県のサイトに湯の原ダムの概要が掲載されている。
「山口県|企業局総務課|企業局関連ダム」
(http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a40100/gaiyou/20090421001.html#yunohara)
ダムの竣工時期や諸元などの一般的事項は上記項目を参照して頂くとして、ここでは各論的内容を述べる。(http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a40100/gaiyou/20090421001.html#yunohara)
《 アクセス 》
下に湯の原ダムの左岸モニュメントの設置された場所をポイントした地図を掲載する。
木屋川に沿って県道34号が伸びている。湯の原ダムは県道に西部利水事務所として案内板が出ており、まず見逃す心配はない。県道から100m程度入ったところにダム管理事務所がある。
ダム堰堤上は一般道になっているので常時車で往来できる。歩道は分離されているため歩きながら眺めることも可能。
《 特徴 》
・右岸にある事務所は、湯の原ダム管理所であると共に西部利水事務所として、山口県西部の企業局工業用水および水力発電の管理を司っている。管理下のダムのデータはすべて西部利水事務所に集約管理され、必要に応じて遠隔操作される。
・湯の原ダムは企業局管理のダムであり、工業用水の確保を主な目的として造られた。従来は木屋川ダムが発電を担当し、湯の原付近で工業用水および水道用の原水を取水していた。右岸側の現在ある木屋川工業用水取水口の上流側に旧取水堰の遺構がみられる。
詳細は以下の記事を参照。
派生記事: 木屋川工業用水・湯の原旧取水堰
(記事が書き上がり次第リンクで案内します)・木屋川ダムと厚東川ダムは役割や設立時期などにおいてしばしば相互比較される。この流れに於いて湯の原ダムは宇部丸山ダムに類似している。宇部丸山ダムが厚東川ダムの小野湖の延長部分として機能しそこから工業用水を取り出すように、湯の原ダムは木屋川ダムからの放流分を貯留して木屋川工業用水としている。木屋川ダムから導水路を引くと延長が膨大になるので、この役目を木屋川本体が果たしている。
・木屋川の下流に位置するため、堰堤部の幅は広いがそれほどの高さはない。余水吐からの流水路が上向きのカーブという独特な形状をしている。
・ダムによって堰き止められた木屋川の湖部分に対する名前は今のところ特に付けられていない。
ダム湖周辺は遊歩道が整備され、夏場はホタルが鑑賞できる。
・木屋川ダムと合わせて、夏期に開催される県の一般見学会対象ダムとなっている。工業用水に係る企業局ダムで見学可能なものは少ないが、湯の原ダムは西部利水事務所がダム管理事務所として機能しているためダム監査廊は元より工業用水関連の施設も見学できる。ダム見学会期間でなくとも職員常駐時に申し出ればコントロール室の見学ができる。
平成時代に入って造られた新しいダムで堰堤の高さもそれほどないので、監査廊の階段の昇降は他のダムに比べて相対的に楽で安全である。学校関連からの見学も多い。交通アクセスも良い立地にあり、初めてのダムおよび工業用水道の見学地としてお勧めできる。ダムカード配布対象ダムである。
・西部利水事務所はかつては木屋川利水事務所と呼ばれていた。職員は若いスタッフが多く、特に毎年行われるダム見学会に対しては他のダムより熱心に取り組んでいると評価されている。[1]
ダム見学会終了後に参加者限定で配布されるコモディティーの一つにエコバッグがある。殆どのダムではマスコットのビーバーをプリントしたものを配布しているが、西部利水事務所管内のダムでは、独自に制作した「湯の原コン治郎」なる河童キャラクタをあしらったエコバッグを配布している。
《 個人的関わり 》
・初めて湯の原ダムを訪れるまで私はその存在すら知らなかった。湯の原ダム付近で県道は大きく迂回しており、道路からは見えない。県道を車で走ることは何度かあり、その当時は木屋川利水事務所(Koyagawa Water Supply Office)という看板が出ていた。ただし直接の繋がりはないので立ち寄ったことは一度もなかった。
・十数年前、菊川町がまだ下関市に編入される以前に木屋川工業用水の存在を知る前にこの近辺へイチゴ狩りに訪れている。訪問先は個人のイチゴ園で、道の駅きくがわ経由で申し込んだものだった。
《 記事リンク 》
初めて湯の原ダムを訪れたときの踏査レポート。西部利水事務所へ立ち寄りダムカードを受け取っている。全2巻。平成24年度に開催された見学会の記事レポート。一部は限定公開記事になっている。
平成24年度見学会
出典および編集追記:
1. 平成23年度木屋川ダムの見学会で応対したダム管理所職員の評価による。
1. 平成23年度木屋川ダムの見学会で応対したダム管理所職員の評価による。
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