島1丁目の生活道【7】

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(「島1丁目の生活道【6】」の続き)
別ウィンドウのマップを閉じてしまった方はこの「島1丁目マップ」を再度開いて下さい。
アスファルトの貼られた路地は、民家のブロック塀が始まるところからコンクリート張りに変わった。


自転車なら通れる路地幅である。しかし先方に見える市道とは家一軒分の高低差がついていて急な下り坂となっていて、乗って通れる状況ではない。
初めて通ったときも慌てて自転車から降りて押し歩きした


市道へ降りる直前はかなりの勾配になっている。何だか腕ずくで市道へねぶり付けたような感じだ。


G地点へ到着。
この場所が何処になるかは、少し離れた位置から撮影すると分かるだろう。


あの秀麗な高い石積みの敷地である。
石積みはここで路地に沿って折り返しているので、昔からあった生活道と言えそうだ。


この路地は最初は土の地面だったのではなかろうか。少なくとも石畳道だった可能性はなさそうだ。もしそうなら敢えてコンクリートで上を被せなかっただろう。
土のままだと雨降りで土が流れるし滑って歩きづらい筈だ。後年土間コンを打設したらしく、外観からすればそれほど最近のことではなさそうだ。

路地の端に設置されていた側溝は、坂の途中から塩ビ管になって雨水桝に接続されていた。


この路地で興味深いのは、隣接する敷地の塀である。
基礎部分の石積みからして生活道なりに傾斜しており、その上に築かれた建築ブロックも斜めに設置されている。


建築ブロック自体は何処にでもある普遍的なものだが、この積み方は生活道の形状上致し方ないだろう。
一般にはレンガやブロックも含めて傾斜がある場所では基礎を雛壇に誂え、段数を変えてでも水平に積むものである。しかしここの場合、定石通りに積むとなると基本一個ごとに基礎の高さを変える大変な手間になりそうだ。
ある意味珍しい施工例と言えるのかも知れない

引き返しにかかる。
大した高低差ではないにしても、島地区の丘陵部から降りたり引き返しに登ったり…そろそろ疲れがみえてきた。


待機させていた自転車に跨り、あの謎の雰囲気が漂う場所に向かった。
《 E→Q→R区間 》
建築ブロックに挟まれた生活道状の路地が奥へ伸びている。物理的には車一台通れそうだが、轍の跡はまったくない。
これは生活道なのだろうか…


この路地も去年初めて訪れたときから今と同じ状態だった。気にはなったが私道かも知れないし帰る方向とも逆だったので辿らなかった。
地図でもQ地点までは道として表示されているが、その先は何もない。
別添の1丁目マップの路地記載は私が書き加えたものである

見るからに古そうなコンクリートとレンガの混成壁。
敢えてカメラからは外しているが、閉鎖されているような感じの勝手口があった。


行き止まりの様相を感じるにしても、自転車はなるべく自分の目の届く場所に置きたかった。
ギリギリのところまで乗り付け、そこからは再び歩く。

かつて家屋があったと思われる程度に広い草地へ出てきた。そこから先は民家の庭なのか、それとも塀に沿って生活道があるのか判別がつかない。


同じ場所から右側を窺った。
敷地の端にはヒューム管のようなものの上半分が見えている。その正体が何であるかはすぐ想像がついた。


井戸があるということは、元々は民家の敷地だったのだろう。今は生活道を辿ることが主眼なので、敷地を避けてまずは道のようにも見える塀に沿って進んでみた。

ここに生活道があって右側の塀が失われたのか、それとも元々双方が敷地で左側のコンクリートレンガ一枚の塀で隔てられていたのか分からない。
入り込む人は殆どないらしく踏み跡も次第に淡くなってきた。


コンクリートレンガの塀は、この先で近代的な新しいブロック塀に変わった。
更に奥には再び古い塀が見えかけていて、その先に道らしきものが在るように思われた。しかし草むら化が酷く塀に沿って歩ける状態ではない。


先の方では車の行き交う音がここまで聞こえていた。浜バイパスを往来する車だ。
ここまで到達できたなら、先へ降りられる道があるのでは…と感じた。
草むらを避けて進攻するには、井戸のある敷地らしき中を通る以外なかった。もっとも今は家屋の痕跡もないから、ちょっと失礼して通らせて頂こうか…

先ほどの場所まで戻り、少しでも草が生えていない場所を選んで進攻することに。
コンクリート電柱が建っていることから生活道だったような気も…


この敷地の端まで来ている。先ほど草むらで進攻を断念した塀が見えたその先だ。
地元の方限定の墓場らしく、藪に隠された状態で墓石が並んでいた。その左側からは近代的な道路が見えかけていた。


墓場の横は土の斜面になっていた。先の道路ともかなりの高低差がついている。
しかし階段があるようだ。


やはり、ここだったのか…と思った瞬間。
このコンクリート階段には見覚えがあった。


市道との高低差を埋める階段にはガードパイプが付属していた。
この階段の存在は早くから気付いていた。それと言うのもこの下の道を何度か自転車で通っていたからだ。
もっとも上がった先が藪なので進攻しようとは思わなかったが


区画整理で市道を整備したとき、ここからも島地区へ上がれるように階段を設置したのだろう。もっとも生活道への通行を補償するために整備したか、私有地への出入りのために住民が私費で設置したかは分からない。道路側のガードパイプは健在だが、山側から伸び出た草木で半分くらい覆われ、今は通る人もなさそうに思えた。

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これで1丁目は造成場所を含めた私有地以外で殆どの場所を行き尽くした。
なお、マップではS→T区間があるように記載しているが、この道は造成によって殆ど失われたことが分かっている。後日S地点より進攻を試みているので、造成地区周辺の踏査に合わせて続編としてお届けする予定である。

時系列では自転車の元へ戻り、更に2丁目へ向かった。前回やり残した未踏査の生活道が若干あったのと、再度詳細な写真を撮っておきたいと思ったからだ。

(「島2丁目の生活道【3】」へ続く)

造成地周辺を調査したときの記事を作成した折には以下のリンクをアクティブにする。

(「島1丁目の生活道【8】」へ続く)

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