常盤池・楢原鋭角点【1】

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現地踏査日:2010/11/23
記事公開日:2013/1/2
(「常盤池・楢原鋭角点」の続き)

11月の中旬、航空映像で偶然見つけた高専グラウンド裏手にある物件を再訪する過程で、常盤池の低水位に助けられそれが塔のように聳える建築ブロックであることが確認できた。


この他にも護岸に大きな排水管が完全に露出しているのも確認し、詳細な調査を行うには低水位時の方が絶対的に有利と理解できた。
それで同じ月の下旬のこと、以前この物件を眺めようと楢原の入り江先端を訪れたときの「尖った場所」に行ってみようと思った。低水位ならまた違った表情を見せてくれるかも知れないと思ったからだ。

市道楢原線を自転車で下る。
特徴的なカーブに差し掛かったとき、入り江が見え始めた。


確かに水位が低い。汀が相当後退しているのが分かる。
例の天端に乗っていた発動機らしきものもそのままの位置に見えている。


待ちきれずにズーム撮影してみる。
水が護岸からかなり離れる位置まで引いている。護岸の下に降りられるかも知れない。


前回と同じく路傍に自転車を停めてあの場所まで歩くことにした。


護岸の内側となるこの場所は休耕田なのだろうか…枯れ草を等間隔に敷き詰めたような形跡がある。
いずれにしろ明らかに私有地の匂いがしたので、ズカズカと中を横切るのはやめて護岸の外側を伝った。


この端には入り江へ注ぐ細い水路がみつかった。
初回に訪れたときは護岸の一番下まで水が来ていたはずだ。


小川の先端は例の鋭角点に向かって護岸となっていた。
周囲は広範囲に水が引いていた。


さて、V字型を成す護岸の天端に到達した。
そこには以前では想像だにできなかった光景が現れていた。


護岸の下は意外に浅かった。
池の底は殆ど平坦で、うっすらと土を被っていた。かなり伸びている草が干上がってからの期間の長さを推測させた。


そのまま護岸の天端をV字地点まで歩いた。
水底には人が歩いたらしい足跡が見受けられる。
線状の痕跡は自転車を押して歩いた跡か?


部分的に水が染み出る場所があるのか、V字の先端付近はぬかるんでいた。
ゴミもかなり流れ着いていて如何にも汚い。


前回初めてこの場所を訪れたとき、V字の先端付近に民家があった。
このたび訪れたときも民家そのものはあったが、明らかに人が暮らしている形跡が感じられなかった。それで遠慮なく先端部分まで進んだ。

鋭角点から初めて撮影した。
自分のすぐ背中側に民家がある位置関係だ。


吹き溜まりとなる先端付近には夥しい木の枝が堆積していた。
入り江に対して右岸側となる護岸は完全に民家に隣接していて接近のしようがなかった。


護岸の下を撮影。
目測で護岸天端からの高低差は2m程度。よく観察すると至る所に人の足跡が見えるが、最近つけられたものかどうかは分からない。
湛水していた以前に付けられたものの可能性もある


前回初めて来たときの映像だ。
今思えば、このときは結構水位が高かったことになる。それでも水深は人の背丈ほどもなかっただろう。


水底には泥がかなり堆積しているようだ。
私と同等の興味をもって池の底を歩いてみようと考える猛者があるのだろうか…
左側の円形は自転車が棄てられていた跡では…


ともあれ、何とも異様なのがこのポンプと発動機だ。
ポンプの管は途中で切れており、プラスチックのように見える2本の柱は池の底まで届き、台座部分を支えていた。


発動機付近の地面はすっかり乾き、砂も堆積していて問題なく歩くことができそうに思われた。

入り江へ流れ込む小さな川を挟んで石積みらしきものが見える。
自然の石やブロックを寄せ集めて積んだもので、今まで見たことのないパターンだ。興味が湧く。


諸々を調べるために自分も汀まで降りてみたいと思ったが、護岸は意外に高い。飛び降りることができる高低差だが、上がり直すことが出来なければならない。

しかしここへ到達する前からそのような場所を見つけていた。
入り江に注ぐ小川の護岸である。


護岸の内側の敷地から自然に排水できるように、天端の一部が切られていた。一段低くなっているその場所に踏み留まり、小川の護岸寄りに堆積している石に足を伸ばせば何とか届きそうだ。
ここまで水位が下がるなんてそう頻繁には起きない筈だ。普段なら到達できない場所から面白い撮影ができるに違いない…
護岸の切れ込み部分にしゃがみ、天端に両手をついて体勢を保持しつつ足を伸ばした。先駆者たちの工夫か、真下には大きめの石が積まれていて足場を確保するのは容易だった。

こうして楢原の入り江に降りたった。
まずはあの発動機が置かれている場所に接近してみた。

(「常盤池・楢原鋭角点【2】」に続く)

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