市道北小羽山4号線【2】

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現地踏査日:2012/2/7
記事公開日:2012/2/8
(「市道北小羽山4号線【1】」の続き)

続きと言うよりは日を改めて新規に撮影したも同然なのだが…

北小羽山地区はアジトから離れていながら、仕事柄よく訪れるので撮影しに来るのは容易だ。
昨日は午後3時過ぎに訪れる用事があった。小雨が降っていたので陰鬱な廃道同然のこの市道を撮るには結構面白いシチュエーションかも知れないと思い、要件を済ませた後に行ってきた。
なお、撮影時には小雨が降っていたので片手に傘を持ちながらの撮影である。
珍しい…と言うか傘を差しての踏査は非常に稀だ

お馴染みの場所なので詳細な説明は省略する。
車を通さないバリカーは健在だった。


小羽山ふれあいセンターの横を通る。
センターの部屋には明かりが灯っており生身の人間活動を感じる。それだけに薄暗く雨に打たれる市道は対照的な寂しさがある。


最初のカーブというか折れ線部分。


第2カーブ。
左手の広場も結構なスペースがありながら、晴天でも子どもが遊んでいる姿をあまり見かけない。


第2カーブを曲がると市営住宅8号棟の下へやってくる。
ちょっと拍子抜けしたのは、斜面が丁寧に草刈りされていたことだ。雨降りの午後で草ぼうぼうで顧みられない陰鬱なイメージの市道を期待していたのだが、逆に開放的なイメージになってしまった。


市道は8号棟・7号棟の駐車場より5m以上低い。最近までこの斜面は草だらけでこの市道が殆ど”隔離された空間”を演出していたのだが…


第3カーブは軽く左へ折れる。7号棟駐車スペースとの高低差が縮まり、斜面も短くなっている。


市道北小羽山3号線へ出る部分。恐らく当初はなく、人が歩き回ることで自然発生した通路だろう。到達する市道側には便宜上フェンスが空けてある。


もちろん市道は直進。
誰も入ることがない廃道区間だが、初回に訪れたときとは明らかに違っていた。


周囲の木々や草が刈り取られている。何よりもゴミが殆ど落ちていない。うらぶれたネットフェンスや野焼きの跡は仕方ないだろうが、なかなか”きれいな廃道区間”になっている。

しかし終点部分は未だに原生林の楽園状態で、なかなか陰鬱な感じを見せてくれていた。


行き止まり部分でフェンスがL字型に折れ曲がっており、その内側に大人でも動かせない大岩が転がっている。


ここで振り返る。
木の枝が上方を占有していて傘を差せないので、傘を置いて撮影している。


廃道部分の始まりを含めて結構草刈りなど手入れされている。そうではあっても終点付近およびその先は殆ど変わりがない。年間で一番草木の勢いが弱まる今の時期でこうだから、ここから奥を偵察するなら今より楽になる時期はないだろう。

雨は、まだ傘を差していなければ濡れが気になる程度に降っていた。しかし藪の中は木の葉から落ちる滴程度だろう。そこで藪の薄さに乗じて先へ踏み込んでみることにした。
もしかすると市道がこんな中途半端な場所で途切れてしまった何かの手がかりがあるかも知れないからだ。

フェンスから先へ入り、振り返って撮影。
明るい方に向かってカメラを向けないと映像を結ばないのである
路上に転がっている大岩。フェンスの内側になるので、舗装した後転がり出てきた可能性がある。


進行方向を写す。
写真映りは酷いが実際はそんなにムチャクチャな藪ではない。下草は少なく木々の枝跳ねだけ気をつければ奥へ進むのにさほど労力は要らなかった。


足元の地形は、フェンスを過ぎた直後は一旦下がり、小さな沢を渡ってその先は軽い丘陵部になっていた。
この先は何処へ出るのだろう…
藪に向けて撮影。外部の明かりが殆ど入らないので当然フラッシュを作動させないと何も写らない。
原生林状態だ。


少し視座を上げる。空のごく一部が見えている。
しかし木々が密で遠くまで見通すことができない。デジカメ程度のフラッシュでは光が遠くまで回らないのである。


フェンスから10mも進まないうちに密になった藪状態だった。無理やり漕いでまで進むモチベーションが感じられない。この辺りはもうゴミなども見あたらないし、まして道路が計画されていそうな痕跡も見つからなかった。

今回初めて終点にあるフェンスの外側へ回り込んだ。
カギ型に曲がっているのは1スパンだけで、ここで市道は終わりなんだろうけども中途半端な気がする。


さて、そろそろ脱出しようか。

藪から出ようとしたとき、遠くに子どもたちが傘を差して歩いてくるのを見つけた。学校帰りらしい。
どうやら登下校時にこの市道を歩く子どもいるようだ。


こんな場所からカメラ持って出て行っては不審者と怖れさせてしまうだろうから、行きすぎるまで暫く待っていた。

さて、前編ではこの市道は何処に接続される予定だったのだろう…と述べていた。この市道が何かの理由で未成のまま終わっていることを前提にしたのだが、終点から先を観た限りの現状と、後に述べるような理由でこの考えを修正する。即ちこの市道は当初から行き止まりのままだったのではないかと思う。

地図で観ても分かるように、北小羽山4号線は最も蛇瀬池に近接する市道である。昭和50年代に北小羽山地区を造成するとき、蛇瀬池に接する部分の護岸工事が必要だった筈だ。

次の2枚は藪へ入ろうとする前に撮影したものだ。
あまりに品位が悪い写真なので掲載を見送ろうとしていた

北小羽山3号線から竪排水で導かれる側溝の先である。
それは市道を横断しフェンスの下をくぐって蛇瀬池の方に伸びていた。


横断側溝の末端は蛇瀬池まで突き出ていた。
多分流下する雨水が直接護岸に当たらないようにするためだろう
水位が低いので汀は遠のいているが、真下には打ち寄せられたゴミが大量に溜まっていた。市道は護岸で補強された上を通されていたのである。
写真ではよく映っていないがブロック積擁壁になっていた


このことから護岸整備用の進入路を造り、工事が終わった後そのまま市の管理にしたのではないかと思う。もしそうなら当初から行き止まりだったというのも頷ける。

もう一つの裏付け…
今回突撃した藪の裏側を反対側から眺めてみた。

一段上を通る市道北小羽山3号線を進むと6号棟の横に出てくる。ここで別の市道(中山北小羽山線)に交わる。この写真は高台から見下ろすように撮影している。


右側に見えているのが6号棟で、その奥に小さく見えているのが7号棟である。廃道部分はその直角曲がりの真下にある。
もし廃道部分から先が延伸されるとなると、上の写真正面に見えている原生林の奥を右から左へ突っ切って…

ここへ出て来る以外にない。
既に蛇瀬池の急斜面が市道まで迫ってきており、新たな道を設置する余地がない。


今ある市道中山北小羽山線の線形がそのままであの廃道部分を延伸するなら、蛇瀬池の急斜面にブロック積擁壁を作る必要がある。もしそれが必要なら、小羽山地区全体を造成するとき計画されていた筈だ。

これは昭和49年度の小羽山地区の航空映像である。
「国土画像情報閲覧システム - 小羽山地区(昭和49年度)の航空映像」
http://w3land.mlit.go.jp/cgi-bin/WebGIS2/WC_AirPhoto.cgi?IT=p&DT=n&PFN=CCG-74-12&PCN=C21A&IDX=12
別ウィンドウで開いたページ右上にある400dpiのリンクをクリックすると高解像度の画像が表示される
映像では、まだ小羽山中央線の蛇瀬橋すら架かっていない段階であの廃道部付近のブロック積み擁壁が完成していることが窺える。団地造成を始める前からあの場所には水の道があったようで、土砂流出を防ぐためから早期に着手されたようだ。

そして小羽山地区全体の造成にあたって、蛇瀬池にブロック積擁壁を築いたのは市道北小羽山4号線のこの部分だけである。藪の反対側にある入り江部分には全く護岸が築かれていない。

もし市道北小羽山4号線を延伸する予定があったなら、当然同様のブロック積み擁壁を築く筈だ。それが無いということだけでも半島部分を横切って道路を接続する計画がなかったと推測されないだろうか。

北小羽山4号線は当初から行き止まり路線だった。(と思う)
このように結論付けたいのだが果たして真相はどうなのだろうか…

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これだけ追加の情報を書けば、この市道に関してこれ以上述べることは何もないだろう。

最初はうらぶれた廃道の如き感覚でこの市道を紹介したのだが、現在では以前よりも管理が行き届いている感じがする。斜面は草刈りされ、行き止まり部分周辺のゴミも現在は殆どない。
廃の匂い漂うおどろおどろしい続編を期待していた読者は肩すかしを食らわされただろうか…

まあ…
そうまで期待していた読者のために更なる”お遊びな続編”を用意した。

心して読まれたい。
気の弱い方は観ない方がいいかも…^^;

(「市道北小羽山4号線【3】」へ続く)


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