小羽山ものしり博士づくり計画

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記事作成日:2021/8/29
最終編集日:2022/11/2
ここでは小羽山地区で展開されている小羽山ものしり博士づくり計画について記述する。最終編集日時点でこの計画は冊子として送り出されることで形を見ている。立案し実施直前になって起きた騒動に伴う内容変更や、派生して画策された小羽山ふるさとまつりDX計画についても当面の間ここで記述する。宇部マニアックスはこの計画において地区内にある物件の情報提供や現地案内時の説明役として参画している。

なお、小羽山地区とは旧来の小羽山校区に相当するエリアを指す。これは市が校区という呼称を止めて地区に置き換えているための対応である。
《 概要 》
後述するようにこの計画の立案自体には携わっておらず題材提供者としての参画なので、以下の記述は個人的理解であり誤りがあるかも知れない。
【 企画の背景 】
市の地域創生事業が公募されていた中、小羽山地区から提出され予算承認された活動である。「ものしり博士づくり」と提唱されている通り、小羽山地区にあるものを正しく評価し、地区に暮らすことを誇りに思う子どもを育成することを主眼としている。従来の郷土マップでは地区内にある史跡などを紹介していたが、それ以外のものも含めて面白い、興味深いものの”探し方”を培う点で視点が異なっている。

宇部マニアックスはこの計画に題材提供者として参画することとなった。元から小羽山地区に限定されず市内を対象に物件の探索を行っていたので、むしろ小羽山地区限定なら更に題材を追加することも可能だった。そこで小羽山地区にある諸々の物件を連続的に観察できるように散歩コースを設定し、謎解きを絡めて再び小羽山市民センターに戻ってきて答え合わせを兼ねてお握りやお茶を提供するイベントが予定されていた。

謎解きイベントの概要を案内するパンフレットが作成され、小羽山ふれあいセンターをはじめ各所に納付された。


また、元々が小羽山地区に住む子どもたちに郷土の再発見の方法をそれとなく教えるイベントを意図していたので、小羽山小学校向けにプロモーション動画が上映された。イベントには最終の集計時点で予定参加者が200名を超えていた。
【 covid19に伴うイベント中止 】
2020年3月8日の開催(この日のことを”ミツバチの飛ぶ春先”と表現されていた)が予定されていたが、折悪しく covid19 の伝播が急速に拡大する頃合いだった。開催予定日が近づいても状況は悪化するばかりであり、最終的に小羽山コミュニティー推進協議会の会長によってイベントの完全中止(延期なし)という苦渋の決断が下された。決行するか否か微妙なタイミングだったが、結局その数日後に全国レベルでの緊急事態宣言が出されてすべてのイベントが停止されることとなった。

関係者の落胆とモチベーション喪失は大きかったが、コストを掛けて準備しておいたものが殆どなかったことより金銭的なダメージは軽微だった。特に参加者向けに配布するマップは完成していたものの状況を見て発注する予定だったため、大量印刷されないままお蔵入りとなった。しかし表に出なかったことから後述する「ふるさとまつりDX計画」を始めとする後続イベントにそのまま流用することができた。
【 修正された後続企画 】
小羽山ものしり博士づくり計画は年度単位の事業であったが、途中で covid19 のイベント中止により殆どすべてが当初計画通りに進まなくなった。例えばイベントでは十数人単位でコースをぞろそろと歩き、目的地で謎解きを終えて再び小羽山ふれあいセンターへ戻って大勢を前に答え合わせや軽食が提供される予定だった。covid19 感染拡大防止の観点からは大勢が密に集うことが忌避されるため、イベント開催の手法を根底から変える必要があった。

ただし covid19 の影響で全国的にイベントが中止状態に見舞われ、経済を回していく上で「新しい生活様式」に準拠したイベントを企画していく必要があった。これは国レベルで推奨され、全国の自治体に膨大な補助金がつくようになった。これに呼応して、小羽山ものしり博士づくり計画の第2弾として「小羽山ふるさとまつりDX計画[1]が作成され小羽山ふれあいセンター経由で申請されている。この企画は承認され、市の補助事業として4月開催予定だったイベントを新しい生活様式対応に再構成する形で第2幕を開けることとなった。

従来の小羽山ものしり博士づくり計画も中途状況で完成形ではなかったため、2021年度入りしてからは従来の大勢が集まって現地まで往復する、センターに戻ってきて会食するなどの部分が変更された。したがってものしり博士づくり計画自体の補助額は減額されたが、新しい生活様式に対応する計画が新規追加されたため、全体としては補助金額と規模は増大した。

当初の「小羽山ものしり博士づくり計画」では、センターを出発点として新川地区に含まれる宗隣寺までを往復するルートだった。既にマップの制作まで完了していたから、それらを元に画像や動画を再構成すれば一応は完成する。しかしこれ一度きりではなく将来的に何度か開催することを考え、前回とは異なるエリアを歩いて題材採取が実施された。このときの様子は小羽山地区・題材採取ウォークとしてエッセイで報告されている。
【 創刊号のリリース 】
小羽山ものしり博士づくり計画は内容を covid19 対応に変える形で2021年度の継続事業とされた。密を誘発するセンターでの集会イベントをなくす代わりに、各人が地区内にある主要なものを観察しながら歩けるマップを含めた創刊号が作成された。写真は創刊号の表紙。


この冊子は1,000部印刷され400部が小羽山小学校に、600部が小羽山ふれあいセンターに納入された。[2]作成に携わったメンバーは私を含めて予備の冊子をストックし、個人的には宇部観光コンベンション協会、宇部スポーツコミッションに解説をつけて手渡している。元々は小羽山地区在住者向けのものなので、地区内在住者で興味を持った方にはいつでも渡せるように準備し、実際に数部を配布している。これ以外にFBタイムラインで地区在住者が冊子について解説したところ、地区外在住者で郷土関連題材に関心が高い方数名がセンターまで冊子を受け取りに行っている。
【 Rootsのリリース 】
創刊号に続いて更に小羽山地区およびその周辺を深掘りする散歩題材的な小冊子制作が求められた。発行母体は創刊号と同じ小羽山地区コミュニティー推進協議会である。
写真は Roots と名付けられた続編号。Roots という命名は局長によるものである。


Roots では小羽山地区だけでなく隣接する新川地区、特に島を散歩コースの中に組み入れている。新川地区を組み入れたのは、小羽山小を卒業した学童が新川地区にある桃山中学校へ通学することに起因している。

桃山中学校は、鵜の島小と小羽山小を母校とする学童が通うようになる中学校である。双方の小学校は異なる旧校区にあるだけでなく環境も大きく異なる。小羽山は昭和50年代に拓かれた居住区であり、鵜の島は遙か昔の鵜ノ島開作時代からの地である。鵜の島は市街部にほぼ隣接しているが、小羽山は高台にあって市街部からは数キロ離れている。そのことに依ると思われる学童間の意識の違いが指摘されていた。

そこで小羽山地区と新川地区に跨がって題材選定し、散歩する設定の小冊子とすることで桃山中へ上がる前にお互いの地区を知ることでギャップを埋める試みとして制作された。完成後、この小冊子は両校に納入された。更にFBページでもこの小冊子を告知し、小羽山ふれあいセンターで無料入手できることを案内した。[3]
【 今後の展開 】
この小冊子を活用し、創刊号の製作直後の covid19 によって実現できなかった散歩イベントが実施される。コースは創刊号で紹介されたコースをベースに、散歩範囲を小羽山地区に限定する形で設定されている。開催日は2022年11月13日で、オープンイベントではなく事前申し込みが必要。最終編集日時点で案内パンフレットは印刷済みで、10月末に地区のジュニアリーダーを引率して実際にコースを歩いている。
出典および編集追記:

1. DXとは Digital Transformation の略記で、デジタル情報が人々の生活をより良い方向へと変化させる概念である。近年、民間から行政レベルまで盛んに使用されている。

2.「コミュニティー小羽山8月号」の紙面で告知されている。

3.「FBページ|2022/9/3の投稿

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