未解決物件と仮説について

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記事作成日:2018/12/29
最終編集日:2018/12/31
ここでは、未解決物件と仮説について総論的に記述している。具体的な未解決の案件については「未解決物件一覧」を参照されたい。

なお、未解決物件の一部には所在地の制約などから一度も踏査されていなかったり、地図上の考察のみにとどまるもので物件の定義に該当しないものも含まれ得るが故に、未解決問題と呼んだ方が適切かも知れない。各物件の重要性の認識も些か主観的なものなので、取り組みが求められている物件の情報を与える問題集のように活用されることを意図して作成している。
《 未解決物件の定義 》
当サイトにおける未解決物件とは、大雑把には以下の2つに分類される。
(1) 資料で存在が明らかなのに現物が発見されていないもの(未発見)
(2) 発見された物件について詳細がよく分かっていないもの(未分析)
これらの物件の分類整理は、不明な要素をもつ物件の情報を集めて妥当な結論を導くと共に、その成果を共有し更なる詳細な情報を求めることにその目的がある。
【 未発見の物件 】
なにがしかの物件が存在するという資料があるとき、そこに提示されているものの所在地・保有者を特定し、資料に説明されているものと同一物であることが判定された時点で解決する。(肯定的解決)
現物に係る素性などの疑義がある場合は、それ以降は未分析物件となる。分析された結果、新たに否定的材料が出てくれば肯定的解決は取り消され振り出しに戻ることとなる。別の資料で当該物件はかつて存在したものの焼却・破壊された旨の信頼できる記録が見つかったり、当初存在していた場所が特定できたものの後年の造成などで除却されたことが明らかな場合は、現在では「存在しない」という形で解決する。(否定的解決)

一般に未発見物件の取り組みは困難を極める。既知の殆どの物件は過去に誰かが手掛けており、探索範囲の広大さや遺された記録の不明瞭さ故に肯定も否定もできない状況となっている。霜降山の財宝(特に黄金の鶏)は、過去に発掘を試みたという話はある[1]ものの、何処に埋めたという具体的な場所の情報を欠いている。そもそも琵琶弾き語りに登場するのみで宝を埋めたことに関する有力な資料が提示されないうちは単なる伝承に過ぎない可能性が強く、それ故に現在では霜降山と黄金の鶏を結びつけて語られること自体殆どなくなっている。
【 未分析の物件 】
既に存在が確認された対象物について、その素性に関する情報が十分でない物件が該当する。もっとも典型的な例は、現地に正体不明なものがあっていつ頃何のために造られたのかまるで分かっていないようなものである。水利関連の構造物に特に目立ち、存在自体が忘れられて遺構同然となっているものも多い。急テンポに進む市街部再開発の中で取り残され、比較的近年のものであると推察されるにもかかわらず素性が分からなくなっている物件もある。

郷土資料ではかならず取り上げられるような著名な物件でもすべてが完全解決されているわけではない。例えば県営常盤用水路は末信ポンプ場より下流側の開渠区間は経路が完全に判明しているが、取水口からポンプ場までの暗渠区間は埋設管の位置が殆ど分かっていない。更に経路の途中にはいくつかの構造物が存在し、その役割も完全には解明されていない。
【 付随する問題 】
以上の未発見・未分析という判定は、当サイトでその物件に取り組み時点で持ち合わせる情報に基づく主観的なものである。単に私が知らないだけで地元在住者では広く知られていたり、詳細を記述した書籍がありながら未だ接することができていないだけの状況もあり得る。
《 仮説について 》
未解決物件のうち特に未分析のものの多くが決定的な裏付けを欠いている。そこで現在の時点で得られている資料を元に不明な点を推察することになる。
対象物件の内容によっては、複数の推察が可能となるものがあり、それらを区別するために個別の名称を与えることがある。

単一の推論のみが与えられる物件でも、その内容の奇抜さや重要性によっては仮説の名が与えられることもある。
決定的な資料が存在していながら未だ参照できていないという理由だけで仮説に留まっている場合が起こり得るのは前述の付随する問題と同様である。
より説得力のある裏付け資料が現れれば、そこで矛盾する仮説は修正あるいは棄却されるが、それまではどんな大胆な仮説も存在価値を認められる。
出典および編集追記:

1.「宇部ふるさと歴史散歩」p.215

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