見初変電所【2】

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(「見初変電所【1】」の続き)

道路の反対側から撮影している。
一般家庭向けには見初変電所が「上流」になるから、この建屋の前を通り過ぎる送電線はない。


これは初回に市道レポート向け撮影を行った日のものである。
一般家庭向けに門型の鉄骨塔があり、それとは別に先のよりはごつい四角柱型の鉄骨塔が建っていて市道の反対側に送電線が伸びていた。


手前のごつい塔は宇部岬変電所向けである。拡大対象画像です。
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こちら側にも通用門があったが、同様にフェンスの網目が細かくしかも建屋のちょうど背面になって殆ど写真にならない。こんな状態になってしまう。


ズームしてみたがやはり網目の端がレンズにかかるようで巧く撮影できなかった。


一連の撮影はいずれも市道恩田八王子線の走破レポート向け撮影途中に行っており、これ以上は追求せず市道走破に戻った。

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さて前半部分では市道からの淡々とした変電所の写真をお届けした。もっとも細かなフェンスに遮られ、殆ど満足のいくショットではなかったのだが…

撮影日と場所が変わり、ここからは見初変電所の裏手および横側からの眺めになる。ついでにここからは変電所の記事としては異様に「濃い」記述に変わる。
それと言うのもかつて恩田に住んでいた自分からすれば、裏手から眺めた変電所の方がずっと馴染み深いものだったからだ。

見初変電所は自宅から(より正確には自分の部屋の窓)見えていたし、特に変電所の手前に建つ最後の一基の引き込み鉄塔が目立っていた。それは当時殆どの場所から見えていたし、恩田小学校へ登校する途中、歩くにつれて微妙に表情を変えるように見える引き込み鉄塔の姿が印象的だった。私にとっては今もそこに在り続ける引き込み鉄塔は「恩田を代表する景色の一つ」とさえ言ってもいい。

それほど自分の脳裏に焼き付いた映像でありながら、手元には国道から撮影した引き込み鉄塔および変電所の写真が一枚もない。私は当初その理由が分からなかった。送電鉄塔なんて滅多に建て替えられるものではないから、慌てなくてもいつでも撮影できる…という慢心だろうと思っていた。
事情あって引っ越し後暫く恩田方面への接近を注意深く回避していたことも理由の一つ

写真がない理由は、改めて幼少期に何度も眺めた国道190号恩田バス停付近に立つことで漸く理解できた。
スーパーの建物に遮られて変電所が見えない。
敢えて写真は提示しないが、国道190号の恩田バス停前にスーパーが建ち、その背後も多くの住宅で埋まったことで変電所が見えなくなっていたのだった。

もっとも現在あるスーパーの建物は私が恩田に住んでいた頃にできた。昭和50年代後半あたりのことで、当時は別のオーナーが入っていた。

恩田地区の別記事でも述べたように、かつて恩田バス停付近から変電所の裏手までは沢になっていて、溝と言ってもいいような小川が流れていた。その両側はすべて田んぼか畑か荒れ地だった。
国道沿い前後の家電店や本屋、レストランが出来たのはスーパーより更に後のこと

脳内にある映像に近い眺めが得られそうな場所を求めて移動してみた。
スーパーの駐車場からカメラを構えている。ここでも建屋と民家の間から最後の引き込み鉄塔がやっと見える状態だ。周囲の建物が目に入るので、鉄塔自体もかなり遠くに感じられてしまう。


スーパー裏手に回り込むと漸く変電所が見えるようになる。
現在は民間アパートの駐車場になっているが、かつてはその背面にある畑がずっと広がっていた。
ちなみに当時の畑で栽培されていた野菜の殆どはキャベツ…当時の市内全般に言える傾向だった


この辺りからの眺めは当時のものにかなり近い。
それでも引き込み鉄塔下の家や変電所横のアパートは存在しなかった


いわゆる「レンガ坂」手前の十字路(いずれ別記事で案内する)より変電所の裏側へ行くことができる。
もっとも現在こそ踏み跡が見えるが、幼少期には両側が畑で勝手に入っていけるような場所ではなかった。


少し離れた場所から撮影した3年前の映像である。
この頃までは変電所横の畑は耕作されていた。
「レンガ坂」前にある民家の畑ではないかと思う


変電所の敷地に隣接する空き地の壊れかけたフェンス越しに撮影。


手前に立っている一般家庭向け電信柱は後から設置されたものと思われる。元はこの電線に邪魔されることなく変電所が見えていた。
そうは言っても少なくとも十数年前には存在していた


鉄骨の梁に経路名らしきプレートを見つけた。
見初線1号と書かれている。この左横には2号もあった。


市道に路線名があるように、送電鉄塔の経路にも固有の名称がある。もっともそれは地図などに記載されず、自力で調べなければ分からない。一般人には市道の路線名以上に「知る必要性に薄い」存在であるため、殆ど表には出て来ない情報だ。

この踏み跡は一般の民家の裏庭に続いており、変電所をぐるっと一周することはできない。
市道恩田八王子線側にあるフェンスよりは目が粗いので中を覗き見ることはできるが、そう特殊な機器類は見受けられない。


他にも民家の裏側などを通れば違ったアングルでの眺めが得られる場所はあるだろう。しかし敢えてそこまでして観察する程の意義を感じなかった。他の変電所ならともかく、自分にとって見初変電所は「遠くから眺めて懐かしむもの」という存在のようだ。

変電所の見える位置に数十年暮らしていながら、特別な事件などは殆ど記憶にない。電気音や明かりが生活に支障を来すようなことはなかった。
電気音と言えば、中学生の頃何の気なしに窓を開けて見初変電所を眺めていて、構内の機器から時折火花が散っているのが見えて驚いたことがある。通常の電気音とは違い、バチバチと花火のような音が聞こえていた。
それほど珍しい現象ではない…ただ送電ロスになるのであまりに酷い場合は対処される
台風で停電したときは、窓から変電所を眺めて復旧を待ちわびたものだった。停電のときでも変電所の構内には常に保守用の明かりが点灯していたと思う。

最後に些か揚げ足取り的なネタを…

かつてYahoo!地図ではこの施設を「見初発電所と誤記されていた。
前編では宇部変電所の外部ブログ記事リンクを貼っておいたのだが、3年前に書いた記事のため埋め込み地図のバージョンも古い。宇部変電所がポイントされた地図をドラッグして見初変電所のあるべき位置を表示させると、何故か「見初発電所」となっている。
この記事を作成している現段階でもそのように表示されている

あれでも自宅の部屋の窓から何の気なしに見初変電所を撮影した当時の写真があるかも知れない。また、国道から観た当時の眺めの再現も視座を上げればかなり近い眺めを得られる可能性はある。
スーパーの屋上に登らせてもらえれば近い写真は撮れるだろう…しかしそこまでするかは…^^;
別のアングルからの鮮明なショットや昔の眺めを再現してくれそうな写真が見つかったら、この続編を書くことにしよう。
出典および編集追記:

1.

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