電気カテゴリ

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記事作成日:2022/4/12
最終編集日:2022/4/22
ここでは、物件を撮影した画像(動画を含む)を区分する電気カテゴリについて記述している。
《 概要 》
電気カテゴリは物件を構成する10の主要カテゴリの一つである。現在のところこのカテゴリに収録されている主要なセクションは以下の通りである。
鉄塔、電波塔、配電線、発電所、変電所
携帯電話基地局の増加を受けて、2010年代後半に電波塔セクションが追加された。
【 テーマカラー 】
電気カテゴリのテーマカラーを薄灰色と定めている。この色である。

送電鉄塔が概ね薄灰色であることに依る。
【 近接するカテゴリとセクション 】
近隣地域にある発電所は、ダムに付随する水力発電所で占められる。市内では厚東川ダムに付随する厚東川発電所と二俣瀬発電所のみである。宇部丸山ダムの取水塔に造られた発電所は、厚東川2期工業用水道の付随物件として利水カテゴリに収録されている。

絶対数が少ないので、水力発電所を利水カテゴリのダムと工業用水道へ移転し、太陽光セクションを場所ごとにサブカテゴリへ昇格するのが妥当かも知れない。
《 主要な物件と観察ポイント 》
電気カテゴリにある物件は、現代人の日常生活を下支えするインフラでありながら馴染みが薄く、一般には物件として観察されることは少ない。高圧電力を扱う設備は危険なため構内は立入禁止であり、フェンス越しなど離れた場所からの観察しかできないのも理由である。このことにより、電気カテゴリに収録されている画像総数は10あるカテゴリの中でもっとも少ない。

それでも送電鉄塔をウォッチ対象とする動きはかなり昔からあり、この種の構造物を嗜む向きには鉄塔の形態による分類もされている。鋼構造物は一般に長寿命であり、半世紀以上経過しながら現役で使われているものが多い。家庭向けの配電線も初期のものは木製柱であり、ひとたび設置されると建て替えられることが少ないので、昔の道筋や道路の高さを解析する目安になることがある。

変電所には身の回りにない柱状碍子や変圧器、遮断器など特殊な構造物が目立つ。それらの役割を正しく理解するには高度な知識が必要となるが、敢えて予備知識をもって臨むことなく純粋にフォルムのみを愛でる観察手法もある。
【 鉄塔 】
山間部や市内の近郊地区を通過する送電鉄塔はかなり多く、経路ごとに固有名が与えられている。殆どが中国電力の所管であり、鉄塔に取り付けられたプレートで路線名や鉄塔番号、設置年月を確認できる。市内近郊部では見初線西宇部線などが観察対象として好適である。

鉄塔の除却や建て替えは稀であり、一般には撮影の優先順位は低い。しかしひとたび更新工事が始まると周辺の景観が変わることから注意深く観察されている。
写真は建て替え中の西宇部線 No.2鉄塔。この建て替え工事で西宇部線から箱形鉄塔が姿を消した。


鉄塔の所在地は私有地であることが多く、除却する場合も土地所有者の承諾後に基礎がそのまま遺されることもある。一般には基礎を含めて痕跡もわからない程度に原状復帰され、鉄塔間を結ぶ管理通路も登山道と重ならない部分は時期が経つにつれて自然に還り不明瞭となる。
【 電波塔 】
携帯電話の電波網を強化するために比較的近年絶対数が増加した。この種の電波塔はどれも似たような外観であり、送電鉄塔と比較して鋼構造物としての興味は薄い。設置場所が人里離れた山間部であることが多く、基地局プレートから山地字を知ることができるのが撮影モチベーションである。

絶対数が少ないためテレビ中継局のような電波に係る構造物も含めている。
【 配電線 】
家庭用配電線は非常にありふれており、特殊な形態も少ないため興味を持って観察されることは鉄塔より更に稀である。電柱はひとたび建てられると変更されることが少ないため、古い町名などがプレートとして遺っていることがあり、客観データ採取のために撮影される事例が多い。ただしこの場合、配電線サブフォルダではなく該当する沿線の道路カテゴリへ含めている。

現在のところ個別案件として、木製の双脚電柱が連なる藤山幹線のみがサブカテゴリとして存在する。
この配電線は昭和20年代に建設されていて、向山の南側を斜めに横切る特殊な経路をとっている。


市街部では配電線の地中化が進んでいるが、今のところ地下埋設設備に係る構造物は単発的に採取され道路カテゴリに含めているのみである。
【 発電所 】
起電方法により形態が異なるものの市内県内には水力と火力と太陽光しかない。このうち火力発電所で撮影可能なものは、西沖にある旧設備のみである。

太陽光発電所は近年一個人でもソーラーパネルを設置する事例が多く、固有名が与えられることから規模の大きなものはサブカテゴリを作成し収録している。外観の形態は変化に乏しく画一的だが、売電に関する掲示物に現地の小字名が現れることが多いのが観察モチベーションであるのは電波塔に類似する。

水力発電所は森と湖に親しむ旬間でかつて見学会が実施され、普段立ち入れないエリアでの見学や撮影が可能だった。covid19 以降は参加者の集合を忌避する名目で立ち消えとなっている。このため近年新規画像の追加が殆どできていない。
【 変電所 】
大規模なものは新山口変電所のように特異な設置物が多く、フォルム題材として好適である。


下位の変電所にしたがって特徴があまりない設備となる。通常こうした設備を撮影する人が皆無なため、認められている範囲まで接近は自由なものの問題も多い題材である。

一般向けではないことと危険性が伴うことから、変電所に入構する形での見学会が実施された事例はない。画像も外部から撮影したものしかない。非日常を観察するには好適な題材であり、一部には高電圧の機器から発生する磁歪音を愛でる向きもある。
《 必要な客観資料 》
道路や鉄道、用水路のような人や物資の伝送を伴う構造物の中で電気は目に見えないため著しく形態が異なり、理解のために一定の基礎知識を要する。
【 地図 】
地理院地図には発電所と変電所は記号化され、送電鉄塔は直線を挟んだ点2つの経路で記載される。このことで大まかな送電鉄塔の位置と経路が特定できる。

一連の情報が地図から削除された時期もあったが、直接の利用はなくても登山家などによるランドマークとしての意義があることから復活している。ただし撤去されたり違う場所へ移設された鉄塔や送電経路が古いまま地図上に残っていることが多く注意を要する。[1]
《 撮影の優先順位 》
既存の発電所や変電所が外観を変えることは稀であり、優先順位は低い。太陽光発電所の新設工事は今なお頻繁だが、特殊な構造物が設置されることがなくどれも同様であり、継続観察する意義に薄い。

送電鉄塔のような鋼構造物は長寿命であり、半世紀以上経過したものが現役である。ただし近年は老朽化した送電鉄塔の建て替えや2導体化などの変更が少しずつ進められており、山地などの景観が変わることがある。このため建て替え工事を把握した都度継続観察している。

木製電柱を持つ家庭用配電線は気付いた都度採取している。道路の拡幅工事で電柱が移設されることは頻繁にあるが、特徴の無いタイプが殆どであり追跡されていない。
《 未解明の課題 》
現在では市街部へ向かう高電圧送電経路の殆どが地中化されている。島地区の東側と小串通りの間に山大医学部線の送電鉄塔が存在していたことが判明している。

旧来の送電経路と現在の地中化経路がどうであるかは未だ調べられていない。地下埋設設備は目立たない存在であり、些か観察対象としての興味に欠ける。

スタンフォード地図には昭和初期の送電網が記載され、その殆どが現在の経路とは大幅に異なっている。当時の構造物の遺構が存在しているかは調べられていない。時代柄で送電柱は木製の可能性が高く、変電所に近い送電柱以外は基礎を含めて完全に除却されている可能性が高い。

現在のところ、中山浄水場の東側斜面に未知の基礎コンクリートが見つかっている。上水道関連でこの場所に構造物を設置した履歴がなく、当時の送電設備のものではないかと推測されている。
出典および編集追記:

1. 窒素工場向けの特別高圧線やJRの西日本旅客鉄道線は既に一部または全部が撤去されているが、地図には未だ記載されている。

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