木屋川ダム【1】

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現地踏査日:2010/7/23
記事公開日:2011/12/18
木屋川(こやがわ)ダムは、先日訪れた湯の原ダムから更に県道34号を北上し、下関市豊田町の木屋川上流部に位置する多目的ダムである。
航空映像でダムを眺めてみよう。


湯の原ダムより更に山間部に位置するため、航空映像では鮮明に眺められるものの地図では拡大モードでしか表示されない。
木屋川ダムへの行き方は簡単で、湯の原ダムへ向かうとき利用した県道34号下関長門線をそのまま北上するだけである。豊田の街並みを後にする頃、国道435号との交点に差し掛かるより前に豊田湖方面への案内看板が見える。
国道435号を経由して美祢から行く場合は道中豊田湖への案内看板が皆無なので注意を要する

暫く山間部を走ると、再び豊田湖・木屋川ダムの案内看板を見つけるので、林道のようなイメージのする県道319号大河内地吉線に入る。
県道が高度を上げて間もなく右手にダム堰堤、そして木屋川ダム事務所が現れる。

6月下旬、私は作りたてほやほやな湯の原ダムのダムカード配布を目当てに平日の午後現地へ赴き、ダムや木屋川工業用水送水路の取水口を踏査した。
そのときの担当者のアドバイスを覚えていた。
「お時間があれば、ぜひ木屋川ダムも訪問してください。
あそこでもダムカードの配布を行っています。」
私は埴生方面に用事がある平日のこと、前回の反省を元により早い時間にアジトを出発した。
木屋川ダムを視察してダムカードをもらうことと、前回時間切れ&バッテリー切れで充分な踏査が行えなかった湯の原ダムにある工業用水取水口から下流側の設備群を追加撮影するためだった。

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撮影順序は前後するが、ダム事務所に差し掛かる手前の県道319号から撮影している。
それまで走ってきた県道34号からの分岐点にはきちんと案内板は出ているが、入口からしてかなり狭い印象を受けた。ちょうど厚東川ダムに向かうときの県道37号小野木田線にそっくりである。

県道34号が豊田湖の右岸側をややうねりながら進むのに対し、この県道は左岸を比較的少ないカーブで北上しており、温泉地として有名な長門市俵山の市境より手前で再び県道34号と合流する。
合流地点に至るまで県道34号は一本の他の県道との分岐点があるだけなので、俵山と豊田を往来する車の多くは狭いが近道となる県道319号を通る。そのために交通量は多めだ。

ダム堰堤の真横に造られた木屋川ダム管理事務所。
数台の車が停まっていたので、このダム事務所も無人ではなく平日は職員が出勤しているようだ。
一部画像処理しています


最初訪れたとき、見通しの利かない県道からいきなりダム事務所が現れたせいか、うっかり通り過ぎてしまった。しかし事務所の真横に1台だけ停められる駐車スペースがあった。
ダム湖に浮かんだ木片などを引き上げて仮置き場に困っているらしく、来客用駐車場の後部へ乱雑に積み上げられていた。

この日はチリチリになるほど陽射しが強く気温も急上昇していて、事務所の駐車場は一様に太陽で炙られていた。建物の影になるこのスペースは好適で、蒸し風呂状態の車に乗りたくないので影に入るように建物側へ寄せて駐車した。

駐車した場所からダム湖が見えていたし、天気が良く良い写真が撮れそうなので、ダムは後回しにしてちょっと湖を眺めたいと思った。
以下ダム湖の写真が多いが勘弁して頂きたい…

ダム事務所から少し先に貸しボート場があった。営業は土日祝日のみなので、平日の今日は静まりかえっていた。


ダム湖は豊田湖と呼ばれ、県立自然公園に指定されている。周囲には全く人影がなく、良く言えば閑静な湖、悪く言えばかなり寂しいところだ。
噂の発祥元や真偽は別として、子供の頃は豊田湖の畔にあるキャンプ場に幽霊が出るという話を聞いたことがある。よくある話だが、白い姿をした女性の霊ということになっていた。

もっとも、現地に赴いた限りではこの天気の良さがそういったマイナスイメージを大いに打ち消していた。
人影が全く見当たらないのも独り静かに自然と向き合い、写真を撮るのには好適だった。


ダム湖の汀へ降りる途中に祠のようなものがあり、その横に水準点があった。


この水準点は地理院地図のこの地点として示される場所だろう。

祠には興味なかったが、そこからダム堰堤の裏側が見えそうなので接近してみた。
3門のゲートが見えている。ゲート室が堰堤の真上に造られていて自由に往来できない構造は、厚東川ダムと全く同じだ。


ダム湖の水位はそう低くはない。しかし堰堤やゲートに着いている水の跡からしてもう少し水位が上がるときもあるようだ。
実は後で述べる謎の遺構が既に写り込んでいたことなどこの時は気づきもしなかった


ゆるやかな下り坂を歩いて汀に近づく。
薄緑色の水もそれほど汚くは感じられない。


祠のある突端部から眺めた豊田湖。とっても解放感がある。
広々とした湖は久し振りに胸のすく眺めを提供してくれた。


このすぐ横にダム湖を利用する人向けの注意書きがあった。


豊田湖も他のダム湖と同じように湖面が開放されていて、一般の人も利用できる。立ち入れる範囲や持ち込める機器などに制限はあるものの、例えば私がゴムボートを持ち込み、湖上からダムの写真を撮りたいなら届出なしに自由にできる。
地に足が着かない状態が怖いからやろうとは思わないが…


ダム湖のイメージによらず浅瀬になっている場所もあるらしい。
しかし底の見えない先はどの程度の深さがあるか知れず、ボートを押しながら進水するのはちょっと怖い。
それにも増してゴムボートの底に穴が開いて浸水なんて…想像しただけで怖くてとてもダメだ


ダム湖が埋めた沢に向かって伸びる農道のような道。ボートを搬入するための斜路としては使われて居らず立入禁止になっていて、先端はダム湖に消えていた。
道幅の広さからかつてのダム工事用道路か、あるいは水没した集落に降りる廃道かも知れないと感じた。


満足し、ダム事務所の方に歩いて引き返した。
ダム事務所は3階建てで、3階の窓が開いていた。あそこが事務室なのだろうか…


豊田湖の眺めを満喫した後、ダム堰堤を観に行こうと思った。それはダム事務所の前を通り過ぎてしまう前にチラリと見えてはいたが、慌てることはない。充分早めにアジトを出ていて時間はたっぷりあるから愉しみに取っておいたのだ。ダムカードを貰いに行くのは一番最後にして、一旦ダム事務所の前を通り過ぎてダム堰堤が見える場所を探した。
しかし車でダム事務所の前を通り過ぎたときから感じていた通り、必ずしも期待されていた通りの景観ではなかった。

まずはこの一枚。
ダムサイトでは当然だが、ダム下まで絶壁になっている。ここまではまあまあ見えるのだが…


県道沿いの薮が邪魔でダムがよく見えない。
取りあえず全体像は見える。しかし斜路を含めて下側までは見通せない。
斜面に生える藪の勢いがあまりにも元気過ぎるのだ。
前の写真を見ても分かる通りこれでも結構斜面の草刈りが進んでいる方だ


県道からダム下までの全体像を眺めようと思えば、どうしても妥協して殆ど真横からに近い位置まで移動せざるを得なかった。

(「木屋川ダム【2】」へ続く)

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