「木屋川ダムを眺めるなら、ダム下からの方が良いですよ」
ダム事務所でアドバイスを受け、現地への行き方も教えていただいて私はある場所へ車を走らせていた。---
木屋川ダムの続編からではなくインデックスからご覧になっている読者には流れが分からないだろうから、まずは木屋川発電所の位置を地図で示そう。
地図の通り、木屋川発電所はダム直下にある。ダム堰堤に接してダム管理事務所があること、事務所の前を狭い県道が通っていること、ダム下の発電所へ向かう狭い管理道がある点など厚東川ダムと酷似する点が多い。ただし発電所に向かう管理道は細い県道からではなく、メインの県道34号から分岐している。
７月下旬のある暑い日、私はアジトを早めに出て初めての訪問となる木屋川ダムを訪れていた。豊田湖の眺めは秀逸だったが、初夏に西日本を襲った豪雨災害の影響でダム見学会が中止されたこと、事務所からのダムの眺めがイマイチで物足りなさを感じていた。
ダムカードを渡してくれた担当者は、ダム下から眺めた方が良いと話し、積極的に推奨はできないが…との前置きながらもそこへ至るルートを教えてくれた。
以下、豊田町方面から県道を北上して木屋川発電所を観に行くにも使えそうなので、経路を書いておこう。
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ダム事務所から再び狭い県道319号を戻り、県道34号との合流点で鋭角のカーブを曲がって少し北へ走る。
豊田町から県道34号を北上して木屋川発電所に向かうなら、この手前にある木屋川ダムへの右折案内を無視して直進することになる。
程なくして道路の右手にコンビニ風の郵便局が見えてきた。
（コンビニ風って言うより昔はここってホントにコンビニだったのでは…）
郵便局の前は豊田湖バス停になっていた。離れたこの場所が豊田湖バス停ということは、ダム事務所の前を通る県道319号はバス路線にはなってないらしい。
ここまでの写真でおよそ想像つくと思うのだが、
車を郵便局の駐車場に置かせて頂いた。
まあ、この辺りの経緯は最後に地図を添えて述べることにして…一枚目の写真からも分かるように、この郵便局のすぐ先に木屋川発電所の入口があった。バス停前の横断歩道を渡ってすぐである。
案内板は比較的大きい。一般来訪者には縁遠い設備だが、看板を信頼して車で入りたくなるかも知れない。
（お勧めしない…写真を追って見ていくうちに分かる）
発電所の管理道は民家の地区道を兼ねているようで、両脇に民家の倉庫などが並ぶ。
この管理道に対してダムは若干斜めに向いている。
（このため県道が木屋川を渡る瀧橋からダムは見えない）
見たところ車１、２台ならどうにか停められないこともなさそうな状況だ。しかし地元住民が空きスペースを簡易駐車場のように使っているようで、外からの来訪者は気易く駐車できるふいんきではない。
管理道に向けてダム放流の注意書きがあった。
現在は増水しているので発電中だ。
管理主体が木屋川利水事務所から西部利水事務所に書き換わっている。
最後の民家を後にして、管理道は一路発電所に向かって伸びている。道の暗さとダムの明るさの対比がきつく、両方を同時には撮影できない。
影の多い管理道に光量を合わせて撮影すると、河川敷が白トビしてしまう。それ位にこの日は太陽の照りつけ方が厳しかった。
管理道は舗装されているものの、普通車でもキッチリな幅しかない。山側には狭い溝があるし、河川敷側はガードレールはもちろん路肩寄り過ぎ防止の縁石も皆無だ。運転ヘタクソなドライバーは、心置きなく木屋川にダイブできるかも知れない（怖笑）
管理道に沿って太いパイプが伸びていた。藪にまみれて気付かなかった。
上水道向けの原水だろうか。
ダム本体が正面に見え始めると共に、右岸の発電所建て屋と排水口が見え始めた。
正方形の巨大な排水口から水が流れ出ている。
願わくば河川敷まで降りて覗き込むアングルで撮影したかったのだが、何処からも降りられる場所はなく、護岸は上がり直しが効く高さではなかった。
タービンの回転音だろうか…施設の方から電気音が聞こえている。
排水口はボックスカルバートのようで、手前に逆流防止の樋門があった。
変電所の入口にコンクリート製の門柱があった。普段は殆ど訪れる人もないようで、木の枝が門柱を遮っていた。
向かって左側が築造年月、右側が木屋川発電所の銘板となっていた。
昭和29年12月竣工となっている。
（左手で木の枝を払いつつ右手でシャッターを切っての撮影だった）
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門柱より先に進むことはできても、その先にフェンス門扉が見えていた。見学会は中止されたのだから当然施錠されているだろう。
フェンスから覗き見するのが精一杯なのだろうか…
（「木屋川発電所【２】」へ続く）