持世寺川砂防堰堤

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記事作成日:2022/10/17
最終編集日:2022/10/17
持世寺川砂防堰堤は、厚東地区持世寺川の上流にある砂防堰堤である。
写真は正面からの撮影。


堰堤の位置図を示している。


堰堤の上部は直方体に成形された間知石が敷き詰められている。
赤のリボンがあるが、堰堤上は通行できる造りにはなっていない。対岸へ渡ることは不可能。


中央は越流部をやや低く造り、数十年に一度の規模で訪れる洪水に対応している。
最頂部との高低差が2m以上あるので、ここから不用意に降りると上がることができなくなる。


堤体の下流側にあたる側面(登山道側)に 持世寺川砂防堰堤 昭和二十七年竣工 の陰刻が読み取れる。
この文字は苔が生える時期によっては全く読み取れなくなる。(→2018年の撮影画像


山火事防止のホーロー看板のような掲示も出ていた。
未だ何処でも目にすることができるものの、状態の良いものは少なくなっている。


一旦堰堤から離れて河床に降り、そこから近づく形で接近に成功した。

下流部は水流を中央に寄せるための石積みが両側にあった。


排出口が小さいので、下流側に大きな流木はみられない。


排出口をズーム撮影。
曲がった部分は石材を加工して組み合わせているようである。


持世寺川にはいくつもの堰堤があり、下流側や別の支流に造られたものもある。霜降山全体が概ね花崗岩由来で、特に霜降山系と勝手に呼んでいる柔らかく赤みを帯びた成分が多い岩質である。このため風雨に晒されて侵食されやすくぽろぽろと崩れやすい。この特徴的な土質は、地理院地図で霜降山周辺を眺めると雨裂をあらわす記号が多いことからも分かる。持世寺川は県管理の河川ではないが、その流域は県が土砂流出防止対策を行っている。
《 個人的関わり 》
初めて訪れたのは2016年11月に持世寺川を遡って霜降山へ登ったときだった。
登山道を歩いていたとき、枝道のようなコンクリート路が見えることですぐに気付いた。


このとき藪の中へ降りて堤体に苔まみれながら持世寺川砂防堰堤と読み取れる陰刻を見つけている。更に隧道のミニチュアのような排水口を見つけていたが、足音が極めて悪く繁茂する樹木の枝に遮られて撮影できなかった。

次に訪れたのは2018年の春で、このときは持世寺川の水量が多く河床へ降りることができなかった。
それでも枝をかいくぐってズームで排出口の画像を得ている。


今回、正面からの撮影ができたので総括記事を作成した。
堰堤の上流側からの接近はまだ試していない。
出典および編集追記:

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