写真は学校側の斜面から撮影している。
橋の中央部分をポイントした地図を示す。
地図でも明白なように、この橋は市道南側請川線自身に対する跨道橋である。小・中学校の校門からこの市道を渡ろうとしたとき、信号機がある最寄りの横断歩道はいずれもかなり離れている。学校が市道よりずっと高い位置に造られたので、登下校の安全確保と学校への乗り入れ用として跨道橋を設置したようだ。
本路線の峠となる最高地点付近は切り通しとなっており、道路より高い位置に川上小学校・中学校がある。
高い位置にあるので切り通し近くでは道路から学校が見えなくなる。
この橋に向かうには一旦自歩道を逸れて側道に入る。
実際に自転車で走行してみると、体感可能なある錯覚に陥る。
大した坂ではなさそうなのに登りがきつい。
切り通しで発生する土量を減らすために市道の本線および自歩道は峠に向かってかなり登っている。側道は両側を橋で結ぶわけだから更にその分だけ勾配がきつい。
ところが道路側の方が相対的に勾配が緩いので、側道から眺めると道路が平坦に近く見えてしまう。このため側道は大した坂でなさそうなのに自転車で漕ぐと想像以上の労力を要することになる。異なる登り勾配の道が並走しているために起きる目の錯覚だ。
実際、楽勝で登れるだろうと思っていながらギアを最も軽いものにシフトしても橋へ到達するとかなり息があがってしまった。
まずは順光になる側道の途中から撮影。
橋に名前があるらしいと知ったのは、このアングルからのショットを撮ったときであった。
アルミポールの欄干にプレートが見つかった。
平仮名で「かわかみはし」。
黒いバックに金文字という構成だった。
経年変化で一部の金メッキが剥げかかっている。
橋の中央から終点側を撮影。
児童が通行するので転落防止のためのネットフェンスが設置されている。
起点側。午後からの訪問なので逆光になった。
上下2車線ずつで中央分離帯も広い。さすがは平成期の道路である。
竣工年プレートは起点側にあった。
平成13年4月竣工となっている。
これは川上小学校の開校より随分と後である。
このプレートと正対する位置に「川上橋」の漢字表記プレートが設置されていた。
河川の場合なら橋の漢字表記・平かな表記・竣工年月・河川名となるところだが、道路なのでプレートは3箇所の設置となっていた。市道黒岩線の黒岩橋とは異なり、路線名のプレートは設置されていない。
学校側を背にして撮影。
反対側の山は切り崩されなかった分だけずっと高い。
橋付近から切り通し斜面を撮影している。
自歩道と側道は8m近い高低差がついている。川上小・中学校に登校する子どもたちは足腰が鍛えられそうだ。
さて、実際にこの橋を撮影した時系列に戻すと…
ここを訪れたのは別の目的があってのことで、橋の撮影は副次的なものだった。鍋島に始まる周防と長門の国境の線は小中学校の敷地内を通っているという情報を書籍から得ていた。もしかすると国境を示す何かが現地にないだろうかと思ったのである。国境は一般に最高地点の尾根筋に設定されるので、この近辺では川上橋付近のように思われた。学校と反対側にある切り通しも橋付近が最も高いからだ。
現地でも切り通しの撮影を行っている過程で、斜面に何か岩のようなものが見えることに気付いた。
この件についての実際の成果や国境に関する情報は、市道南側請川線の派生記事に記述される予定である。