、無線綴じ小冊子印刷では空白にする仕様である。サインを求められたときは裏の裏面側空白ページに描いている。サイズ: A4縦・左綴じ横書き
表紙: マットコート150
本文: コート90
ページ数: 48ページ(表紙4P + 本文44P)
表紙1・4:フルカラー
表紙2・3:印刷しない
本文:フルカラー
【 写真とレイアウト 】
前作は全体が一続きの物語であり、普通の人が容易には行けない場所の写真が殆どなので縦置き・横置きにかかわらず一枚のみセンターに配置していた。今回は読者が現地確認できる場所が多いため、縦置き・横置きの写真を2枚横並べに配置している。前作と同じく Google document で執筆したものを pdf に出力する形で入稿している。ただし pdf ファイルに埋め込まれた写真を原典画像に置き換えたり微細な色調の調整は新川歴史研究会の高良氏に委託している。小冊子に掲載されている地図など多くの郷土資料も高良氏所蔵である。
【 テキストの諸元 】
サイズは変えずにフォントをゴシックから明朝に変更した。前作は読みやすさ優先でゴシックにしたが、ボテッとして重たい感じがあったので最も標準的な明朝体に変えた。各章や各節のタイトル文字の大きさや彩色は、前作を踏襲した。前作に続いて今回も目次・ページ番号・脚註が省略されている。前作ではすべての構成要素が一続きの物語であって必要ないと考えていたからだが、今回の省略は単純にページ数が少ないことが理由である。同様のスタイルの小冊子では今後も同様に省略する。エッセイや合本などページ数が多いものを制作したときは別途考慮する。脚註は執筆していた当初は数ヶ所に存在していたが、区切り線を引いて本文より小さいサイズのテキストで記述するなど煩雑になるため省略した。
通常の書籍では、末尾に著者名や発刊年月日などの諸元が枠書きされる。文責は宇部マニアックスというブランド名で足りるとして、内容に関する問い合わせ先などの記載をどうするか入稿直前まで考えていた。結局、それらは前作と同様にすべて省略した。それらを盛り込むスペースはあったが、作業手順が増えることと問い合わせ自体を減らしたい意図からである。多くの事情で執筆開始からあまりにも時間が経ちすぎていたため、細部にこだわるよりも速度優先で出版した。
《 制作に係る技術情報 》
制作において得られた知見や課題について。【 写真サイズと配置 】
前作は一続きの物語なので Google document を用いて一気に書き終えたものの、各ページに分割し印刷できるフォーマットに整えるのに時間がかかってしまった。これを受けて今回は全体をいくつかのブロックに分割し、章単位で異なるファイルを作成した。後から余白を調整するとレイアウトが崩れる原因になるので、前作のA4向け余白設定されたページをテンプレートとして書き始めた。テキストはレイアウトに与える影響は軽微だが、画像はテキスト数行分を占める。無造作に書き進めるとページの下側に何行もの余白を生じさせて次のページへ強制的に送られてしまう不快な現象が発生する。前作では大きなサイズの画像を一枚ずつ配置していたので特に目立った。なるべく大きな画像を載せつつこの影響を軽減するための答えが、画像を2枚ずつ横並びにする配置だった。一枚の写真に対してテキストを回り込ませる手法もあるが、数文字の追加削除を行っただけでレイアウトが変動するため採用しなかった。
殆どのページでは説明文を先行し、対応する写真を直下に配置している。テキストがページに跨がるのはそれほど違和感はないが、説明文と写真がページに跨がるのは見苦しいだけでなく読んでいて分かりにくい。この現象を回避するために、先行する説明文を長く取っている部分がある。逆に写真をページ下端に配置するにはどうしてもテキスト数行分足りない故に、段落を丸ごと削除して掲載を諦めた部分すらある。これは「どの記述がページの何処に位置するかは読者への訴求力に大きな影響を与える」と考えからである。この努力をもってしても、どうしても説明文と写真がページに跨がるのを回避できなかった部分が一箇所(新錦橋から真締大橋までのページ)ある。
印刷された成果物を目にして、前作より小さい2枚横並び画像でも細部まで充分に再現されることが分かった。A4サイズで同様の小冊子を制作する場合はおそらく今回の配置を準用する。特に前作は写真が大きかったため、ページ分割するとき入りきらなくなる現象が多発した。レイアウトが壊れない配置を優先させるために原典画像の不要な空白などをトリミングしている部分もある。今回はマップなど客観資料を接写したものを除いて、現地で撮影した画像はどれも加工せず使用している。
【 著作物の引用について 】
前作はテレビ放映画面を接写した画像を除いて、自分のカメラで撮影した画像を用いて構成した。今回は参考資料を掲載している部分が多く、特に書籍などに掲載されているモノクロ写真を抽出して小冊子に掲載するには著作権の問題をクリアする必要があった。前作は些か粗雑にやってしまっていたので、今回はかなり厳密な手続きをとった。この過程であまりにも煩雑で、最終的に写真の掲載自体を諦めた部分がある。詳細はリンク先を参照。【 入稿と印刷 】
前作は Google document からのページ分割と pdf 変換を局長に行って頂いた他は、実際の入稿作業と完成した小冊子の受け取りを自前で行った。今回は pdf ファイルへの変換から入稿可能なデータ作成、実際の入稿、小冊子の受け取りまで一貫して高良氏に代行して頂けた。私からすれば途轍もなく手間がかかる作業だが、パンフレットやチラシなどの制作を日常的に行っていて手慣れた作業ということだった。私が脱稿後にしたことは Google document から各チャプターを pdf ファイルに書きだし、当該ファイルを構成する原典画像をフォルダ別に添付したデータをメモリスティックにコピーして渡すだけだった。高良氏はこのデータを元に pdf ファイルを編集できるソフトウェアを使って荒い画像を原典画像に置換し、統一が取れていない行間隔やフォントを調整して[2]私が Google document で制作したものに近いイメージを試し印刷した。
試し印刷分を受け取って色調やタイトル位置など、修正を希望する部分に赤鉛筆で校正を行った。これを元に高良氏が全体を印刷して無線綴じを行ったもの(プレプリント)を2部制作している。この段階に至ればもはや修正が必要な場所が殆どないため、そのまま入稿作業と印刷部数を伝えた。
一時期は輪転機をも購入することを検討していたという高良オフィスには、簡素な書籍なら製本可能な程度の設備が整っている。題材選定と執筆という創作作業と、実際のページ分割と入稿作業を分割すれば、それぞれが得意分野を合わせることで単独で行うよりもはるかに短時間で大きな成果が得られる。今後もこの小冊子シリーズ以外でもすべての著作物の印刷を委託する予定である。
【 メディアでの告知 】
2023年の暮れに放映された新春お餅スペシャルで、出演者が各自の2024年の目標を宣言する場面で宇部マニさんは「小冊子発刊」という書き初めを掲げている。写真はロケに向かう前に本社で半紙に墨で書き初めしたときの撮影。
(一部画像を加工しています)
尺の関係で出演者が各自の書き初めを提示する場面は放映されなかったが、代わりに公式サイトで掲示された。小冊子発刊は公言されていたことであり、常に念頭にあったが殆ど半年後に漸く実現した。
2024年6月6日にある場所でのロケを行った。この前日夕方に新川のほとりの印刷が完了し現物が届いたという連絡を受けたので、委託先まで取りに行ってロケ当日に現物を持参した。このロケの放映は8月中に複数週にわたって行われ、その中で小冊子の紹介が予定されている。
《 今後の発刊計画について 》
かなり確定しているものから、未だ具体化せず構想のみの段階のものもある。【 新川のほとりの続編 】
続編として、樋ノ口橋から真締川を上流末までたどる 真締川のほとり を考えており、最終編集日時点ではまだ執筆開始されていないが真締川沿いの撮影は逐次進めている。区間としては新川よりも樋ノ口橋より上流末までの方がずっと長いが、題材も分散するため本文に関しては新川のほとりと同程度のページ数になる。販売価格も同額を予定している。元々扱う内容が奇抜なので、構成を含めて奇を衒ったことをする積もりはない。恐らく新川のほとりと同様のレイアウトになるだろう。ただし新川歴史研究会で提示したとき特定の場所を説明するときページが無いと不便という声が多かったので、真締川のほとりではページを印刷する予定である。前作と同様、発刊時期や問い合わせ先、印刷会社などをまとめたいわゆる奥付を欠いているのは、書店販売ではなく対面販売を主体としているのが理由であった。しかし著作物の保護目的から発表時期を明確にした方が良いと考え直しており、次作では少なくとも発刊の大まかな時期は印刷する予定である。
【 その他の発刊物 】
2024年9月は(株)宇部日報社におけるサンデーうべのコラムが100編目を迎える節目であり、これを記念して過去のコラムから半数程度を選定して詳細情報を追加した小冊子制作構想がある。ただしコラム題材は執筆当時の思いつきや流れでまったくランダムなカテゴリから選定されているので、整理してからまとめた方が良いとも考え直しており制作時期は保留している。過去には岡藤氏による(株)インターンのユニークローカル会員誌に毎月エッセイを寄稿しており、これを数回分まとめて小冊子化する考えがある。寄稿分は有償サイトへ掲載されており現在は閉鎖されていて閲覧できないが、提出前のドキュメントはホームページ上に存置(ただし非公開設定)されている。この寄稿を小冊子化し再販することに対して岡藤氏から承諾を頂いている。
まったく分野が異なるが、学童向けの教育的な小冊子教材の製作も考えている。現在参画している小羽山小学校の放課後子ども教室活動で、子どもたちが本を読まなくなった統計資料に基づいたもので、面白く読める教材の必要性について以前から念頭にあった。
関係者には熟知されているところであるが、概ね2000年から現在まで撮影され続けた画像は50万枚を超える。物語や解説付きの小冊子ではなく、需要に応じて特定のテーマに沿った画像を集積した写真集を作るかも知れない。この分野は高良氏が先行しており、中津瀬神社と松濤神社のA5版の写真集が制作されている。
テキスト主体の簡素な書籍なら高良氏が製本可能な設備を有していることから、写真主体の小冊子の対極としてテキストばっかりの書籍を試作しようと思っている。渡邊ゼミ時代に鹿児島大学の博士研究室を訪れたときの塾旅は既にドキュメント化されている(ただし当ホームページ上では非公開)が、読みやすくするために紙媒体の書籍を印刷したいと思っている。ページ数と写真が膨大な量になるので、制作しても10部以下を考えている。これはホームページ上のテキストと原典画像を集めて構成するだけなので、純粋にソフトウェア変換による手間のみで実現する。
こうした手法が使えるのは、自費出版が昔に比べてはるかに低コストで実施できる環境が整ったからである。オンラインで入稿して印刷発送を行う会社は無数にあり、サイズや写真集などそれぞれに強みがある。適宜使い分ければ、一般に売られていない内容の情報や写真で構成すればかなり採算ベースに乗りやすい事業となり得る。
(一連の記述は自費出版か書籍の総括記事を作成した折には移動する)
《 関連記事リンク 》
出典および編集追記:
1. 前作も含めて2冊以上となる場合は100円単位で郵送料が上がる。詳細は注文があったメールに返信しお伝えする。2024年10月より郵便料金が値上げされたが、ゆうメールの料金に変更はないため従来通りの価格で販売する。
2. Google document では何故か途中でフォントが既定のものから変わったり行間が崩れる現象が多発する。全角と半角で既定のフォントが切り替わってしまうのが原因と思われる。
1. 前作も含めて2冊以上となる場合は100円単位で郵送料が上がる。詳細は注文があったメールに返信しお伝えする。2024年10月より郵便料金が値上げされたが、ゆうメールの料金に変更はないため従来通りの価格で販売する。
2. Google document では何故か途中でフォントが既定のものから変わったり行間が崩れる現象が多発する。全角と半角で既定のフォントが切り替わってしまうのが原因と思われる。