真締川水管橋

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現地踏査日:2013/6/6
記事編集日:2015/1/11
真締川水管橋は山口県企業局管理の構造物で、工業用水の導水経路として緑橋のすぐ下流側に架かっている。
写真は右岸下流側からの撮影。


下の地図は水管橋の中央部をポイントしている。


水管橋とはあまり聞き慣れない言葉だが、その名の通り水を送る管が橋構造を伴って地表部に現れているもので、橋脚を持つものや吊り上げる部材を伴うものなどの形態がある。[1]工業用水向けを含めて導水用の鋼管は概ね外側が青や水色に塗装される[2]ので、身の回りで見つけるのは容易である。上の地図を航空映像表示に切り替えると、確かに水利関係設備に特有の水色をした管が見えている。

人間や車が渡る橋ではないのでしげしげと眺める人は僅少だ。しかし市役所から中央町へ向かって歩道を歩くと、このような感じで真締川上流側に見える青い鋼管に気付いている人は多いだろう。


大型の鋼管から想像つくように、これは工業用水の導水管である。平原にある配水槽から市東部にある工業群に工業用水を送る経路(厚東川2期・東部ルート)は、緑橋の架かるこの場所で真締川を横切っている。
より詳細に説明しようとなれば、平原配水槽への経路や工業用水の供給元であるダム、更には企業局という管理主体や厚東川工業用水道事務所まで話が及んでしまうが、何しろこれが真締川水管橋は2期工業用水道関連で初めての記事なので、いずれまた別記事で詳細に触れることとして今は割愛する。
緑橋を記事化するにあたって隣接する真締川水管橋に触れない訳にもいかなかったので…

さて、緑橋の写真撮影に合わせて真締川水管橋も最新のものを採取してきた。まさか真締川の中央にボートを浮かべて正面から撮影はできないので、些か見づらい写真が多いが…

緑橋の中央から撮影している。
こんな感じで薄緑色に塗られた別の鋼橋(NTTの回線ケーブルが格納されていると思われる)に並んで架かっている。


緑橋自体の交通量はそれなりにあるが、国道190号の新川橋とは全然比較にならない。交通の要としては当然国道の方が上位である。しかし緑橋の地点では電話回線、工業用水の他に上流側には水道橋も架かっており、各種資源の通るルートとしては国道筋に引けを取らない重要度を持つ場所と言える。

管の中央にはキャンプで使う飯盒のようなポットが付属している。
管内に滞留する空気抜きのバルブと思われる。


真締川水管橋の両岸は真締川公園である。このうち左岸側は植え込みがみっしり生い茂っていて接近しづらいので、右岸側のみ撮影した。

右岸接続部。
工業用水はこちらから左岸側に向かって流れている。


近づいてみた。
工場向けの用水を送る極めて重要な設備なので、侵入拒否の本気度は高い。立入禁止の札こそ出ていないが、先端を尖らせたフェンスで常識的に理解できる。


「真締川水管橋」の金文字プレートが設置されている。
後述するように恐らく塗装に合わせて更新されたようだ。


作業用の金網通路が設置されている。
去年塗装されたときには全体をカバーで覆って作業員が行き来した筈だ。


およそ市内に見つけられる水管橋には共通する構造がある。
このように本管の上に2本の補助管を渡して正三角形を造る形状だ。


正直な話、何故こういう構造をしているのかよく分からない。補助管は若干上向きに反り返っており、本管を「吊り上げて」いるようにも見える。
冒頭の写真で示される通り、真締川水管橋は橋脚を持たない。両岸の土台部のみで保持された状態だ。もし補助管で吊り上げているなら、両側からかなり強く押す方向の力が加わっていなければ、補助管の自重がマイナスに働くような気がする。
今年のダム見学会のときに質問してみようと思う

鋼管の接続部。
管頂は地面からおよそ1m程度下にあった。


足元の金網越しに撮影してみた。
鋼管の直径はおよそ1,000mmだ。当然ながら流下音はまったく聞こえなかった。


真締川水管橋に限らず、およそ殆どの水管橋はポンプなどの動力に頼ることなく、水が高い場所から低い方へ流れる重力の自然法則によって運用される。通常の用水路のような上部が大気に開放された開渠なら、少なくともその区間は下流に向かうにしたがって順次低くならなければ流れない。しかし内部を密閉された管渠の場合は給水位置が需要先より充分に高ければ、局所的に前後の埋設管渠より高い区間があったとしても自然に流れ続けることができる。(サイフォンの原理)したがって真締川水管橋の架かる鋼管の高さは、必ずしも元々の自然流下レベルとは一致しない。

鋼管の内部を工業用水が空隙部なしにみっちり流れているなら、真締川水管橋の高さは自由に設定できることになる。河床を掘って埋設管にしても水管橋の高さを若干上げても問題なく流れる。現在の設置高は下を通る小舟や豪雨の際の流下物を考慮して決められたものかも知れない。
もっとも高低差が生じる箇所が多ければエネルギー損失が大きくなり流下効率は悪くなる

真締川水管橋前後の経路を地図に書き込んでみた。
直角に折れる部分はどう接続されているかは分からない


東部ルートはこの場所で真締川を横断し、市道真締川東通り線に沿って真締川公園の真下を通っている。公園内を歩くと、目立たない場所にいくつも計装用の鋳鉄蓋を見つけることができる。上流側も同様に真締川の右岸側にある公園内を通っているが、恐らく寿橋あたりから真締川を離れ渡辺翁記念会館とJR宇部線の間を通っているようである。
この記事を書いている現時点ではまだこの区間がよく分かっていない

《 塗装前の真締川水管橋 》
現地踏査日:2011/5/17
記事公開日:2013/6/9
水管橋本体はそのままだが、塗装前の写真があるので掲載しておこう。
新川橋の歩行者用の補助橋からズーム撮影している。[2011/1/30]


左岸側下流から撮影している。
全体的に色褪せており、随所に錆が目立つ。一部にはツタ性植物も絡みついていた。[2011/5/17]


右岸側から撮影。[2009/4/10]


真締川水管橋の文字が浮き出た銘板が設置されているが、以前はこんな感じで楷書体だった。
楷書体の方が重みがあって良いと思う…今の丸ゴシック体はちょっと軽い…[2009/4/10]


空気抜きバルブもかなり錆びていた。識別用に白ペイントされた番号も適当に手書きした感じだった。[2011/5/17]


塗装される前にもっとも近いときの映像。
至る所錆が浮き上がっていた。[2011/5/17]


この時点では銘板が見当たらない時期があった。[2011/5/17]


何と銘板は外れて鋼管の上に落下していた。
どうやら自然に脱落したらしい。[2011/5/17]


外れたまま木の葉に埋もれていた。[2011/5/17]


この楷書体プレートは何処にも見当たらないので、塗装替に合わせて銘板を付け替えた後そのまま処分されてしまったようだ。側面の真締川水管橋の文字や管理番号をゴシック体にしたので、それに合わせたのだろうか…

次に真締川水管橋が塗装され直す頃には自分は…このホームページは…一体どうなっていることだろうか。
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - 水道橋|水道橋

2. 工業用水導水管でも私企業が設置したものや他社所管のものは異なる色(灰色など)で塗装される場合もある。例えば栄川水管橋は県管理の方は例外的な灰色塗装となっている。

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