阿武川ダム・平成23年度見学会【1】

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現地踏査日:2011/7/23
記事公開日:2013/8/5
前もってのお断りだが、この記事は一昨年の見学会を記述したものである。記事化が遅れた理由は読み進めば理解されると思う。平成25年度見学会の記事化に先立って新規作成している。当時のことをあまりよく覚えていないので、確実に思い出せる部分に限定して記述し、写真主体で構成している。食い足りない描写が多いがご了承頂きたい。

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時系列では「佐々並川発電所」の続きとなる。
このまま考えることなく県道を進めば阿武川ダムが見えてくることは分かっていた。それは意外に佐々並川発電所から近く、県道が高度を上げ始めた頃には正面にダム堰堤が見え始めた。

初めて実物を目にする阿武川ダムの雄姿である。思わずおぉーっと声をあげる。
この写真は新阿武川発電所に向かうときのものである


県道がダム堰堤の高さに追いつくまでかなりきつい登り坂になった。エアコンを効かせた状態では馬力が出ない。佐々並川発電所を走る以前から交通量が少ない県道で後続車も居ないので急ぐこともなくゆっくり進んだ。

初めての訪問で何処に車を停めて良いものやら分からなかった。
ダム事務所が見え始めたとき、最初に何台か車が停まっている場所に自分も車を乗り付けた。
後で分かったことにそこはダム事務所職員向けの駐車場だった^^;

ショルダーバッグにバッテリーの替え、ポケットにはタオルに近いハンカチ(何)、そして筆記用具を詰め込み車外に出る。
モワーッとした生ぬるい空気が顔を撫でた。お馴染みの森と湖に親しむ旬間の幟が立っていた。


まずは概要の出ている説明板に近づく。


阿武川ダムの大きな扁額が腰壁に埋め込まれていた。


阿武川ダムの歴史は古く、また地元もダム建設に肯定的で地元交渉は比較的早く妥結したと聞いている。
アーチ型重力式という県内でもあまりないダムの形状は堅牢な両岸の地形を存分に利用した結果という。


なるほど…堰堤部は上流に向かってカーブを描いている。
「欄干から身を乗り出さないでください」の警告が出ていた。


その欄干に近づくまでもなく高さが実感できていたので、身を乗り出すまでもなかった…と言うか流石に怖くてカメラを差し出して下向きの撮影すらできなかったのである。


落差を利用して水力発電も行っている。その取水塔が半端なくデカい。その上にかなり大きな建屋が載っかってしまえるほどの規模だ。


ダムによって出来た湖の名称はそのまま阿武湖とされている。


中央のゲート室が一段と高い。厚東川ダムのゲート室の倍以上の高さがある。


地図で見た阿武湖はかなり屈曲しているのでここから見えるのは一部である。
それにしても広大だ。また水の色が大変に美しい。


これほど堰堤が高いなら、ダム下は相当な高低差があるだろう…

期待を裏切らなかった。
対岸の山も合わせて収めようとなるとカメラを縦にしても入りきらない。


カメラを斜め下向きにしている。転落する危険は絶対にないのだが、それでも怖い。
コンクリート吹き付けされた斜面のずっと下に発電建屋がある。その建屋に向かっているのは…


化け物ですかこれは!!!


これは凄い…
比較対照となるものが周囲にないのでサイズが分かりづらいだろう。
これだけの太さの鉄管で休み無くダム水を落とし発電し続けている。言い換えればそれだけ阿武湖は湛水量が大きいということだ。

排出用のゲートもデカいし、その下のエプロンも相当な規模だ。


下流側を撮影。
新阿武川発電所の見学者の車だろうか…かなりの台数が停まっているのが見える。


ズームなしの標準状態で撮影している。
発電建屋に集っている見学者たちが豆粒のようだ。


家族揃って見学に来ている人々だろう。今しがた発電所の見学を終えたのだろうか…
さすがに規模が大きく有名なダムだけのことはある。


すぐにでも見学の輪に加わりたいところだが、まあ焦ることはない。阿武川ダムはダム見学と発電所見学が分かれていて担当部署も異なる。
ダムはダム管理事務所で発電所は西部利水事務所になる

発電建屋を見下ろす位置まで歩いてみた。
見学会向けに入口の門扉が開けられ車が停まっているのが見える。


ちょっと怖いがカメラを下向けにして撮影。
この真下の水圧鉄管から出た水が今もタービンを回している筈だ。


堰堤上を歩こうとしたとき、大変に残念な事態になっていることに気が付いた。

(「阿武川ダム・平成23年度見学会【2】」へ続く)

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