写真は発電建屋と水圧鉄管である。
発電所の所在場所を地図で示す。
(航空映像による拡大表示対象外地域である)
錦川第一発電所は導水式で水力発電を行っており、向道湖の中ほど左岸側に設置された取水口より導かれている。稼働開始は1924年10月で、錦川に設置された中電管理の水力発電所としては最も古い。[1] 導水路により、向道湖から菅野ダムを経由しないで直接発電に利用されている。
《 アクセス 》
山陽側からでは国道434号を北上する。菅野ダム堰堤上を渡り、錦川に向かって下る途中に鋭角に曲がる入口がある。以下の派生記事に経路を明記している。
派生記事: 菅野発電所・錦川第一発電所に向かう道
この分岐から赤い鉄骨の目立つ橋を渡る。
橋を渡った先ではすぐ左折する。
殆ど車通りのない舗装路を進む。
やがて一段高い敷地に向かうスロープのついた分岐が右側に現れる。
既に発電建屋が見えている。
このスロープを登ると直接発電建屋の前まで車で乗り付けられる。
入口に侵入禁止の表示や門扉封鎖などはいっさいなく、自由に立ち寄ることができる。
《 特記事項 》
・向道湖の中ほどの左岸から若干離れた位置に第一取水塔がある。即ち取水口は岸辺ではなく取水塔そのものに存在する。
取水塔から向道湖の下を通る導水管で恐らく左岸にある第二取水塔を経ている。
・取水塔から導水隧道で山を越え、菅野湖の先端部分から県道に沿うような経路をとっている。導水隧道は地被りの浅い沢部分から掘削したらしく、地図上には管理用の竪坑が地表部に現れるらしい場所がいくつかある。
観音平と呼ばれる地先には水路橋または水管橋で沢の上を渡る場所がある模様で、航空映像からも確認できる。
この状況は菅野湖沿いの道から見える筈だが、未だ現地確認はしていないので詳細は不明である。
・発電所は菅野発電所の500m程度下流側に存在する。国道434号からも建屋と水圧鉄管を一瞬観ることができる。隣接して八坂神社があり、地区道を経て発電建屋のある敷地内へ進入可能である。
・間上発電所ほど明白ではないが、水圧鉄管路の上部は立入禁止にはなっていない。索道同様の急な坂がある獣道を経て最高地点まで到達可能である。
・水圧鉄管は一条だが、発電建屋へ送られる直前で二条化し2機のタービンに導かれている。
・発電を終えた水は直接錦川に放流される。したがって中国電力(株)自体は向道湖から導いた水の位置エネルギーのみを利用している。この水は菅野ダムからの放流分と合わせて水越ダムへ送られることになる。
《 関連記事リンク 》
発電建屋周辺と水圧鉄管路などの踏査。全8巻。(予定)(限定公開記事を含みます)
向道湖左岸にある取水塔の踏査。全2巻。