いささか拍子抜けしたレポートを
お届けしなければならない。
去年(平成23年)夏の見学会で初めて今富ダムの監査廊を見学した。このとき、監査廊の出入口の一つが外部からも接近できる右岸側にあることを知った。お届けしなければならない。
以下の2枚は、去年の見学会で監査廊の右岸側出入口から外を撮影した写真だ。
この場所に連れられたとき、担当者はこの出入口は現在使われていないと語った。鍵が無く扉を開けて外に出られなかったので、鉄の扉越しに眺めて写真を撮った。ここがダム本体に対してどの辺りの位置にあるか分からなかったが、監査廊の外側は物凄い藪状態になっていた。
その光景が頭にあったので、外部からこの入口前まで到達するのはかなり酷い藪漕ぎを強いられるのでは…と思っていた。
草木の伸びる3月中旬ならまだ何とかなるだろう…そう思ってこの方面に訪れたある日のこと、時間調整を兼ねて今富ダムの右岸ダム下を訪れていた。
藪漕ぎの覚悟をしていただけに、駐車場横の公園を歩いた先に見えた光景に些か脱力させられた。
去年の夏場は寄りつけない程の酷い藪だったのだが、きれいに草刈りされていたのだ。
お陰でまったく労することなく歩いて到達できた。
しかしコンクリート階段をツタ類が覆った形跡があり、草刈り前までは酷い状態だったのは確からしい。
元々使われていない監査廊出入口ということなので周辺を整備する必要はない。しかしあまりに藪まみれなのも見苦しいということで、公園の草刈りと一緒に整備したようだ。
監査廊入口はダム堰堤に対して4分の1くらいの高さだろうか。
高さを合わせるためにコンクリート階段が設置されていた。
ダム右岸堰堤からの湧水がかなりあるようで、コンクリート階段周囲を濡らしていた。
出入口は若干縦長の長方形で、赤く塗られた門扉が護っていた。
(水利関連の設備は大抵水色塗装なので赤色は珍しい気が…)
当然侵入はできないが、鉄棒を配して造った扉なので、監査廊入口がアルミ製ドアになっている荒谷ダムや歌野川ダムとは違い外から中を窺うことができる。
扉越しに覗き込む。ここまで冷気は伝わって来なかったが、滴り落ちる水の音が聞こえていた。
廊下部分にまで資材が積まれているのは去年の見学会のときと変わらない。
フラッシュ撮影した。
通路として使われていないので、簀の子のようなものが何段にも積まれて物置場となっている。見学会のときは足元がじっとり湿潤していたが、意外に内部は乾燥していた。
奥まで分かるように資材の積まれたのとは反対の壁へ寄ってフラッシュ撮影してみた。
見学会でのみ知り得る内容を一般公開の記事にするのは憚られるので多くは語らないが、この突き当たりはT字型になっていて右側が本線部分の監査廊、左側は行き止まりのグラウトトンネルになっている。
周囲の様子も合わせて監査廊入口を動画撮影しておいた。
[再生時間: 33秒]
監査廊入口を背にして振り返るとこうなっている。
樹木は葉を落としているし足元の雑草も刈られているので、見学会のときとはまるで印象が違っていた。
接近が困難で、藪を漕ぎつつターゲットへ向かうプロセスも写真ネタとして期待していただけに、全く淡泊でありきたりな踏査レポートとなってしまった。
監査廊入口を離れ、そこから山の斜面に沿って伸びる階段へ向かい、ダム右岸堰堤を歩いた。
あの出っ張り部分が監査廊の出入口である。
真上から見下ろしたところ。
公園が草刈りされている間はこういう状況なので、訪れる時期さえ間違わなければ今富ダムの右岸側監査廊入口は誰でも安全に訪れることができる。もちろん内部を観たいというのなら、この夏の見学会まで待たなければならない。
まあ、本件の踏査にどうしてでも藪を漕ぐ困難を共にしたいなら、もう数ヶ月待って訪れるなら恐らく公園を含めて監査廊周辺も雑草に覆われ、望み通りの藪漕ぎ道場になっているかも知れない…^^;