常盤池・にしめの鼻

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現地踏査日:2012/1/15
記事公開日:2012/11/25
にしめの鼻は常盤池の北にある岬の名前で、古地図に記載されている。
位置図を示そう。


地図でも分かる通り、にしめの鼻は異様に細長い半島部分の先端にある。当然ながら常盤池の遊歩道はそこまで伸びておらず、傍目にも到達困難なことが予想される。実際、初回踏査を試みたときも岬まで向かう遊歩道らしき道はまったく確認できなかった。

したがってこの基本記事を制作している現時点では、にしめの鼻を遠方より望んだ写真しか撮影できていない。そのうちの数枚を提示しよう。

以下の3枚は2年前の春、常盤池の水位が異常上昇したときのにしめの鼻である。


岬の周囲に植わっている原生林の一部が水に浸かっている。


当時はまだ常盤池の入り江や岬の名前すらまったく知識を持たなかった時期だった。
汀が大きく崩れているのを見つけてカメラを向けた次第だった。


突端部分に至るまで汀の木々が傾いている。
この増水によって崩れたのは間違いないと思う。


以下の3枚はこの10月に健康ウォーキングイベントに参加したとき同じく遊歩道から撮影したにしめの鼻である。


水位が低下し、崩れた岸辺の様子が分かる。


南遠山の鼻付近から撮影。
向かって右側が金吹の入り江、左側がながしゃくりである。


写真が少ないので、初めてにしめの鼻を攻略しようと試みて失敗したときの顛末も掲載しておこう。
現地踏査日:2012/3/21
記事公開日:2012/11/26
にしめの鼻が半島の突端にある以上、陸上からアクセスするなら半島の根元部分から進攻する以外ない。そうなればもっとも順当な出発地点はながしゃくりの入り江側にある遊歩道の分岐点だ。
その位置を地図で示そう。


ここはながしゃくりと呼ばれる入り江の始まる場所で、厚東川から汲み上げた水を運ぶ常盤用水路の末端部になる。遊歩道は自転車乗り入れ禁止になっているのでそれほど頻繁に訪れる機会はないが、草木の伸びが回復する春先を前に一度訪れてみた。

常盤用水路の注水口真上からながしゃくりの入り江を撮影している。
にしめの鼻は左側の半島部にあるはずだが、入り江と共に途中で折れ曲がっているので直接は見えない。


反対側は薬草園になっている。
季節によっては様々な野草が咲き、遊歩道を散歩する人が足を停める場所でもある。


このボックスカルバートの左側に進入路がある。
そこから振り返って撮影している。


上の地図でも示される通り、進入路は先で行き止まりになることが分かっているので進む人は殆どない。しかし散歩する人の便宜をはかって整備されてはいる。


実際、この通路は先で円形の小さな広場で終わっている。


どう思ってもここから先に進むべき道がないのである。
汀へは降りられるようになっていないし、広場から半島内部に向かう踏み跡も見つけられなかった。


これが今年3月までの状況であった。

しかしその後、地域SNSメンバーのある方から随分と昔に生徒を連れてにしめの鼻まで歩いて行ったことがあるとの報告を頂いた。かつてはそれほど苦労せずに岬まで到達する道があったらしい。どうやら歩く人が次第に少なくなって廃れたようだ。
時期によっては散歩道にキノコがよく生えているらしい

たとえ現在は道がなかろうが、かつて人が往来し獣が通って自然に出来た踏み跡も見つけ出せるなら、丹念に探せば道の痕跡を探し出せるのではないだろうか…いずれにしても「道がない」で済ませてしまえば、何時までたっても攻略は覚束ない。

すぐにでも踏査を行いたいのを堪えて、少しでも藪の勢いが衰える時期が来るまで待った。そしてこの11月下旬に再調査を敢行し、かなり困難はあったものの現地に到達して予想以上の成果を持ち帰った。

つい最近公開した陸繋島への踏査記録と同様、踏査成功の感動が薄れないうちに記事を仕立てておきたい。
久し振りに探検モノを匂わせる連載記事になりそうだ。

(「常盤池・にしめの鼻踏査計画【1】」へ続く)

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