如何にも唐突だね…
うさぎを飼いたい♪
もちろん、現実を見ればそんなの夢の夢。
キチンとした世話をする自信がない…何しろペットを飼った経験がない。
それより何より今のアパートは「ペット飼育禁止」なので。

「ネコちゃんでも良いんじゃないの?」って声がありそうだけど、駄目なのです。
うさぎでなければいけない…

元々かなわない夢だから勝手に理想を言えば…

変な病気もらって来たらいけないからネコと同じく部屋で箱入り娘にして育てたい。
だけど万年ケージ入りなんてのは可哀相過ぎる。ペットは随伴者であって奴隷ではない。可能な限り自由を与えてやりたい。パソコンのあるこの部屋限定なら、好きに走り回らせてやりたいと思う。
多分、あっちこっちにフンをして部屋が大変なことになるだろうけど…

でもそこを何とか頑張って躾けて、飼い主たる僕の言うことだけは聞いて、
本当に相棒のように振る舞ってくれたらなあ…

「ただいまーっ♪」て帰ってきたら、部屋から飛んできて鼻をスリスリしてくるとか…
ずっと部屋で留守番していて寂しかったから、甘えて抱っこを求めてくるとか…

ありえない話だろうけど、可愛い過ぎる。なんか想像するだけで軽く萌える。

うさぎの名前は、もちろん「ばにら」だ。
ぴょんぴょん飛び跳ねる♀の白うさぎ。バニラクリームのように白い毛色がいいんだけど、バーチャルのばにらは野ウサギって設定だから、薄茶色でも許せるかな。

ネコをコタツ代わりに抱いて寝るって人は多いと思うけど、うさぎじゃあ無理なんだろうか?

昨日みたいに時季外れの雪が降り、とっても寒い夜とか…
寝るとき「おいでっ♪」と呼べば、電気を消す前からサッと布団に潜り込んでいる。
そうして ぎゅ♡ギュッ♡ と抱き合い、体温を分け合いながら眠りに就くとか…
(あまりに仲が良すぎて気が付いたら部屋じゅう仔ウサギだらけになってしまうかも知れない…)

でもそこまでうさぎを躾けるなんてのは難しいだろうね。

それ以前に…

そこまでうさぎを躾けたって、必ず別れのときはやって来る。
病気になり、どれほど懇意に看病しても人間を置き去りにして先に逝ってしまう。
ある朝起きたら、布団の中でばにらが冷たくなっていた…
そんなの想像するだけでもあまりにも悲しすぎる。
私がどの種類であれ、ペットを飼えない一つの理由でもある。
(今部屋に置いている「幸福の木」でさえ”絶対に枯らせてはならぬ”という号令の元で部屋の中の一等地を与え甘やかし放題していることからも想像つくだろう)

もっとも、飼い始める前から死を含む離別が悲しくて踏み出せないというのは行き過ぎだろう。
ペットに限らず、およそこの世に生を受けた対象はなべてそうである。

しかし…
死のみが二者を分かつ原因ではない。
いつかは必ず、今まで通り一緒にやって行けなくなる時がくる。

楽しかったけど後から思えば空気のように当たり前と思っていたひとときを、過去の思い出として封じ込めなければならない時が必ずやってくる。
そのことを知りつつも、ペットを飼いたい。
うさぎを飼いたい。
始まる前から終わりの時を恐れ、その寂しさと恐怖故に踏み出さないのは間違っている。

そこには 「人はどう暮らすべきものなのか?」 の答が隠されている気がする。


この拙き散文を、もう少し一緒に居たかったのに離れていって仕舞われたあの人に捧げる...

原典(2010/3/11)

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