写真は後述するアンケート回答者の中から抽選で当たって送られてきたプレゼント。
モニターは宇部市民または宇部に通勤通学する人が対象で、随時募集されている。登録すると固有のIDが割り当てられ、年に数回アンケートが送付される。かつてはインターネット上でアンケートの送付と提出が行われていたため、インターネット市民モニターと呼ばれていた。後にネット接続手段をもたない高齢者も郵送による回答が可能となるように変更され現在の名前に至っている。
《 概要 》
モニターとは言っても宇部市上下水道局のモニターなどとは異なり、定期的に出席する会合はなく配布されたアンケートを提出するだけである。報酬はない代わりに登録も無料で、毎回アンケート提出者の中から抽選でプレゼントが贈呈される。このプレゼントはうべ未来モニター制度の協賛会社により提供されている。年間すべてのアンケートに回答した登録者全員には漏れなく小さなプレゼントが贈られた年もあった。市政に対する提言や申し入れは、庁内に設置されている意見箱を通じて随時可能である。また、地域または個人の問題が生じたなら対応する課へ申し出ることもできる。しかしそれらは提言者と対応する課の窓口の問題で終了するだけで情報共有されない。うべ未来モニターではアンケートの各項目の回答数を記録し、更に提言者の自由回答と共に公開することで情報共有されている。既に多数回のアンケートが実施されているので探し出すのは困難だが、インターネット市民モニター時代からのデータがアーカイブされていていつでも閲覧可能である。
【 アンケート依頼と提出の流れ 】
個人的にはネット上でのアンケート受理と回答提出を行っているので、以下はネット上で行う場合に限定して記述している。概ね1〜2ヶ月に一度の頻度で登録ユーザーにアンケートが送達される。メールの場合はアンケートのあるURLが送付され、ログインしてネット上で回答を提出する。回答期限は概ね一週間である。ログインパスワードが必要だが、ブラウザの cookie を有効にしていれば暗号化されて記録されるためボタンを押すだけでログインできる。このシステムは会議室や体育館のコート予約などを行うオンラインサイトと共用している。
アンケート内容としては、市の所管する施設の利用状況や要望、市の推進するブランドの認知度調査、防災意識やイベントの参加状況など。時期を変えて同趣旨のアンケートが配布されることもある。殆どのアンケートがいくつか用意された選択肢から選ぶスタイルで、選択した答えによってはいくつかの質問が省略される。末尾にアンケート全体を通じた自由回答欄があり、文字数制限内で記述することができる。
自由回答欄での記述を行わなければ、概ね15分程度で終了する。熟考したりサイトを離れて別のことをしているとタイムアウトして途中まで書いていた回答が無効化される場合がある。これを防ぐためログイン中の時間を延長するボタンが追加された。また、途中まで回答したものの後で考え直したい場合に、提出前の回答状況をローカルに保存する機能が付属している。この情報は xml 形式でダウンロードされ、同じアンケートを回答するとき読み込ませることで前回の状態から再開することができる。
アンケートを提出すると、受理済みのメールが返信される。アンケート提出期限が近づいていながら未提出の場合はお知らせのメールが配信される。
【 結果の公表 】
期限までに提出されたアンケート結果は集計され、選択肢のある項目では選択数が棒グラフで示される。この数値結果を元にアンケート提出部署からの所感が記述される。アンケートを通じた自由回答欄の記述は、よほど内容的に問題がない限りすべてテキストで掲載される。この自由回答欄には提出者情報として年齢と男女別のみが記載される。結果は pdf ファイルで公開されているので、投稿した文言に含まれているテキスト検索によって自分の自由回答を見つけ出すことが可能である。一連のとりまとめは2〜3ヶ月程度で行われ、うべ未来モニターのサイトで公開されている。取りまとめ結果を見ることで、自分以外のモニターがどのような意見を持っているか知ることができる。アンケート結果や自由回答欄での要望は、その後の行政施策にかなり反映されている。例えば市内には利用者が少なくなり老朽化している施設が目立ち、それらをコストを掛けてでも改修すべきか統廃合すべきかの問いかけがなされたとき、モニターの殆どが統廃合はやむを得ないと回答した。この結果から、施設のバリアフリー化や耐震補強工事が行われる前にいくつかは廃止されることが予想される。
【 抽選プレゼント 】
毎回のアンケートでは、回答提出者から抽選でプレゼントが進呈される。冒頭にあるのはときわ公園課からの動物園無料入場券であるが、市直営の施設とは限らず市内にあるフィットネスクラブ優待券やパティスリーなどむしろ民間企業からのものが多い。当選は賞品の発送をもって代えられるが、当選者の ID がうべ未来モニターのサイトに掲示される。受験の合格通知とは異なり、サイトで自分の ID を見つけて当選を知るよりも賞品が送達されることで当選を知ることになる方が多い。
抽選もののプレゼントは滅多に当たらないという意識が強いが、うべ未来モニターは参加者数自体がそれほど多くないため当選確率はかなり高い。お目当てのプレゼントが提示される回のアンケートで当選できるとは限らないが、体感的には5〜6回に一度は当選している。前述の自由回答を詳しく書いたから当選確率が上昇するといったことはなく、抽選はアンケート提出者からの無作為抽出である。
《 個人的所感 》
当サイトでは宇部マニアックスとしてではないが、インターネット市民モニター時代の初期から個人的に登録しアンケートの回答を提出している。選択肢を選んで提出するだけの簡単なものであるため、登録し送られてきたアンケートはすべて回答している。【 問題点 】
1〜2年経って殆ど同じ内容のアンケートが再度送られることがある。例えば地元素材を用いて商品化された「うべ元気ブランド」に関しては既に2度目が送られている。しかし1〜2年程度で認知度や消費動向は大きく変化はしないため、前回と同じかあるいは(covid19 を反映して)利用頻度が下がったという回答が増えることが予想される。選択肢の設け方が不適切なアンケートがある。ときわ公園の石炭記念館の改修に伴い、展望塔となっている竪坑櫓の扱いをどうするかの質問があった。この選択肢では完全な耐震補強工事を行う案から竪坑櫓の移設、竪坑櫓の撤去案までいくつかが示されたが、それぞれに概ねどの程度の費用を要するかが記載されていた。耐震補強工事が膨大なコストを要することから「現実的でないほどのコストが掛かるから移設を断念するよう誘導しているのでは」といった指摘をした回答者があった。個人的には竪坑櫓のような堅牢な鋼構造物に耐震補強問題が生じるとはおよそ考えられず、石炭記念館のみ必要なリニューアルと耐震補強を行い竪坑櫓は温存するという案が選択肢から外されている点を批判した。
実施すること自体が無意味なアンケートがある。数年前に北朝鮮から飛翔体が日本海へ向けて数回放たれたとき、着弾地によっては甚大な被害を生じることで大騒ぎになった。この件についてうべ未来モニターでアンケートが実施され、宇部市としても防災訓練などを行った方が良いかの問いかけがなされた。これに対して個人的には「国防に関する問題であり一地方自治体として市税を費やして防災訓練を行うことに強く反対する」と自由回答で記載した。飛翔体問題は重要だが、確率ないしは流行りの問題であり、市税を投入して防災対策を行うならもっと発生確率の高い自然災害(豪雨・高潮・台風など)に充てるべきとも回答している。
市広報広聴課では、過去に実施したアンケートすべてをモニターの自由回答を含めて pdf ファイルとして公開していた。しかし市がホームページをリニューアルしたときに過去の実施分を削除してしまった。上記の事項はリニューアル前のアンケートだったためどれも既に閲覧できない状態である。
【 総合的な所感 】
若干の問題があっただけで、アンケートを介して一市民の声を届けることができる手段として極めて有用である。アンケート結果が登録者の自由回答を含めてネットで公開されていることで、他の市民がどういう考えを持っているかを知ることができる。中には思い付かなかった問題点や新たなアイデアが提示されることもあり、別の価値観や発想に至ることができるのは従来行われていた各種ワークショップと同様である。アンケートで提出した自由回答の部分は、pdf ファイル化され市のホームページへ遺り続けるという点も重要である。広く市民に告知しているとは思えない手法でアンケートを採り、その結果をもって施策に反映することがある。このとき何の意見も提出されていなければ、市民からの反応が薄いとみなされ殆ど行政主導となってしまう。意向確認する場が設けられていれば、そこでの意見がドキュメントとして遺ることで「意見がなかったとは言わせない」状況を作ることができる。そういう意図も含めて、重要な問題ではかならず自由回答で言及している。
《 近年の変化 》
2022年度よりうべ未来モニターの地域枠が追加設定された。モニターの登録者数が少なく伸び悩んでおり、FBの宇部市公式アカウントからもしばしばうべ未来モニターへの登録を呼びかける投稿がされている。地域枠は市内の各地域(旧校区)から数名募集されており、特定の地域に偏りすぎず市内全域からの意見を聴取するための方針と思われる。小羽山地区で小羽山ものしり博士作り計画に参画していることもあって、ふれあいセンター館長から登録をお願いしたいという連絡があった。広報広聴課で従来枠と地域枠の差違を尋ねたところ、地域枠では今後予定されている市長を交えた座談会に参加できる特典が付与されている以外は従来枠と同じということだった。双方に重複して申し込むことはできず、従来枠から地域枠へ変更という形になった。
なお、地域枠の募集要項では報酬なしと書かれているが、これは金銭単位の支給がないというだけで、従来枠で行われていたアンケート回答者対象の抽選プレゼントは(地域枠も含めて)継続されるとのことであった。
市広報広聴課は随時モニターを募集しており、FBでモニター募集を呼びかける投稿を行ったこともある。モニターの人数が増えたせいか、抽選プレゼントの当選頻度はかなり下がっている。また、モニターによる自由回答可能なアンケートが少なくなっている。それでも届いたアンケートは、期限提出を失念していた場合を除いてすべて提出している。
【 うべ未来モニター制度の終了について(通知)】
2025年4月22日において、うべ未来モニターを令和7年度末で終了することがアナウンスされた。この告知は、モニター登録者のメールに配信された。内容は以下の通りである。うべ未来モニター登録者 様 平素から、市政の推進につきまして、格別の御協力をいただき、ありがとうございます。 さて、本市では、市政に関する市民の皆様の意向を調査し、市政運営の参考とするため、「うべ未来モニター制度」において、定期的にアンケートを実施してきましたが、令和7年3月末をもってモニター制度を終了することになりました。 皆様には、長らく「うべ未来モニター」として御協力いただいたことに対し、厚くお礼申し上げます。 今後は、宇部市公式LINEを活用したアンケートを実施する予定です。 宇部市公式LINEを友だち登録していただき、引き続き本市の市政運営へ御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○宇部市公式LINEの登録方法について(市ウェブサイト) https://www.city.ube.yamaguchi.jp/shisei/kouhou/kouhou/1007816/1007817.html
スマホアプリに LINE 登録すればお買い得商品情報が配信されたり割引券がもらえたりする民間企業のサービスが増えている。利用者が有用な情報を得られ、民間企業は利用者状況を把握できるので双方にメリットがあるが、これと同じことを行政が推進するのは誤った判断である。個人的には理由あってスマホを持たないのだが、スマホを持たない自由が考慮されず「持たないことの不利益」が負わせられる現状を問題視する。
比較的最近まで市はモニター登録者を増やそうと躍起になってアナウンスしてきたが、若い世代の意見にシフトすることを容認するとは言えこのような形で終了させてしまうことは遺憾である。もっとも最近のアンケートでは自由回答が提出できるものが減っており、数値的統計を得ることが目的となっている。これはややもすれば意見を吸い上げるのではなく、単に「アンケートを実施した」という証拠作りに終わってしまう。
【 今後の意見の提示方法について 】
covid19 以降は特定の問題に関して市民から意見を吸い上げる ワークショップ がなくなった。明白に廃止が明言されたわけではないが、感染拡大防止の観点や対費用効果など「やらない理由」はいくらでもある。それに咥えてうべ未来モニターも廃止すれば、市民が自由に意見を提出する場が更に減ってしまう。市役所庁舎には以前から市民の声を受け止める意見箱が置かれており、完全に意見を提出する手段がなくなったわけではない。しかし来庁してわざわざ紙に書いた意見を投函する人がどれだけいるかと考えると、この方法は効率的とは言えない。個人的には今後は新川歴史研究会から提言したり、ホームページにこのような総括記事を掲載することで対処する。
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