山口変電所【2】

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(「山口変電所【1】」の続き)

車を停めたすぐ左手の斜面が伐採され、簡素な階段が造られていた。
確か3年前に来たときには何もなかったように思う。


振り返って撮影。
先に敷地裏の斜面を昇降したときもそうだったが、自転車を漕いでいたせいで斜面の登りはきつい。


鉄塔はこの近辺の丘の上に建っており、その一つ前は沢を隔てた別の丘陵部に建っていた。
両者の線形に沿って伐採された跡が見られた。


足元の鉄骨に取り付けられたタグを見ると、山口大嶺線、平23.1となっていた。
今年の初めである。前回来たときはなかったか、建て直したのだろう。


送電鉄塔の真下まで来れたなら必ずやるお約束な撮影アングル。
有刺鉄線で囲まれて足元へ行かれない送電鉄塔も結構あるので…


ここから敷地内を見下ろす。
一枚のショットでは収まらないので、3枚に分割している。


連続的なパノラマ動画撮影もしておいた。

[再生時間: 12秒]


この鉄塔を建ててワイヤーを張るために周囲の木々が伐採されたのだろう。
足元は赤土が剥き出し状態で、環境保護派なら目を剥きそうな状況だ。このままだと雨で土が流れるから、いずれ緑化工事を行うだろう。


足元の悪い杣道をくだって再び正門の前まで戻ってきた。

敷地内への引き込み。
門型鉄塔の上部に のタグらしきものが取り付けられている。2回線の方は逆配置になっている。
多分、どの線がどの位相なのかを遠くからでも視認できるようにするための印だろう。


先ほど見た鉄塔からのもので、山口大嶺線1号となっている。
その隣に2号もあった。


少し離れたところからその隣に来ている引き込み。


山口日電線1号となっていた。こちらも2号があった。
日電は船木にある日本電気工場と推測される。工場は山一つ越えたところにあるので、これは送出線だろうと思う。


その隣に一回線の引き込みがあった。


JR西日本厚東線となっていた。
厚東駅の下岡地区に饋電設備があるので、そこへの送出線と思う。
新幹線の長峠トンネル東側坑口には新厚東変電所がある


送電線を経て敷地の中に引き込まれた電気は、需要先の用途に応じて変圧される。単純に考えれば変圧器だけで済みそうなものだが、実際に敷地内を見ると、異様にゴチャゴチャと雑多な機器が並んでいる。鉄線も単純に機器類を結んでいるだけではなく、奇妙な形の碍子を通したり鉄線自体が奇妙な形に張られたり、分からないことだらけだ。

工業用水で例えるなら、変電所は分水槽の如き存在だろう。需要先に応じて用水を分けるところは同じだ。
分水槽には単純に工業用水を分けるだけではなく、管理が必要になる。所定の量で供給できるよう水量(電圧・電流)を調節し、企業向けの場合は送出量を計測するメーターが要る。緊急の場合に遮断する樋門(遮断器)もあるだろう。
一見雑多に見える変電所の設備群も、そういう理由で設置されているのだと思う。

工業用水の場合は流れゆく原水を見て、企業活動の息吹を感じることができる。分かりやすいから見学にも適していると言えよう。しかし電気の場合、分かる形で目には見えない。しかも何をどうしているのか門外漢には分からない機器類が並び、傍目にはシュールで気持ち悪いとすら言える光景が広がる。

その薄気味悪さを醸し出す要因の一つが、あの 電気音 だ。

敷地の中に並ぶ変圧器からは、お約束の電気音が漏れ出ている。それは私が車を降りたときから聞こえていたし、敷地の奥へ向かっていた間も聞こえる程度の騒音だった。

特に大きな騒音を発している音源に向かってズームしている。
こんな異音が24時間まったく休みなしに山間に響いているわけだから、近くに民家があったら電磁波よりも先に騒音が問題になりそうだ。この規模の変電所が人里離れた場所へ追いやられる一つの理由でもある。

[再生時間: 23秒]


この最も目立つ変圧器は、初めて訪れてブログ記事を書いたときにも撮影している。
数ある中で一番大きく、外側にいくつも冷却用のファンが付属している。本体は巨大なサイコロ状であり、煙突のようなパイプも取り付けられている。何とも奇妙だ。中はどうなっているのだろう…
これは前回撮影した写真…前回撮ったのを覚えていたので今回は動画のみ撮っていた


動画撮影した場所から静止画像も撮っておいた。
フェンスの網目が細かいので、水平を保ちつつ網目が入らないように撮影するのも難しい。


ズームしている。
まるで芸術性を追い求めた結果のようなウェーブを描いた鉄線だ。


同じ場所から見える碍子群。
どうしてこんなに沢山要るのだろうと思えてしまう。


事務所からやや離れたところにある西門。
もうちょっと詳しく見たいが、フェンスに邪魔されて撮影が思うようにいかない。


近くで観るなら、反対側の通路に移動した方がいい。来るときにあった右側の分岐である。
ここからは若干遠いので、車を移動することにした。

(「山口変電所【3】」へ続く)

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