県道196号宮野上佐々並線【2】

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(「県道196号宮野上佐々並線【1】」の続き)

小一時間ほどダムを観てきた後、再び県道の終点まで車を走らせた。

荒谷ダムを過ぎると厳しい登り坂になり、明らかに県道の幅は狭くなった。
さっき訪れた荒谷ダムによって形成された宮野湖があんな下の方に見えている。拡大対象画像です。
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これはさっき車で渡った橋ではなく、林道荒谷線と呼ばれる道の橋だ。
湖を周回するだけで恐らく何処にも抜けられないと思われる拡大対象画像です。
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この近辺の道の様子を振り返って撮影。
1.2車線幅の舗装路が崖に貼り付くような感じの道が延々と続く。谷側もほぼ全線に渡って鬱蒼と木々が生い茂っていて、遠くまで見渡せる場所が殆どない。


進行方向。
ミラーを便りに対向車を確認するカーブの連続だ。

Wikpediaに書かれている通り、荒谷ダムから先は離合が困難な区間がかなりあった。ただ、険道と言われるほど道路状態は悪くはない。全区間アスファルト舗装されていて路面に荒れや綻びはなく、カーブは多いもののきちんとミラーが整備されている。
また、多くのカーブ部分ではこんな具合に外側へ膨れて幅員が広くなっている。カーブミラーを便りに早めに対向車を見つけて離合すれば楽だ。交通量自体少ないので、鉢合わせした挙げ句ルームミラーを眺めつつ延々とバック…という悲惨なことは起こりにくい。

このカーブだらけの狭い道は「八丁越」と呼ばれているらしい。
国土地理院の地図にはそういう記載がある。
しかし現地には何の案内板も出ていなかった


八丁越という名称は、恐らく胸突き八丁から来ているのだろう。
「Yahoo!辞書 - 胸突き八丁」
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%83%B8%E7%AA%81%E3%81%8D%E5%85%AB%E4%B8%81&stype=1&dtype=0
八丁とは現在の距離で約872mとされている。もっとも直線距離ならともかく、八丁越の路線長は八丁どころではなくその数倍はありそうだ。
自動車以前の時代、昔の人々は荷物を背負ってこの坂を登っていったのだろうか…
ただしこの道は山口を経由して豊富と萩を結ぶ古来の萩往還のルートではない

何度も同じ場所を折り返しつつ高度だけ稼いでいるのが分かる。
充分に尾根へ近づいたところで、県道は意を決したように山の中腹へ向かっていた。


最後は意外にも直線的な登りである。しかもそれほど急な坂ではない。
頂上付近は対向車が見えづらいので徐行の標識が出ていた。


この辺りが県道の最高地点なのだが、そこには峠と呼ぶには些か当惑させられる景観が広がっていた。


真っ直ぐ伸びる峠っぽい道を過ぎた先には、全く下る気配もない平坦な道なのだ。しかも最高地点付近には一般の民家がある。
急な坂を延々登ってきて標高400m近い場所に居るということが実感されない。
個人的には常盤公園のスポーツ広場付近の景色に似ているように思えた


そのまま直進すれば県道の終点である。
右からやって来るのは言わずと知れた国道262号だ。国道は国道で木戸山トンネル前の分岐から相当な急坂を登ってきている。
国道262号の峠部分に関して明確な峠名は与えられていない


国道262号側に出ている青看。
萩へ向かう直進のみの方向と距離を案内していて、この県道への言及はない。余計なことを案内して山口へ出戻りさせてはいけないから黙殺されてしまったかのようだ。


この極端な片峠状態となっている最高地点付近を追加撮影するために歩いて戻った。
左手に見えるのは民家のブロック塀である。その先に大雨のとき通行止めになる旨の標示板が立っていた。


更に歩く。
落石注意の道路情報板があり、その横に電波塔が建っていた。拡大対象画像です。
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この近辺は道路が上っているか下っているか歩いても殆ど体感できない。
その先に再度、豪雨時の通行規制標識があり、続けて山口市境を示す標識が立っていた。


市境標識は真にこの県道の最高地点かどうか微妙な位置にある。
山口市入りを案内する市境標識はあるが…


何故かその裏側は萩市の市境標識になっていない。
大雨の通行規制区間終了を案内する県の標識だ。
標識の足元に置かれている機器は通行止遮断棒の痕跡では…


現地では「ああ…萩市の市境標識はないんだ」で軽く流していたのだが、アジトへ帰った後に気になってきた。もしかすると峠を越える瞬間に気を取られて道路の左端にあった標識を見逃したのでは…と感じたからだ。

撮影した画像を一通り眺めたが、残念ながら山口市側からこの市境部分を撮っている画像は今まで載せた以外一枚もない。
しまったことをした。今となっては確実なことは何も言えない。

諦めきれず、今手元にある市境付近で撮影した原典画像から疑わしい部分を切り出してきた。
次の2枚だけ変則的な拡大サイズとなる拡大対象画像です。
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まず上の終点側から撮った写真だが、右側に路肩用の視線誘導標があり、その後ろに長方形の立て札が見えている。しかし余りにも路側へ寄り過ぎている上に、距離を勘案してもサイズが小さい。これは不法投棄を牽制する立て札だろう。
山口市の市境標識の背後にある小さな長方形も恐らく同じ…そもそも道路の同じ側に離れて市境標識が立っている筈がない
その更に山口寄りには菱形の標示板が暗がりに見えかけている。これは後で述べる写真にも映っており、市境標識ではない。

そして2枚目の市境を越える前に車から撮った写真。
徐行の標識があり、その背後に橙色の標識が見える。落石注意か何か内容は不明だが、あの色と形なら紛れもなく道路用の警戒標識であり、市境標示板でないことだけは確かだ。

一連の写真を分析する限り、萩市入りを案内する市境標識は立っていなかったと結論付けられるように思われる。

本当のところはどうなのだろう…

もしかしたら…ということがあるかも知れない。
読者のどなたかこの県道を走る機会があったら、調べて頂ければということで。


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