真締川ダム・平成24年度見学会【序】

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現地踏査日:2012/7/28
記事公開日:2012/8/19
真締川ダムは県管理のダムであり、去年も夏期の見学会対象となっていた。しかし去年は日程の都合はつきながら参加しなかった。
その理由は一口に言って「監査廊が存在しないから」と表現できる。それほど高さのないフィルダムの特性だが、監査廊はどのダムも管理区域内にあって見学会でしか入れない特別な場所だし、夏場は涼しく快適で探検気分を味わえる魅力的な部分だ。それを欠くダムなら、事改めて見学会として参加する理由に薄いと感じていた。

今年の開催期間は7月の26〜28日だった。最終日の28日は花火大会があるので正直観に行きたかったが、この日は夕方から仕事を抱えてしまった。そこで花火大会を諦める代わりに真締川ダム見学会に行ってみる形になった。
監査廊がないならダム見学会として一体どんなことをやっているのか、頼めば普段は観られない選択取水塔の中を見せてもらえるかも…という考えがあった。

見学会は午後4時で終了する。暑いのでなるべく日が陰ってから行きたいが、あまり遅いと受付終了になるとか、悪くすれば参加者が居ないとみて時間前に担当者が帰ってしまうかもと思った。それで午後3時半前をメドにダム管理所に向かった。

この予想は実に的確なものだった。
私がダム事務所に着いたとき、3人の男性が駐車場に留め置いた車の前で雑談をしていたのである。
見学者が少ないと容易に想像できるのに、この時間で3人もの来訪者が同時に押し寄せる筈がない。ここに居る人々は職員で、もう見学者は来ないだろうからそろそろ片付けようじゃないか…という状況だと想像がついた。

その後のことは…
まあ、本編で話すことにして…こういう経緯で現地に到着しすぐ管理区域内(ダム事務所)に入り、見学会終了後はすぐ帰った。

このため本年度の真締川ダム見学会で撮影した写真は管理区域内で撮影されたものばかりである。しかし全部を限定公開記事にしてしまうと、記事閉鎖後は真締川ダム関連の記事が皆無になってしまう。
そこで前回の今富ダムと同じ形式で序編中に限定記事リンクを置き、公開しても特に問題ない写真を選定して本編に掲載した。それから閲覧できる記事が皆無とならないように、真締川ダムに関する包括的内容をまとめた一般公開記事を作成した。

情報関係機関の担当者からの要請により、限定公開記事を撤収しています。詳しくは「見学会の記事公開制限について」をご覧ください。
派生記事: 真締川ダム・平成24年度見学会【1】
上記限定記事が閉鎖された後のことを想定して、以下見学会で撮った写真の中から一般公開記事に置いても問題ないと思われる画像を掲載しつつ概略説明する。
見学会の内容上、詳細に説明できずわざとぼかした書き方がある部分はご容赦いただきたい。

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ダム事務所の2階から撮影した未来湖。
ワンショットでは全部入りきらないので3分割して撮影している。


ダムの監視が目的だから当然だが、さすがに2階の管理所は一等地だ。視座が高いのでよく見渡せる。

なお、始まる前に「せっかくの見学会なので普段は観られない場所を全部観たい」と申し出てあった。そこでダム管理所内部を観た後は、担当者随伴で普段入れない各種設備群に向かった。

まずはダム堰堤中央にある選択取水塔である。
塔に向かう桟橋は通常施錠されていて一般の立ち入りはできないことになっている。


選択取水塔の内部を見学し終えた後、普段は撮影できないアングルからの撮影を目的に、取水塔の外周通路を一周した。
塔の外周を一周できる通路がある

入口扉から取水塔を左回りに歩いて撮影している。


選択取水塔の下流側にある放流室。堰堤から放流路に沿って降りる階段があり、入口に柵はない。しかし放流室の上屋には施錠された扉がある。
したがって堰堤から階段を下りることができても何処にも行き場がない

上屋にはレールの上に乗った屋根のようなものがあり、この奇妙な構造が以前から気になっていた。


開けられた扉から上屋部分を通って駐車場側にある入口から内部に潜入した。

堰堤からは低い屋根のように見えるあの覆いは、そのまんま「屋根」なのだった。


放流ゲート直下。未来湖から真締川として出発している場所である。


下流側から眺めれば、余水吐から出てきてエプロンに滞留した水がそのまま流れ出てきているように見える。
実際はそうではなく、もう少し精密なことをやっているのだった。

それからダムの右岸にあたる戸石川の浸透流観測室を観てきた。
外観の写真を撮りそびれたのでこの一枚だけは後日撮影のものである。


浸透流観測室とは、ダム堰堤内部へ染み出してくる漏水量や湧水量を集めて計測するための設備で、真締川分と戸石川分の2ヶ所設けられている。

市道男山線の近くにあるバルブ室。
旧真締川はここを流れており、その水を灌漑用として利用してきた家屋への補償設備である。


真締川の浸透流観測室。形式は戸石川にあるものとまったく同じである。
天気が良いので開放的な眺めだ。


スッキリしたデザインの家のようだが、窓や扉の部分はダム管理所と同じくマジックミラーになっていて内部の様子は窺えない。
実際には顔を密着させて凝視すれば微かには見える


これにて管理区域内にあって普段は観ることができない部分の視察をすべて終了した。
監査廊がないので、ダム管理所までは日射を浴びつつ屋外を歩かなければならない。


写真を観るだけなら天気も良くのんびりできそうな風景だが、実際は暑くてかなり参っていた。
ダム管理所に併設された電波塔は如何にも仰々しく見える。


管理所と電波塔。
情報の送受信のためにこういう設備が必要なのだそうだ。


なお、再びダム管理所へ戻らなくてもいいように見学会のはじめにアンケートを記入しておいた。
それで駐車場に戻ってすぐそのまま帰った。受付時間は過ぎていたので随伴していた職員の方々も「今度こそは」そのまま撤収なさっただろう。
最後の最後に思いっきり濃い見学者に押しかけられた格好か…^^;

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