この記事および後続記事はかつて地域SNSに公開されていたものの再掲載です。 誤記などの修正や読者コメントの除去以外は原文のまま掲載しています。 |
(「本山岬の浜辺に遊ぶ【3】」の続き…ってことになるのかな…)
本山岬の西海岸を堪能し、日も傾きつつある中、別経路から帰ろうとした自転車隊、最後にもう一度…と、振り返って岬の遠景をカメラに収めたのが事の始まりでした。
何やらレンガ積みの塔というか建物と言うか、藪に埋もれて建っています。
もちろんその正体は分かりません。
しかし遠目に観てもすぐ推測されました。
廃屋ではない。
何かの遺構に間違いない!!
何かの遺構に間違いない!!
それと言うのも、自転車隊は西海岸を堪能するために、急で細い道を降りて来たのです。その道は、紛れもなくこの建物のすぐ裏側を通っていました。そうでありながら、この建物へ向かう道など一切なかった…
気が付いてしまったからには、知らんぷりして帰るわけにもいくまい。
いやはや、こういうものがあるんじゃないかなーって気がしてはいたんだが…そもそも、来た道を引き返さず岸壁に沿って走ろうとしたのも内心そういう期待があったのです。この近辺って昔からこの地形ではなかったはず…埋め立てた後に岸壁を拵えたんだろう。そうでなければこれほどただっ広い土地が遊んでいるわけがない…
推理と言うか、希望的観測を言えば、あのレンガ積みの建物は
行ってみるか…
だけどコレって正直、何処から行けばいいの?
道ないよ。
正面から近づくには、腰ほどある枯れススキを漕いで進み、最後に人の背丈など丸呑みにしてしまうほどの笹藪と格闘することになりそう。
嫌だ…嫌過ぎる…まだ下ってきた道から入る場所を探す方がマシだ。
期待に胸躍らせつつ、自転車で一気に下ってきた道を上り直します。
かなりキツイ…だけどこの先に面白い発見があるなら…
(同じ写真を再度貼り付けています)
一筋の踏み跡も見逃さないようにと、視線は専ら左の方へ向けたまま進んだのですが…
笹藪が酷すぎてさっぱり分からない。
せめてこの細い道からレンガの建物の位置さえ確認できれば、どうにかなっていただろうに。しかし敢えて撮影すれば、こんな状況。
レンガ積みの建物どころか、全く先が見通せないほどの激・笹藪でした。
何処まで行っても同じような笹藪。正直、今いる位置に対してどの方向にレンガの建物があるやらもさっぱり分からない有様。もちろん闇雲に突撃する気力も起こらないほど。冬の今でこんな状況なら、春先から夏場にかけては完全にジャングルだろうなあ…
アクセスする全く何の手がかりも得られるまま、このゲートまで戻ってきてしまいました。
思うに錆び付いたゲートがあるということは、かつてはこの道も四輪を通していたに違いない。その頃にはまだあのレンガ建物には行けていたのだろうか…
何のことはない、これじゃあ「本山岬の浜辺に遊ぶ【2】」で使った写真を逆回しで貼っているに過ぎないんだけど、ゲートに向かう前に左折した場所です。
思えばここで直進していなかった。ここから行けるだろうか…
写真では逆光がまぶしいのですが、実際にはもう日はずっと傾いていました。
さて、ここを直進するとすぐ右手には民家が軒を連ねており、車が数台停まっていました。
そして左手は産廃業者の仮置き場らしく、入口の前にそれらしき看板がありました。
上の写真では写っていない(ちょうど看板の裏側になっていた)けど、ここから先のレンガ塔が小さく見えかけていました。どの位置にあるのかハッキリ確かめたい…
御無礼…ちょっと敷地内に入らせて下さい(謝罪)
あの塔の位置を把握するにはどうしても必要だったんです。お許しを…
チェーンをくぐって敷地の一番端、瓦礫が積み上げられている場所から眺めています。
はるか遠い…
むしろ最初に発見したあの岸壁付近からの方が近そうだ。
ズーム撮影。
建物には屋根がなく、代わりに意味不明な鉄の棒らしきものが上部に取り付けられています。
撮影したその産廃置き場から直線距離でも200m以上ありそう。もちろんそこまで何らの道も遺っていない。200mマルマルこの殺人的な薮を漕ぎつつ進むことを強いられそうで、考えただけでもゾッとする…
時間もないから接近は断念したけど、仮に午前中の早い時間に見つけていたとしても、この藪と戦う前にそれなりの装備をして臨まなければ手痛い敗退に終わりそう。
しかし…
接近してみたかった…
坑口ではないかも知れないけど、場所柄から言って、かつての炭鉱にまつわる何らかの遺構であることはかなり確からしいと思う。実際、本山には(別のあるサイトで写真を見たんだけど)公園の一角に「塞がれた炭鉱の坑口」の遺構があるようだし…
遺構を始めとする、いわゆる広義の「廃モノ」に関しては、人によって温度差があるようです。薄気味悪いとか幽霊が出るんじゃないのとかネガティブに見る人は結構いるし、近づくのを躊躇する、あるいは意図的に遠ざけておくという向きもあります。
私は歴史を物語る遺構であれば、比較的近代のものであろうと関心を持ちます。薄気味悪さと言うよりも、そこに立ち尽くす構造物が存在する理由、荒れるに任せるほど放置されなければならなかった経緯を静かに語ってくれる証人たり得るからです。
(極端な話、現役構造物にしてもそれが造られた理由を物語る証人であることに変わりはない)
しかし、これほど分かりやすい場所に目立つレンガ構造物があるんだから、恐らく私が知らないだけであって、その筋の人たちによって綿密に調べ上げられているのだろうと思います。
(詳しい情報を教えてね…そうそう…ニヤニヤしながら読んでいるキミのことだよ(・∀・)m9)
何でも疑惑の目で観ていたらキリがないんだけど、実はこれだって怪しい感じがしたんだな。
砂利道の左端にある、集水桝にしては不相応にデカいコンクリートの物体。
見たところとっても粗雑な造りで、側面からして平らではなく歪んでいます。勘ぐれば坑道の採光あるいは換気用の煙突にも見える。
だけど草が生えているのが見えるから、煙突じゃあないとは思うけど…
ちなみに右端の下へ突き出ている鉄筋を足場に中を覗いてみましたが、結局何か分かりませんでした。
いや…
ホントに覗いてみたんだよ。
何も見えないってばさ!
(我ながら物好きにも程があるよなあ…)多分、あの四角いコンクリート桝は隣接して設置してあるこれに関係あるんだろう。
これは炭鉱とか、さっきのレンガ積み構造物とは関係ないと思うよ。
ともあれ、
本日の探索、終了!
今度こそ、ホントに帰ろう。本山岬公園の近くにあるバスの転回所から、船鉄バスがやってきました。
最初に書き忘れたけど、本山岬まではバス路線になっています。時間さえ合えば、車でもバスでも(場合によってはJR小野田線を使ってでも)行けるってことね。
それでは帰りますぜー♪
(アジトまでえっちらおっちら自転車を漕ぐのにまだ小一時間近くかかった…もっとも追い風だったからそれほどえらくはなかったけどね)
未解決だったこのレンガ構造物に関して何か手がかりが得られたら、続編を書くことにします。
ネタを持っている方は、チラっと情報を下さいねー(にこっ♪)
(後日の再訪探索については「第一次・レンガ塔接近計画【1】」に続きがあります)