常盤公園・青年の家【2】

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(「常盤公園・青年の家【1】」の続き)

民家のような建物の後ろは低いブロック塀が続いていて、その内側はみっしり藪状態になっていた。一年を通じてもっとも藪が勢いづく今、そんな場所を突っ切るほどの本気度はなかった。

引き返し、民家の玄関のような前を通る。
さすがにこの扉に手をかけようという気は起こらなかった。それにしても気になる…どうして同じ敷地内に民家が…


草ぼうぼうで先ほど一度は引き返しかけた燃料庫の前を通る。
さすがに荒れ方が酷い。一年も経てば草木は伸びるにしてもそれ以前から放置されていたようにも思われた。


高い煙突が見えているのでこの辺りに共同浴場があるのだろうか。
それも外観は煙突らしからぬデザインである。


民家の裏側になる。
波板の差し掛けが妙に庶民感がある。屋根瓦は平べったいコンクリート製で、昔は一般的だったタイプだ。それほど傷みがみられずまだ人が住んでいそうな気がした。


本当に居住者ある一般の民家だったらまずいので撮影も程ほどにしなければならないのだが…
ガラス戸はまだ新しい感じがしたし、その内側にはカーテンも遺されていた。


この平屋も玄関ポストが封鎖されていたので、今は誰も住んでいないと思う。しかし青年の家関連の宿直者向け家屋なのかまったく無関係な一般の民家なのかは不明だった。
絶対数こそ少ないものの、常盤公園の敷地に隣接している民家は今でも結構ある。それも周辺施設に携わる人とかではなく無関係な昔からの住民の家屋である。青年の家関連の宿直なら館内に部屋があるだろうから、この家屋が関連あるかどうかは分からない。
まったく無関係な一個人の家屋だった場合関連する写真は方針に従い削除します

この周辺もまた奥へ進めるような状況ではなく、青年の家の玄関前まで戻った。
タイルの間から雑草がかなり伸びてきている。さすがに廃の色を感じてしまう。


廃の色を味わうと言っては語弊があるが、そういう方面も元々興味がある。最近はあまり新規記事を作成しないだけで、当サイトには現在でも廃モノカテゴリが設置されているし収録記事もある。たとえ閉鎖から一年程度しか経っていなくても相応な廃の色が感じられるなら、やはりカメラで採取しておきたくなってしまう…

そのような要素をも求めて今度は玄関から反対方向へ回ってみた。
自動販売機が置いてある正面側から左に中庭が見えており、先ほどよりは容易に近づけそうだ。


隣接するグラウンドから人の声が聞こえている。
ボールとバットを持ってバッティング練習して遊んでいる数人組だった。


青年の家は立入禁止にはなっていない公共の施設なので、写真を撮るなどはまったくの自由である。しかし私は自分の姿を目撃されることに気を遣った。後ろめたい気持ちはないが、写真を撮りまくっている姿を見て何か面白いものがあるのかもという示唆を与えかねないからだ。
玄関を撮影しているとき周遊園路に向かう数人から目撃された

茂みに身を隠すように建物の裏手に回ってみた。
ここには建物の傍に植木がなく容易に接近できた。


中を覗き込む。厨房というだけあってテーブルはない。
食器類も片付けてあった。


リーチインから取り出され籠に積まれた食器もあった。
再度使用される日が来るのだろうか…


洗い場だったと思われる場所。
白い正方形のタイルが懐かしい。蛇口や床の小さなタイルにも昭和の匂いを感じる。


生活感の残る厨房に興味を覚えて、もう一つある厨房への出入口に近づいた。
中庭が何だかエラいことになっているような気がするが…まあ後回しってことで…


外に通じている厨房と廊下の扉。
ドア自体はアルミ製のありふれたタイプで昭和中期以降に取り替えたのだろう。


同じことを考える人が居たのだろうか…中を見ようと埃まみれのガラス部分を拭った跡があった。


タイルとステンレスの流し台が見える。いずれもそう古そうな感じはしない。
もう出番が来るとは思えない立てかけられたまな板が哀しげだ。


強いて言えばこのタイル貼りの水場も現代では絶滅危惧種だ。
昔は定番だったのだが、施工に手間がかかる上に割れや欠けが目立ち表面が滑って傷も付きやすいせいか、今では殆ど見かけなくなった。


厨房入口に直角に面するもう一つの扉に近づく。
宿泊施設に向かう廊下であることは理解できたのだが…


「厨房」の札を写そうと無造作に撮影したこのショットが、後から編集するとき眺めれば何とも言えない雰囲気を醸し出していることに気付いた。
それは…

注意以下には似非オカルトめいた記述があります。承諾頂ける方のみ「閲覧する」ボタンを押してください。

内部の廊下を撮影する。
食堂という標示板が部屋の入口についている。確かに学校の教室のようだ。


立て付けが悪い食堂の扉が少し開きかけていた。しかし内部の様子は分からなかった。
驚いたことに非常用のサインが点灯している。まだ建物自体に電源は来ているということなのだろうか…
玄関から内部を撮影したショットにも非常ベルの赤いランプが点灯している


廊下には日が差しているので陰鬱な感じはない。しかしやはりどことなく怪しげな雰囲気があった。
その異様な状況は中庭を目にした時点でかなり決定的なものとなった。

(「常盤公園・青年の家【3】」へ続く)

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