県道196号宮野上佐々並線【1】

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現地踏査日:2011/11/03
記事公開日:2011/11/23
まさか、これが最初に記事化される県道レポートになろうとは…
影の声が示す通り(何)実を言うとこの県道レポートは全く意図していなかった。
これまで書いていたものは、当初から走破を目指して全線を(分割しても良いから)自転車で走ったケースに限定していたからだ。

この県道の途中に目的地の一つがあり、そこへ至る経路や主要な場所を丹念に撮影した結果、レポートとして成立しそうなので記事化に至った。

さて、この県道は路線名の示す通り国道9号の宮野上と国道262号の佐々並を結ぶ路線で、国道262号の旧道ということになっている。
「Wikipedia - 山口県道196号宮野上佐々並線」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E7%9C%8C%E9%81%93196%E5%8F%B7%E5%AE%AE%E9%87%8E%E4%B8%8A%E4%BD%90%E3%80%85%E4%B8%A6%E7%B7%9A

現在の国道262号は木戸山交差点までは国道9号を重用している。即ち宮野から杖坂川の刻む深い谷地の中腹に沿って高度を上げ、木戸山トンネルに向かう国道9号から離れて東へ戻る形で旧ルートに接続している。以下は、付近のYahoo!地図である。

地図で観れば木戸山を経由する今の国道262号は、これから辿る県道よりも明らかに遠回りしている。そうでありながら県道に降格され(いつのことか分からない)この県道を経由して萩へ向かう車が少ない理由もいずれ分かるだろう。

11月の上旬、私は萩へ向かう途中、この県道沿いにある荒谷ダムへ立ち寄る際の資料採取も兼ねて、要所に車を停めて撮影しつつ進んだ。

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地勢を観るなら国土地理院の地図の方が分かりやすい。
起点をポイントした地図を載せておこう。


ここは山口市街部の東端にあたる。
津和野など、国道9号を使って北へ向かう人々にとっては、山口市街に別れを告げいよいよ嶮岨な山へ入っていく気持ちを高揚させる場所である。
ここから木戸山トンネルに至るまでの景色が好きだという人はかなり多いに違いない…

国道9号が強引な経路取りで高度を稼いでいるのに対し、旧道にあたるこの県道は厳しい登り坂など先送りだとばかりに(?)谷地を素直に遡行している。

さて、これが起点の映像だ。
当初からこの場所を写しておく積もりだったので、車を停め、わざわざ降りて撮影している。
素直に沢へ向かう県道が平坦なのに対し、国道9号が早くも高度を上げようとしている様子がよく分かるだろう。


もう少し山口市街側へ後ずさりして撮影している。
ここに荒谷ダムを案内する標識が出ていた。そんなに力説するほどの名所でもないのだが、かなり大きな標識である。設置位置も県道分岐の手前なので看板を見て余裕をみてハンドルを左へ切れる。


これに対し、県道との分岐点で国道9号寄りに「山口ふれあい館」への案内看板が出ていた。
これは案内看板の設置位置が良くないと思う…このサイズだと国道9号を北上する車からは近くに来るまで見えないと思うがこの標識に気付いて慌てて左にはハンドルを切れまい…


これから向かう県道を写していると、路線バスがやって来た。途中まではバス路線になっているようだ。
それはいいとして…

あわわわわ…sweat
既に一台の観光バスが国道に出ようと車の切れ目を待っていたので、後続が閊えてしまった。更に後ろから乗用車も列に続こうとしている。

この日は格好の日和で、恐らく長門峡で紅葉を眺めた人たちが帰ろうと一斉に山口市街へ向かっているのだろう。一向に車の列が切れず、しかも国道を走るどの車も停まってバスを入れてやろうとはしない。

バスの運転手、ムカつくだろうなー。
到着時間切られているのに。
読者の皆さんは先読みの頭脳的運転を駆使しましょうね♪

一体、どうなるのか…もしかして一向に入れてくれようとしない国道9号ドライバーに業を煮やしたバスの運転手が強引に割り込むのか…先行きが気になって一通り撮影し終えた後も暫くこの寸劇を眺めて楽しんでいた。

いや…
面白がって観ていないで、先を急ごうよ^^;

車に戻ったが、すぐ先で県道にお約束のヘキサを見つけたので再び撮影のために一旦停車する。


随分と年期が入っている。
かなり長いこと放置されているようで、路線番号の白い部分が灰色だ。
地名の標示板は座高の高いトラックにでも引っかけられたのか、捻れてしまっていた。


車線幅はセンターラインなしの1.5車線程度。
歩道はなく、側帯もところどころ消えかかっていた。
正面には、いずれ越え行くことになる山口市と萩市を隔てる尾根が見えている。


県道はここまで体感されるほどの坂はなく、殆どカーブもせず道路幅も一定なまま到達する。先で道幅が狭まることを知らせる標識を境に、いよいよ状況が変わってくる。
右折矢印の案内は山口ふれあい館への案内だ。


この辺一帯は宮野温泉として知られている。宮野温泉は比較的歴史の浅い温泉で、県道の起点にも案内のあった”山口ふれあい館”には日帰りの入浴施設がある。
「Wikipedia - 宮野温泉」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E9%87%8E%E6%B8%A9%E6%B3%89

この場所をYahoo!地図で示しておいた。


地形的には、ここは椹野(ふしの)川の本流と支流の杖坂川が落ち合う場所である。
国道9号は杖坂川が流れる沢の中腹を遡行しており、県道196号は椹野川に沿って遡行することになる。

起点からこの県道へ入ってくる車は、殆どが地元居住者か宮野温泉目当てで、バスが往来するのもここまでだ。

この先の通行需要が少ないことを反映してか、道路幅が狭くなる。
ダム放流時の水位上昇に関する注意書きが出ていた。


荒谷ダムまではまだここから3.5kmもある。
…ということは起点から1.5km走ってきたということだ
道路情報として落石注意の掲示が出ていた。砂防指定地の地図もあり、それだけこの近辺一帯は急傾斜地が多いということだろう。


椹野川の上流部にあたるこの周辺は、山口市内にあっては一の坂川に並んでゲンジボタルの飛び交う地として知られる。
遥か昔にホタルを観に来たことがあった…彼女を連れてネ♪^^;

杖坂川を跨ぐ橋を渡ると、いよいよ県道は登り坂に向かう。ここまではホタルを観に車で来た覚えはあってもこの先は私にとって一度も通ったことのない未知の世界だ。

道幅はそんなに狭くはない。むしろ起点付近より広く感じる。坂は徐々にきつくなってきた。
正面に斜面を大きく削られた山肌が見えてきた。


何だか県道を外れて間違って砕石場へ入り込んでしまったかのような状況だ。
発破注意を促す標識がものものしい。
県道を走る車に向かって”危険区域だ”って言われてもどうしようもない気が…sweat


県道とは関係ないのだが、ここの砕石場の規模の大きさに圧倒されてしまった。
再び車を停めて撮影する。

広範囲かつ高い位置まで削り取られた山肌。自然の景観とは対極的だが、これはこれで見ごたえがあった。拡大対象画像です。
画像にマウスをかざすと拡大、ダブルクリックで最大化します。
クリックすれば元のサイズに戻ります。


階段状に山を削り、大方山の頂上近くまで達している。
完全に山が無くなるまで削り取るのだろうか…拡大対象画像です。
画像にマウスをかざすと拡大、ダブルクリックで最大化します。
クリックすれば元のサイズに戻ります。


動画撮影もしておいた。
[再生時間: 19秒]


この採石所が県道沿いに観られる最後の有人事業所だった。
この先は道路事情が不安定なのだろうか、大雨のときの通行規制区間になっていた。


不法投棄の監視カメラが設置されているという看板が出ている。実際、車を運転していても道路外の斜面に粗大ゴミが投げ捨てられている場所が散見された。車通りが少なく、道路から容易に投棄できる斜面がある場所は日本全国何処でも不法投棄の格好地になってしまうようだ。

取りあえず、最初の目的地へ到着である。県道は直進だが、後で続きを辿ることにして当然左への分岐に入った。


さて、ちょっとダムを観て来ますね♪
派生記事: 荒谷ダム【1】
…ということで県道レポートはそのまま次章に続きます。

(「県道196号宮野上佐々並線【2】」へ続く)

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