さて、パシパシ撮るぞ!と勢いづいたのはいいが…替えのバッテリーを持ってきていないことに気付いた。
相変わらずである…--;
まあ、車に戻れば間違いなくバッグに入れているし、この場所だけで数十枚も撮影はしないから大丈夫だろう。バッテリー切れになったら取りに戻ればいいさ…
取水塔全体が収まるように軽くズームする。
「灰色の豆腐」からは数本のケーブルが湖面まで降りていた。あの太陽光パネルまで繋がっているのだろうか…それにしては先端部分が解れているような気もする。
桟橋部分も含めて取水塔の原典ファイルを載せておこう。
これが撮りたかったのだ。
正面の半島からは、注水口とほぼ同じ規格の塔が見えている。
この塔の存在は早くから分かっていたが、このアングルから眺めたのは初めてだ。
(この記事をかく現在では塔の正体が何であるかほぼ完全に判明している)
周囲をパノラマ動画撮影しておいた。
[再生時間: 18秒]
降りてきた場所を振り返っている。
この入り江部分は思ったよりも浅かった。もっとも水の色を見る限り、現在ある汀から先は急に深くなっているようだ。
桟橋の最初の橋脚部分に昇降用梯子があり、そこに乗降場とボートが係留されていた。
梯子があることは門扉の前からも分かっていたが、橋脚部分は殆ど陸地上に建っていたことになる。
ダム湖の水位が標準状態なら、どうしてもこのボートに接近したい不埒な輩なら「立入禁止」の表示を無視して有刺鉄線付きフェンス門扉を突破し、昇降用梯子を降りて乗り込む以外ない。
それが今はどうだろう…殆ど労することなく、丸山水神社の横にあるガードレールの切れ目から入り江へ降りたち、歩いてここまで到達できる。8月末のほぼ満水時期から比べれば私の背丈くらいに水位が低い。
ボートは4人乗りで、最後尾のスクリューが上がっていた。ボートが波に揺られてスクリューを陸地に打ち付けないための処置だろう。
汀に横付けされていて、ダム湖側は既に背丈も超えるほどの深みが見えてゾッとした。
ボートの昇降口はこうなっていた。
桟橋の橋脚に沿って取り付けられた梯子で降り、ボートに衝撃を与えないように一旦フロート付きの筏に乗るようになっていた。まるで消防署の梯子のようだ。
艀もボートもそれほど新しそうには見えない。特にボートは湖上に係留されたまま吹き曝されているせいか薄汚れた感じだ。丸山ダムが出来てからの初代ボートだろうか。
(大抵は湖上ボートの格納庫を設置するのだが…)
さて、誰も観ていないからここでいざボートに乗り込み船出…なんてことをする筈がない。第一、エンジン始動するキーがない。それより何より、野山に慣れ親しむ野ウサギが深さの分からない水域をどれほど恐れるかはかねてから明言している通りである。
(厚東川ダムの左岸曝気循環設備棟でも同じようなことがあった)
誰か信頼できる人が運転してくれる横に乗っているだけならまだしも、単独で足の届かない湖上へ繰り出すなんてあり得ないことである。
元からこの場所は堰堤側から丸見えで、誰が観ているか分からない。疑われるような行動はしないのが吉だ。カメラで撮影し持ち帰るだけで、ボート本体には手を触れることすらしなかった。
(ルアー釣りに来た悪ガキがボート遊びしなければいいんだが…)
ここから太陽光パネルの載った筏までは100mもない。他の場所の巡回にも使うのだろうが、パネル点検用のボートだとしたら無駄な気もする。
パネルにはケーブルが接続されている筈だ。
例えば反対側の半島からケーブルをたぐって筏ごと引き寄せるとか、浮き桟橋を並べて歩いて行けるようにするとかした方が早いだろう。
(もっともすぐ近くに見える対岸の半島部分へ近づく道は恐らくまったくない)
太陽光パネルは今までにないほど近くに撮れたが、筏の上に乗っているパネルは平板だ。視座が低いので思ったほどよく観察できなかった。
せっかく苦労して入り江まで降りてきたので、もし可能なら汀を辿ってみたかった。
まず、堰堤から離れる方向への進攻は全くダメだった。入り江を離れるとすぐに急斜面となっていて、いくら水位が低い今だろうがこの不安定な粘土の斜面を歩くなどとんでもない。
水の色を眺めても想像がつく。
目の前がダム湖の水に湛えられているから平然としていられるのであって、一歩踏み出した先は崖なのかも知れない。
堰堤の洪水吐をズーム撮影。
上部構造を支える部分まで水上に現れている。この部分は滅多に見られないだろう。
ダム堰堤側の汀も同様だった。
遠浅になっているのは降りてきた入り江部分だけで、そこを離れた半島部分は急に深くなっているらしかった。
これだけ撮っておけば充分だろう。
最後に一枚、全体を入れるアングルを…とカメラを構えたところでバッテリーランプが点滅し始めた。
殆どバッテリーのことを忘れて撮りまくっていた。点滅し始めてからでも数枚は撮影できるから大丈夫だ。
「灰色の豆腐」の上部をズームする。
遠くからアンテナのように見えたのは風向計だった。
さて、宴の後は…
安泰に帰ることを考えなければならない。何処から管理道に復帰しようか…
周囲を暫くうろつくまでもなく、この入り江部分から管理道の黄色いガードレールが見えかけていた。
降りた場所より草木の繁茂は酷そうだが、到達地点が見えているなら我慢もできそうだ。
コンクリート斜面になっているので、管理道に復帰するならむしろ楽だった。しかし降りるときはここだと滑らないように体重移動するのが難しそうだ。
木々の生えていないコンクリート護岸を登り、最後は強引に灌木を押しのける格好で割と容易に復帰できた。
出てきた場所はちょうど売電・買電量を計測する建屋のある真ん前だった。
普段ならまず撮影できないアングルからのショットを得られただけに、藪を漕いででも入り江に降りた甲斐があった。低水位踏査は旬モノで、タイミングが肝要だからだ。
この記事を書く現時点で週間予報は向こう一週間程度の晴れを告げている。厚東川ダム・宇部丸山ダムの貯水率は一両日中にも60%台を割り込むだろう。
(既に工業用水の30%節水が行われている)
この先さらに水位が低下し、取水口のスクリーンまで見えるようになることがあるだろうか…
入り江の先は急に深くなっているので、ここからは水位が低下してもそれほど行動可能範囲は広がらないだろう。
堰堤からズームすればスクリーンが現れているのが見える状況になるかも知れないが、さすがにそこまで貯水率が下がったら低水位踏査どころか節水を余儀なくされる実生活を心配すべき事態だろう。
(しかし…内心密やかに期待する自分がいる…もしそこまで低下したら当然撮りに行く)
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【追記】(2012/9/29)
更に水位の下がったその数日後、管理道を一周したときこの場所に立ちよった。
しかし桟橋前に一台のスクーターが停まっており、先日訪れたボートの場所でルアー釣りする先客の姿があったので接近は諦めた。
(2012/11/10)
10月上旬、管理道を一周する過程で再度この場所を訪れ、前回より更に広い範囲を踏査した。
続編として公開する。
(「宇部丸山ダム・取水口【3】」へ続く)更に水位の下がったその数日後、管理道を一周したときこの場所に立ちよった。
しかし桟橋前に一台のスクーターが停まっており、先日訪れたボートの場所でルアー釣りする先客の姿があったので接近は諦めた。
(2012/11/10)
10月上旬、管理道を一周する過程で再度この場所を訪れ、前回より更に広い範囲を踏査した。
続編として公開する。