新山口変電所・第二回調査【1】

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(「新山口変電所・第二回調査【序】」の続き)

初回調査時にかなり綿密な撮影を行っているので、前回に見落としたもの以外は簡単な解説にとどめて専ら撮り直しを意識して撮影した。

スロープを登ったところに最初の入口がある。


これは通用門で現在はメンテナンスの時にしか使われていないらしい。


初回調査時に撮影した同じ場所のショット。このときは天気こそ良かったものの雲が多い空模様だった。
今回は天気が良く光量が多いので前回撮影分よりは細部まで明瞭に写っているのが分かるだろう。


この辺りからして既に通常の変電所よりも機器群が重厚だ。
しかし同程度のものは例えば山口変電所でも観ることができる。


網目越しに敷地内部を撮影していて、前回は気付かなかったものを見つけた。
フェンス際に設置されているこの奇妙な柱である。


10cm角くらいの台座部分に針のようなものが5本植えられている。精密機器のように思えるが、その割には上部は剥き出しだ。
側面に製造メーカーと思われる銘板がある以外、これが何であるかを示すものはなかった。


門型鉄塔部へ引き込まれる送電線の真下へ移動する。


「新山口連絡線」と記載されたプレート。厚東区にある山口変電所へ送っている。
私たちの消費する電気は、ここから下位の山口変電所へ向かい、更に下位の宇部変電所、そこから見初や相生などの変電所を経由して届いている。


空が青いので碍子群がよく映える。
初回訪問時はこの眺めだけでも異様に感じたものだった。


二導体のV吊りは階級の低い変電所では殆ど観られない。


送電鉄塔の方も2回線二導体で送っている。
近年建てられる鉄塔はこのタイプに変わりつつある。


市内近辺でも大容量の電気を送るのに以前は高い鉄塔を建て、腕金を何本も並べて複数回線を送る例が多かった。最近は鉄塔建て替え時に腕金は従来タイプの左右に3本ずつ2回線のままで、送電線を二導体にするパターンが増えている。
複数導体の場合、ワイヤが捩れないように一定間隔でスペーサーが取り付けられる。そのような送電線が市内でも観られるようになった。

ちょっと遠くて見づらいが「新小野田火力連絡線」となっている。
新小野田発電所からの電力をここに送出している。


車はそのままにして敷地の外周路を歩いて撮影している。
左端は初回踏査で見つけた敷地内排水の側溝だ。


排水口には鉄格子が架かっているものの動かすことができて、ここから敷地内へ潜入できてしまう…ようなことを初回調査のときに述べた。しかし今回訪れたときも変化はなかった。
こんな人里離れた変電所でテロ行為紛いのやんちゃをしでかす輩も居ないということか…

前回も撮ったスロープを上がったところにある入口の案内板。
いらっしゃいませの文字が見えるので、以前は門扉が開いていて車で入れていたようにも思える。
動かせる案内板なので単純に敷地の中へ仕舞い込んだだけなのかも


さて、車を次のコーナー近くまで移動した。

新山口変電所は敷地全体が広大な割に周囲はすぐ近くまで山が迫っているので、全体像を一枚のショットに収めることができない。
また、細部がどうしても荒くなってしまって写真映えしないのである。


連続的に全体を収めたいなら動画撮影という方法があるのだった。
画質はかなり劣るが外周路の端に立ってカメラを回してみた。

[再生時間: 19秒]


フェンスに貼り付き主要部分をズーム撮影する。
門型の引き込み鉄塔を横から撮影している。ジャンパ線が異様に長い。


その背後には遮断機が並ぶ。新山口変電所の中では小さい方だが、私たちの身近にある変電所ではこれほど大きなものは見られない。


敷地の角には、前回訪れたときにはなかったものが置かれていた。


敷地境界内で無断伐採禁止を主張する標示板だった。
取っ手が付いていて持ち運べるようになっている。何か金目の樹木を勝手に伐採される事態があったのだろうか。


側溝に沿って中国電力の境界杭が設置されていた。
進入路側は中国電力の敷地だが山側は私有地になるのだろう。


標示板の置かれている場所は側溝に沿う境界杭が見当たらなかったので、多分ここで中電の敷地が山側へ張り出しているのだろう。わざわざ無断伐採禁止の標示を置いているということは、同様のものをいくつも持っているらしい。

ここで車に戻り、管理所付近まで移動した。
二回目の訪問なので何処に「美味しい」モノがあるかは頭に入っている。異様な機器群が目立つようになるのはここから先だ。
天候の条件が良いので非日常的な感覚を味わわせてくれる良いショットが撮れることを期待した。

(「新山口変電所・第二回調査【2】」へ続く)

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