第一次・レンガ塔接近計画【1】

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現地踏査日:2010/2/3
記事公開日:2010/2/6
移植公開日:2014/11/17

情報この記事および後続記事はかつて地域SNSに公開されていたものの再掲載です。
誤記などの修正や読者コメントの除去以外は原文のまま掲載しています。

「第一次計画」なんて書いたら、如何にも大冒険っぽく聞こえるよね。
実際には前回見つけた「藪に埋もれる謎のレンガ塔」に接近しようとしただけなんですが…

しかも「ここ数日に起きたこと」で触れているように、[1]今回の試行は失敗に終わっています。「徒歩・自転車隊」がどういう試みを行ったか、何処まで分かって何が分からなかったのかについてのプロセスに興味ある方限定ってことで…
「第一次計画」って書いたのは、日を改めて再度チャレンジし、いつの日か刈り払いなどで周囲が整備されて接近可能になったとき第二次計画としてお届けできるようにするためです

では、今回は探検隊レポ調でいってみますね♪

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旧本山炭鉱斜坑坑口」を後にして、徒歩・自転車隊はそのまま新興住宅地の道を岬の方へ歩いていた。
やがて住宅が途切れ、舗装路が終わる場所までやってきた。


来た道を振り返る。
この近辺は割と最近整備した新興住宅地らしく、ゆったりした区画に広々とした家が並んでいる。しかし平日昼間のせいか、人の姿が見当たらない。塀越しにいつまでも私の姿を見て吠え続ける飼い犬に、天気とは裏腹な寒々しい印象を受けた。


舗装路は途切れ、ここからは未舗装路になる。
前回は辿っていないものの、この道が何処に続くかはあらかじめ分かっていた。


かなり昔からある道らしく、左側を沿って走る側溝は、最近ではまず有り得ないレンガ積み。しかも管理されていないの土圧に押されて傾いていた。

未舗装路の端点へ到達。
正面にあるのは、前回遠巻きにレンガ塔を撮影するために立ち入った産廃業者の仮置き場の入口である。西海岸へ降りる獣道があるのは、ここから一本市道寄りの道だ。


この仮置き場からもレンガ塔は一応見える。
しかし果てしなく遠いのでここから行けそうにないことは初っ端見たときから感じていた。


前回訪れた錆び付いたゲートの前には、先客が車を停めていた。


ここに車を留め置けるスペースがあることは前回分かっていたから、私もここまで乗り付けて散策しようかとも思っていた。しかし再び車を置いた場所まで歩かなければならないことに変わりはなく、海岸を歩いた後ここへ戻るなら同じことである。結果的に公民館へ車を留め置いたのは正解だった。

前回は自転車で勢いよく下った道を、今度は自分の足で歩いて進む。


レンガ塔の位置を把握するために、一旦獣道を下りきった。
先週訪れた本山岬の西海岸が相変わらず秀麗な景色を目の前に提供してくれていた。


しかし今回のメインディッシュは岬巡りではない。
景色を楽しむのは後回しだ。まずは難攻不落のレンガ塔を攻略しないと…

獣道から振り返る。
レンガ塔は意外に獣道から近い場所に建っているように見える。


おおまかな位置を把握した上で、改めて獣道を下から登っていく。
そして意外にもレンガ塔は獣道からすぐ見上げる近い位置にあることが分かった。


目測で獣道からレンガ塔までの直線距離は20m程度。
アクセスするならここからが最短だし、道がなくとも何とかなりそうな距離にも思われた。

上部のズーム撮影を試みた。
手前に生い茂る藪がターゲットの前に立ちはだかるために測距が巧くいかない。


レンガ塔に付属する鉄製の部材に的を絞ってズーム撮影した。
端に滑車が取り付けられているようだ。もちろん何の役目があるかは分からない。


細部を観察したいのだが…どうにもピントが合わせられなかった。


最初にここへ訪れたときから分かっていたことだが、
接近する経路がまったくない。
薄暗くなりかけていたとは言え、前回もあれほど注意して進入路を探しつつ自転車を漕いでいたのだから、見落としがあるとは思えなかった。
しかし更に注視し、僅かな踏み跡でも残っていないか周囲を徹底的に調べた。


レンガ塔の前に立ちはだかるのは、およそ薮の中でも最強(最凶とも言う)クラスの笹藪である。


ススキなどの草系が主な藪なら、強引に踏み分けて入ることも出来るだろう。あるいは樹木が主体なら、藪と化しているからには大抵は枯れ木である。枯れたり朽ちたりした枝は造作なく折り取ることが出来るから、意外に与しやすい。
竹藪、笹藪の類が凶悪なのは、そのしなやかな身体を以て、迫り来るあらゆるものを弾き返すからである。強引に身体を預け、思い切り撓った状態の竹が反発する状況を考えてみるといい。さながら、全身無差別のむち打ち攻撃状態である。人間どころか、獣ですらそういう場所には立ち入らないだろう。

闇雲に突入したところで怪我を負うだけで勝ち目がないと見て、別の経路を探すことにした。

(「第一次・レンガ塔接近計画【2】」へ続く)

出典および編集追記:

1. その記事は一日の行動記録をメモした日記なので割愛し、同記事に含まれていた本編および後続記事に関係する踏査計画および背景をここに追記する。

本山岬への初回訪問では以下の経路を予定していた。


しかし岬の西側へ到達後、偶然このレンガ塔を見つけて接近を試みたため時間が足りずそのまま帰宅している。
充分に調査できなかったレンガ塔と西海岸部分が気になっていたようで、それからほぼ一週間後の再訪問を計画した。この日は天気こそ良好なものの風が冷たく強かったので自転車を使わず本山公民館に車を停めて上記マップのルートを徒歩で踏査している。

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