水越ダム

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記事公開日:2013/8/4
水越(みずこし)ダムは、菅野ダムより約2km錦川の下流にある企業局管理のダムである。
写真は特徴的な赤く塗られたラジアルゲート。


ダム左岸接続部付近をポイントした地図を掲載する。


企業局のサイトに水越ダムに関する一般的な記述がある。[1]
ダムの概要は以上の項目を観て頂くこととして、ここでは補完的な内容を記載する。
《 アクセス 》
国道434号で菅野ダムの堰堤上を渡り錦川に沿って下ると、次第に錦川の水量が増えてくることに気付く。その先に菅野ダムと同様の赤いクレストゲートが特徴的な水越ダムがある。


国道はダム左岸堰堤のすぐ前を通過する。堰堤入口付近には駐車場があり、左岸から眺めることができる。
《 特記事項 》
・堰堤上および左岸側は管理区域内となっており関係者以外の立ち入りが禁止されている。


ただし国道接続部にはフェンス門扉などはない。[2]たまに釣り客が間違って侵入してしまうことがあるらしい。

・水越ダムは「森と湖に親しむ旬間」の見学対象ダムとはなっていない。施設を見学したい場合は個別に対応可能な場合もあるが、立入禁止区域外にインターホンなどは設置されていないので、直接ダム事務所を訪れることはできない。

水越ダムはゲート操作を必要とするダムなので、左岸の管理事務所は24時間担当職員が常駐している。
現在職員の駐車スペースとなっている場所は、元のダム管理事務所の跡である。


企業局サイトにもある通り、水越ダムは上流にある菅野ダムのピーク時発電という不定期に発生するダム流下水量変動を調整する役割を担っている。
菅野ダムからの水を工業用水として周南の工業地帯へ送り出すと共に、水越ダム自身もダム下に設置された水越発電所で発電も行っている。菅野発電所が稼働していない間は水位が下がるので、尾根を一つ隔てた朴地区から金峰取水路で導いた水も発電に利用している。


水越ダムが堰き止める緩衝池部分は水越逆調整池と呼ばれている。
広大な菅野湖に比べて容量が100分の1しかない[3]ため、水位は常に変動している。国道に近い側には水没した樹木がいくつか見られる。


水越ダムから国道に沿って上流側に若干歩くと、カーブ先の対岸に徳山導水路水越取水口が見える。


徳山導水路は周南地帯の工業用水を供給する水の大動脈であり、特異な経路で徳山発電所に送水している。
取水塔と同じ区域に徳山導水路の竣功を記念するモニュメントなどが設置されているが、管理区域内にあるので国道側から逆調整池を挟んで眺めることしかできない。
《 個人的関わり 》
かつて国道315号、434号と経由して錦川総合開発事務所へ業務として何度か車を走らせた頃から知っていたダムである。もっとも頻繁な時期には1ヶ月に3度くらいここを車で通った。
ダムらしからぬ堰堤の低さながらゲートは国道からもかなり目立つ。しかし車を停めて撮影するほどの余裕はなかったらしく当時の写真はない。

金峰(みたけ)という難読地名を早くに覚えた由来もある場所である。大変に山が深く、2013年現在においてダム管理所を含めてこの近辺ではすべての携帯が圏外となる。管理区域内でクマも目撃されている。[3]
初めて記事制作目的で水越ダムを訪れたときのレポート。
時系列記事: 水越ダム・初回踏査

平成25年度見学会において東部発電事務所経由の依頼で実現した管理区域内見学レポート。
限定公開記事: 水越ダム・個別見学

水越逆調整池にある金峰取水路の注水口を視察したときの記録。
時系列記事: 金峰取水路・水越注水口
出典および編集追記:

1.「山口県|企業局総務課|企業局の概要・企業局関連ダム|水越ダム

2. 堰堤接続部にフェンスを設置しないのは、ダム管理事務所に郵便物の配達などで立ち寄る関係者の便宜上である。
釣り客の他、かつて国道で車が故障し助けを求めるために明かりの点いている事務所を訪ねて来られた女性ドライバーがあったという。いずれも水越ダム事務所職員による談話。

3. 同じく水越ダム事務所職員による談話。

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