歌野川ダム【2】

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(「歌野川ダム【1】」の続き)

来るときワン公に吠えまくられたあの分岐路まで戻り、そこで左折した。
溜め池前の分岐で真っ直ぐ進む道の先に山側へ向かう道があった。遠回りになるが来るときもこの道を通った方が分かりやすいかも知れない。


他に歌野川を遡行する道がないので、これがダム下へ続いている道だと確信した。
しかし…

道幅はかなり狭い。もしかして間違って民家の庭先へ突っ込んで行き止まりになるのではと思われるほど先行き不安を感じさせる道だった。舗装が割れて水が溜まっている場所もあった。
これでもサクラの咲く時期にはそれなりに賑わうと思うのだが…


両側に鬱蒼と垂れ込めていた木々が退いたとき意外にも道幅が広くなり、練積ブロックに囲まれた新しい建物に出会った。
こんな辺鄙な場所に集会所とか?


門構えや建屋はかなり新しい。最初何でこんな辺鄙な場所に集会所が…と思われたような構えだった。


敷地の奥に厳ついタンク類が見えたので、水利関連の施設と感じた。ちょっと車から降りて偵察する。

ダムからかけ離れるが無関係な設備ではなかった。
歌野浄水場とある。逆光が厳しくてアングルに苦労した。


洒落た集会所のような造りをしていながら浄水場なので当然立入禁止である。
しかし敷地に沿った高台に向かえば容易に中を見おろすことができた。


今のところ上下水関連の施設は物件として「追わない」ことにしているので2枚の写真を掲載するにとどめておいた。
タンクが並んでいることから、原水から浮遊物の除去を行い殺菌して飲料可能な水にまでしているのだろう。意外にコンパクトにまとまるものらしい。


ダム下の道はここでコンクリート床版の橋を渡る。そしてロックフィルダムの堰堤だろうか…と見紛うような石の山に出会う。


この石の山を回り込むように進むと歌野川ダムを正面に迎えることになる。
なかなか奇なる眺めだ。


石の山は明らかに後から積み上げたもので、まさかロックフィルダムみたいに内部までそうなっているとは思えない。恐らくダム工事で出てきた岩を破砕して再利用したのだろう。

道はダム正面でポンプ所前に到達し、そこで折り返して高台にある公園に向かっていた。ポンプ所が気になったが帰りに立ち寄るとして、まずは車で行ける場所まで進んだ。
予想通り先ほどダム管理所から見えていた公園の駐車場に到達した。その横からダム堰堤に向かう道もあったが、補修工事中で車両通告止めの案内とバリケードが置かれていた。歩いて行くことはできそうだった。

車から降りて行動開始している。
剪定業者の邪魔にならないよう駐車場の端に停めている
話に聞いていた通りサクラの目立つ公園で、右岸のダム事務所があった休憩所よりずっと整備されている感じがした。


バリケードは車止めの意図だけで立入禁止にはなっていなかったので、先へ進まさせていただく。
既にダム堰堤が見えかけていた。


道路から離れた場所に低い柵が設置されていて奇妙に感じたので近づいてみた。

柵の外側は恐ろしい急斜面だった。
下の方に灌漑関連の設備の屋根が見えている。


コンクリート吹付けの斜面は直高20mくらいあった。身を乗り出すのはかなり怖い。
ダム堰堤が立入禁止になっているかと思えばこんな道路から近い崖に簡素な柵だけ…何か変な場所だ


「歌野揚水機場」という文字が見える。
ここは管理区域内だからあの前まで行くことはできないだろう。


日常では機場なんて言葉に接することはまずない。飛行機場の方にイメージが向いてしまいそうだ。
機場とは早い話灌漑および排水目的のポンプ室で、農林関係の部署が好んで用いる言葉のようだ。
土地改良区の仕事で排水機場なんて工事名を何度も目にした

うねうねと曲がりながら高度を上げていく。整備すれば車でも何ら問題なく通れる道だ。


視界が開けてきた。
今度こそは近くからダム堰堤を拝めそうだ。


ダム堰堤に対して直角に取り付いている欄干は、右岸から見えていたあの橋の部分だろう。取りあえずここまでは何ら規制を破ることなく歩いて来れた。

橋の上から右岸を眺める。ダム下の左岸は本流に対して直角方向に切れ込んだ沢になっている。


天端より10m位降りたところに左岸の監査廊入口が見えた。


コンクリート吹付けの急斜面がかなり怖い。一番下にも第二の監査廊入口が見えている。 ダム躯体に貼り付いて監査廊入口に伸びる灰色のラインは恐らく電源線だろう。


左岸から見たダムの全容。
こちらからの方が近くに見られるが、逆に近すぎて全体像が入りきらない。拡大対象画像です。
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だけどダム管理所前があんな状況だったから、まさか左岸側からは堰堤上に歩いていける…なんてことにはなっていないだろう。
期待しないで左岸堰堤取り付け部まで歩いた。

(「歌野川ダム【3】」へ続く)

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