ここでは、市内エリアおよび在住者の間で言い伝えられてきた
俚諺について収録する。
一般には俚諺とは諺(ことわざ)と同義だが、この記事では地域性なく唱えられている諺とは異なり市内や更には特定の地域や住民など狭い範囲で使われていたものに限定している。
何を言い表したものか意味を考えてみる余地ができるように、解説ボタンを押すことで詳細な背景が表示されるようにした。
《 歴史的な俚諺 》
郷土史関連の書籍でのみ見られ、現在では伝わっていないものが殆どである。
あな恐ろしや瓦屋さん、鬼の頭を黒焼きに |
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藤山村時代の藤曲地区に伝わっていた俚諺。現在の由利野山智光院がある南側は、茅葺き屋根から瓦葺きへ変遷する過程瓦需要が高まった
とき多くの瓦屋が軒を連ねていた。石州から瓦を焼く職人が移り住んでいて、瓦を焼けない冬期には寄り合うなど独自の文化が形成されていった。繁忙期には夜も瓦を焼く火がみられ大変に繁盛し勢いがあったことを伝えている。赤ちゃんが泣き止まないときに「瓦屋さんに連れて行かれて焼かれるぞ」と脅して泣き止まさせていたようである。瓦の他に硫酸瓶など陶器一般を製造していたこともあり、この周辺は皿山と呼ばれていた。現在は瓦製造を行う場所は存在しないが、沿線には窯元の名称が書かれた塀がみられる。 |
出典 | 「なつかしい藤山(田中信久)p.158〜159」
なお、該当ページには「今は俚諺を知る人もなくただ皿山という地名のみ伝わっている」とあるが、現在では既に皿山という地名すら喪われていて知る人は居ない。 |
宇部の金持ち、恩田か島か |
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採炭時代の言葉。炭坑開発で一山当てて金持ちになった人々は、島か恩田が多いことを形容している。 |
出典 |
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常盤通りは馬券通り |
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戦後復興の都市計画で常盤通りをほぼ単独市費で建設したとき、厚南地区などで言い伝えられてきた俚諺。国の認可を受けたものの補助がなかなかつかず一向に道路の体を成さなかった後、西宇部駅前に市営競馬場を造り市外県外から馬券を買い求める人々で賑わった。常盤通りの建設はこの市費から賄われ、それ故に馬券を買った人々に支えられていたことを伝えている。詳細は常盤通りの総括記事を参照。 |
出典 | 市道鍋倉迫条線沿いに設置された宇部競馬場跡の説明板に記載されている。
なお、石碑は破損したため現在撤去されている。 |
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出典および編集追記:
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