今富ダム・平成24年度見学会【序】

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現地踏査日:2012/7/22
記事公開日:2012/8/19
今富ダムの見学会参加もこれで2度目になる。去年は一日違いの7月23日に初めて参加している。
去年の段階で既に普段観られない管理区域内の殆どを見せてもらったので、今年また改めて行くこともない。しかし今富ダムの見学会は日程的に他のダムと重ならないし、やや遠いが市内なので散歩程度に参加できるなど敷居は低い。
ダムに限らず、ある物件を初めて訪れただけで記事向けの写真を充分採取できたケースは少ない。大抵は記事制作の段階で手元の写真を観るだけでは不明な点が生じてくる。そこで前回の見学会で撮影できていなかったり、不明瞭な写真しかない場所を補充する目的も兼ねて参加してきた。

去年は今富ダム見学会の後、萩の阿武川ダムまでの行程が組まれていて時間的余裕があまりなかった。今年は見学会として訪れるダムは他になく、見学会対象外になっている美祢ダムへ行く予定だけを入れていた。それで現地へ到着してからもすぐには見学会に参加はせず、暫く周囲の写真を撮って歩いた。

これらの寄り道を端折って見学会記事を読み始めたい方は「今富ダム・平成24年度見学会【1】」へ直行することができる。
ただし前もってお断りしておくことに、この序編以外はいきなり管理区域内の映像主体の記事構成なのですべて限定公開にしており、公開初期以外は登録メンバー以外お読み頂けない。あらかじめご了承頂きたい。

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あれからほぼ一年経ったことになる。去年は焼け付くような日差しが暑かったが、今年は高曇りで日差しがそれほどでもないのに気温と湿度ばかり高く極めて過ごしにくかった。
去年と同様、管理所の駐車場に車を停め、デジカメと替えのバッテリーのみ持って周囲を歩き始めた。


ダム管理所のある左岸から堰堤入口を撮影。
相変わらず草木の伸び方が著しい。


しかし堰堤上を歩くことはしなかった。写真で観ても分かる通り、およそ日陰がないアスファルト路面の上を歩いたら、右岸に到達するまでに力尽きてしまいそうな天候なのだ。今回は「撮っていない写真を採取する」を意識して行動する積もりなので、まだ歩いたことがないダム管理所の上流側に向かう。

そうは言ってもこの幟だけは撮っておかねばなるまい。
今富ダム(今富湖)の白抜き文字が見える。それぞれダムごとに何本か製作するらしい。


管理所の敷地にあってまだ撮影していないものがいくつかあった。
まずは駐車場の市道寄りににあるコンクリートの建屋。それなりに年期が入っていそうだ。


受変電室というプレートが扉の上に貼られている。
火気厳禁の警告板もあることから可燃物が保管されているらしい。


最初私は何で普段は無人のダム管理所にこのような発電設備が要るのか理解できなかった。
今なら分かる。各種機器の確実な動作を保証するためである。より簡単に言えば、停電時の電源確保のためだ。

百年に一度の豪雨や大型台風で停電したとき完全に機器の動作やデータ採取を電気に依存していたら、流入量がどう変動しているか把握できないし放流量を操作することもできない。このために多くのダムでは非常用電源として燃料による発電設備を備えている。短時間なら無停電電源装置に切り替わるが、並行して発電設備が電源をバックアップする仕組みになっている。

同じ駐車場の敷地にあるサイコロ状の建屋。一枚のアルミ扉が付属しており、先の電源室よりはずっと小さい。


ぱっと見では監査廊の入口のように見えるが、そうでないことだけは分かっている。この建屋の役割はよく分からない。
左側の壁下に何かプレートが設置されている…きちんと観ていなかった…何かの倉庫だろうか

ダム管理所の駐車場に隣接して、ダム公園があることに気付いた。
しかし駐車場の端には鋼材が積まれているし間仕切りのブロック塀に取り付けられた低い扉も何故か施錠されており、行き来できるようにはなっていない。
なんか…予算の無駄遣いでは…^^;


この程度の低いブロック積みならひょいと飛び越えられる。しかし苔まみれのブロックはズボンが汚れそうだったし、駐車場には公園利用者の車も見えたので、素直に迂回した。

市道へ出て駐車場に入ってきている。
かなり広い。十数台くらいは車を停められる。


今富湖という案内板があり、その横から湖を眺める東屋が見えていた。


右岸側にも公園はあったが、ダム管理所側の公園は広いし駐車場は広く舗装されている。ダム下右岸にも駐車場区画のある公園があるから、一つのダム付近に3箇所の公園が整備されていることになる。
真締川ダムですら今のところ遊具付きの小さい公園が一箇所しかないのに…^^;

東屋はそう古くなさそうだし、周囲は今の時期ながらよく草刈りされていた。ゴミ一つ落ちておらず、スツールなども殆ど傷みがない。優秀だ。
私が縁遠いだけで意外に利用者がある公園なのだろう。


今富湖の眺め。
雨続きだったせいか水位が高く、水の色も今ひとつ冴えない。普段はもう少し濃い緑色をしている。
前方に見えるのは願田橋



ダム管理所の前を通る道(市道今富河中所線)を更に進んだところにこんな建屋がある。
最初に見た発電室よりはずっと大きいし、扉や窓がいくつかある。


何の案内も看板もないが正体は大体推測できている。
ダム湖の流木などを除去するボート格納庫だ。他の何処にも見られなかったのでここだろう。

殆ど人が訪れない場所のせいか、閉じられたシャッターには走り屋さんの仕事と思しきマーキングが…


不透明なガラス窓なので内部の様子は窺えなかった。


ところで読者も気になったかも知れないけど、窓の端にチョークで描かれたようなバツ印が見える。この建屋に接近する以前から見えていて、割れているわけでもないのに奇妙なものだと思っていた。

接近してみたところ…その正体は…

およそ想像つくと思う。そんなに気味悪いものではないけど苦手な人は見ない方がいいかも…
正体を見極めたい方は ここをクリック することで確認できる。
こういうのって埋め込み画像にしなくてもいいよね

この後、願田橋まで歩いて今富湖の写真を数枚撮ってダム管理所に戻った。

それではいざダム管理所へ…
2階へは土足を脱いでスリッパで上がるようになっていた。


いや、まだまだ…
そう簡単に見学会へ入っては惜しい。もう少しコアな世界に入らせて頂こう…
普段は鍵の掛かっているダム管理所内に入りながら、しばし管理所内を歩き回っていた。
派生記事: 今富ダム・平成24年度見学会【1】
見学し終わった後、去年と同様1階の部屋でアンケート用紙に記入してダム管理所を後にした。今年は見学会後の行き先を美祢ダムと決めていたので、県道宇部美祢線に向かうべく来た道を引き返した。

ダム下は何度も訪れているので行く積もりはなかったのだが、最近ない放水量が道路からも見えた。そこで写真を撮りに立ち寄った。


同様に近くで眺めたいと考える人がいるらしく、駐車場に車が停まっていた。私がこちらへ乗り入れるのとすれ違いにその車は退出していった。

先の見学会記事の公開時期を逸してしまい、読み損ねてガッカリと言うか些かムッと来ていらっしゃる読者の気持ちを和らげるためにも(微笑)以下の写真はフルサイズで掲載しておいた。

もの凄い流下量。今まで数回今富ダムを訪れた中では今回が最大だ。拡大対象画像です。
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まるで洗剤を流しているみたいに泡立っている。拡大対象画像です。
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エプロン流入部。シャバシャバと流れ込む水に当たれば涼しいだろうなーと思いつつ眺めた。ここを綺麗に清掃してプールとして一般開放されるということは…まあ絶対にないだろう^^;拡大対象画像です。
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動画でも撮影しておいた。雑音も酷いけど流下音をお楽しみ頂こう。

[再生時間: 24秒]


これだけ撮影して今度こそは次の目的地、美祢ダムへ向かうために県道までの枝道を走った。
途中軽四でもやっとこさの市道で悪戦苦闘させられた…今富川へ落っこちそうな位に狭い場所があった^^;

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一応、時系列として次の記事リンクを案内しておこう。
書き上がった後にアクティブにされる。

(「美祢ダム【1】」へ続く)

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