新山口変電所

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記事編集日:2016/10/27
新山口変電所は、美祢市の北端に存在する超高圧変電所である。


新山口変電所は電力需要の増大に対応するために超高圧変電所として1984年2月より運転開始した。[1]
本州の西端に位置する山口県では、県内にもう一箇所ある超高圧変電所の東山口変電所から山陽側を通る新山口幹線、西島根変電所から山陰側を通る中国西幹線という電力の動脈があり、新山口変電所に至っている。新山口変電所から西は下関市を経て関門海峡を渡るが、この経路は山口県内にありながら九州電力の管轄となっている。

新山口変電所の位置を地図で示す。


新山口変電所は美祢市の北の端、嶽(だけ)という地域にある。一般に変電所は広大な敷地を要し、設置される機器からは常時動作音が発されるので近くに民家がなく、適度にアクセスの良い場所に立地を求めている。
500m四方の広大な敷地の西側に管理所の建物があるが、一般の変電所と同様現在は無人で遠隔操作されている。

変電所は一般庶民がその存在こそ知っているものの、変圧器や数珠繋ぎの碍子など奇妙な機器が沢山あって一種独特な雰囲気を醸し出している場所である。超高圧変電所は日本列島という骨格における電気の大動脈が接続される場所のため、設置される機器群も極めて巨大で異様な景観を呈している。例えば500Kv級の高電圧が通る遮断機などの碍子は単体で2階建てアパート程度の高さがある。鉄塔に接続された懸垂碍子は長さ6mにも達する。

設置された機器の機能などは関連業務に携わる人々でなければ殆ど理解困難で、ロボット工場のような奇特な外観とも相俟って「美祢のエリア51[2]とも俗称できるだろう。

敷地の外側からの見学は随時可能なので、わざわざこのためだけに車を走らせることはないにしても、非日常的な景観を愉しみたい向きにはお勧めできる物件である。
《 アクセス 》
美祢の西部から豊田方面に向かう県道65号でマツダの走行試験場前を通過すると、送電鉄塔の密集した区域が見えるようになる。この風景は仕事で車を走らせていた頃から変わっていない。
ヘビの這うような緩い連続カーブが特徴的


県道は平成初期まで狭隘区間があったが、現在は全線対面通行で整備され快適に通ることができる。

県道65号と県道235号の交点に「嶽」と書かれた行き先板があり、その細い道に沿って進む。嶽地区の集落が見えてすぐに鋭角カーブを右に曲がれば、変電所までは一本道になる。管理所のある前にかつて係員が常駐していた頃の来客者用駐車場がある。敷地が広大なので、車を移動しつつ眺めると効率的である。

敷地外側を3方向に囲む通路は公道かどうか分からないが、Googleのストリートビューによるデータが採取されている。入口前を設定したデータを貼り付ける。


フェンス越しで撮影スポットも制限されるが、上記ビューで位置を変えつつ敷地方向を眺めることで現地の様子を確認することができる。

変電所の管理所建屋がある近辺から小さな峠を越えて西へ下っていく道があり、地元在住者は車で通っているようだが、道の状態や何処へ出られるかは不明である。
《 個人的関わり 》
地図でも明白なように、新山口変電所は一般には殆ど知られない辺鄙な場所にある。それにも関わらず早くからおよその場所を知っていた。巨大な送電鉄塔が複数寄り集まっている様子が県道からも見えるからだ。

前職では月に一度程度仕事で豊田土木事務所へ行っていた。
豊田に行くには厚狭から県道65号を辿るのが最も分かりやすくて近い。今のように県道の全区間が対面交通に整備される以前から何度も車を走らせている。
県道沿いに立つ電柱に変電所の行き先を案内する看板があった。当時からちょっと観てみたい気持ちはあったが、敢えて寄り道してまで観に行かなかったのは徳山発電所の水圧鉄管のときと同様だった。
初めて新山口変電所を訪れたときの驚きを交えたレポート。全4巻。
初期に作成された記事で画像の品位がやや劣っている
時系列記事: 新山口変電所・初回調査

県東部へ向かう便があった帰りに再訪したときのレポート。全5巻。
時系列記事: 新山口変電所・第二回訪問
出典および編集追記:

1. 中国電力ホームページの「パンフレット・刊行物のご請求」にある「電力設備の概要」”資料編”に詳細が記載されている。

2.「Wikipedia - エリア51」に詳しい。

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