火力発電技術センター

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現地踏査日:2012/7/8
記事公開日:2012/7/15
火力発電技術センターは中国電力(株)の所有する施設で、西沖の山にある西宇部変電所に隣接している。


この記事をかく現時点では、到達可能な場所から撮影した画像があるだけで、施設の役目など詳しい情報をお伝えできる段階ではない。私自身殆ど情報を持っていないからだ。
地図では火力発電技術センターという文字が見えるので現役の施設と思われるが、敷地内には使われず老朽化しているタンクなどが散見される。火力発電所として稼働していた歴史があり、現在でも発電しているかも知れないが、少なくとも今は中国電力直営の火力発電所ではないことだけは分かっている。
ここで火力発電を行っていないか施設はそのままで中電以外に移管されたかのいずれか

元々一般人には用事がない施設なので、関係者以外は立ち入りできない。西宇部変電所を訪れた折りに外から観察できる範囲で撮影している。それ故に情報満載の物件とは対極的で、本編は専ら写真の掲載で殆ど解説らしき記述は含まれない。離れた場所からの画像を眺めてこういう施設だと確認して頂く暇つぶし記事ということにしたい。
詳細な情報が得られ次第、追記することにする。

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時系列としては「西宇部変電所【3】」の派生記事になる。
一通りのものを眺めた後、一旦海沿いの道に戻ってきた。


更に道なりに進む。
西宇部変電所の設備の背後に見えていた巨大タンクが近くなる。火力発電所時代の冷却水用ではなかろうか。


近づいて撮影しなかったがこのタンクはいくら何でも使われていないだろう。海が近いせいか塩分を含む風に晒されて側面が著しく錆びており、こんな状態で数百トンもの純粋を安全に貯留できる筈がないからだ。
解体撤去するにもコストがかかるので放置されているのかも

黄色いセンターラインを伴った道は、この入口前で分岐していた。


火力発電技術センターという表示が見えている。
しかし表示部分は著しく汚れているし、何よりも通路部分に草が生えてしまっている。


次の2枚は3年前の映像である。
時期柄、雑草の伸び方が著しい。


初めて訪れてこの光景を見たときは、廃物件ではないかと思った。


再び現在の映像である。
門扉は閉ざされ、最近通行したような形跡がない。しかし廃物件と化してしまったのではなく、単にこちら側から出入りしなくなっただけだろう。
三角溜め池の手前に案内板付きの入口がある


門扉越しに中を覗き込んだ。
何よりも目立つのが、出入口の通路を跨いで建っている巨大な紅白鉄塔だ。


普通車が通る分には問題はなさそうだが、背の高いダンプは鉄塔の斜交い部分が当たって通れないだろう。
Yahoo!の航空映像ではこの紅白鉄塔は確認できない。当初から存在していたのではなく、大型車両を通さないこととなる前提で後から建てられたらしい。

門の前から紅白鉄塔を見上げている。
送電鉄塔としてはこの近辺で見かけない位に高い。なかなか見事なのだが、如何せん曇り空だと映えない。


3年前、もう少し天気の良いときに撮った写真だ。
2回線鉄塔なのだが片腕にワイヤが架かっていない。将来のための拡張用だろうか。


青空とはいかないが今回撮ったものよりは日差しが明るい分だけ鮮明だ。拡大対象画像です。
画像にマウスをかざすと拡大、ダブルクリックで最大化します。
クリックすれば元のサイズに戻ります。


入口に近い側に総ガラス張りを思わせる4階建ての事務所らしき建物が見える。
安全第一のモニュメントは遠目にも錆が目立つし、建物の窓枠にもどこか古さが気になる。休日であることを差し引いても、建物の中に点っている電灯は一つも見あたらなかった。


更に海側へ向かう道を進みつつ撮影している。西宇部変電所の背面が火力発電技術センターの敷地になっているので、変電所は表側の一部分しか見えない。


現在も関係者が普通に出入りしているのか、外囲いのフェンスは簡素でそれほどの厳重さはみられない。
警告表示がなく門扉も開いている場所でもあれば接近もしようが、さすがにそんな場所はなかった。


その先にもう一つ別の通用門があった。先の正門より更に門扉の錆び付きが酷い感じだ。


門扉にぴったり貼り付き、カメラだけ先を探ってもらう。
いずれの設備も通路や門から離れていて詳細は窺えない。


800T純粋タンクの表示が見える。先の錆びたタンクよりは新しそうだ。
このような巨大タンクの内部はどんな構造になっているのだろう…


ベランダがある建屋は研修施設だろうか。社員向けの宿泊施設のようにも見える。
その手前に燃料タンクだろうか…2基並んでいて、いずれもペンキで「カラ」と描かれていた。


海へ向かう道は更に別の建屋の横を通って伸びていた。
何処までが火力発電技術センター関連なのか分からないので写真は割愛するが、この道の突き当たりにフェンス門扉があり、関係者以外立入禁止になっていた。また、埋め立て地の突端には興産大橋が見えていた。
写真を撮っているので港湾関係の別記事を仕立てるかも知れない…需要があればの話だが

引き返す途中で撮影している。
火力発電所の廃熱用の煙突だろうか。これはYahoo!航空映像でも確認できる。


3年前に撮った紅白鉄塔の横からのショット。
スッキリしたフォルムである。こういう眺めはとっても好きだ。
碍子やワイヤの取り付けを行った特殊作業員って心底凄いと思う


こうして西宇部変電所の入口前を通過し、そのまま帰途へ就いた。

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火力発電技術センターに関しては、残念ながらこれ以外に部外者でも立ち寄って撮影できる場所がない。
元々、私企業が研究開発を進めている施設であり、このような場所に潜入して機密情報を持ち出す産業スパイの存在に神経を尖らせている筈だ。純粋に面白い物件を探している積もりでも不用意に禁止区域へ入って写真撮影を行えば、単純な不法侵入以上に厄介な事態になるかも知れない。

それ故にこの物件に限らず、産業スパイ活動に手を貸していると誤解されかねない場所での写真撮影および記事制作には注意を要するのは確かだ。もっとも現地に禁止文言がいっさいなく、一般人が容易に立ち入れる場所での観察や撮影などは全く問題ないと認識している。
カメラ撮影も厳重に規制されるような場所なら一般人が物理的に接近できない環境になっているはず

しかし願わくば、もし機密性がそれほど高くはなく一般人が眺めても問題ない設備群は、もう少し敷居を低くして欲しいと感じる。例えば見学会のようなものを開催場合によっては有償でもして頂けるなら興味を持って訪れる人がある筈だし、企業活動の理解も深まるのではないかと思う。

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