常盤公園・旧ジェットコースター軌道基礎跡【4】

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現地踏査日:2013/1/6
記事公開日:2013/6/29
形の上では「常盤公園・旧ジェットコースター軌道基礎跡【3】」の続きとなる。ただし踏査時期は全く異なっているので、敢えて前編からのリンクは案内していない。

以前公開した3編ではかなり以前のこと、常盤池の灌漑用水路をたどっている最中に偶然見つかったジェットコースター基礎跡を記事化したものだった。
コースターの基地は園内にあるので、すべてを調査するなら遊園側も行わなければならない。しかし当時はそこまで徹底する本気度がなかったことと、折しも二代目のコースター撤去作業が進行中で現地に近づけなかったことから後回しになっていた。

今年のはじめに市道常盤公園江頭線の道路レポート向け写真を撮っているときに遊園側のコースター基礎のことを思い出し、合わせて調査してきた。なお、二代目ジェットコースターも現在では遺構と化してしまったので、同様に後続記事での公開を予定している。

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市道から遊園側で最初に見つかった基礎跡はこの場所にあった。


遊園側にも橋台の痕が必ずある筈ということは分かっていたので、それらしき場所が近づいたとき自転車を降りて押し歩きしつつ調べた。

フェンスがあって中には入れないが、すぐそれと分かるものが見つかった。


フェンスの一部に切れ目が生じていたのでそこからカメラを押し込んだ。


このサイズと古さなら間違いない。
30cm角くらいのH鋼にコンクリートが詰められ、その倍以上の大きさがあるコンクリート基礎の上に乗っていた。


この橋脚部は夫婦池側に見つかっているものと構造が共通している。即ち最初に大きめの長方形の土台コンクリートを築き、その上に橋台基礎を造っている。


しかしこちらの方が橋台部分が大きい。恐らく市道上を横断する橋を支える部分だったと思われる。前記事でも述べた通り、初代コースターの経路は市道上を2度横切っていたことが知られている。


単一の橋脚で市道上に架けられたガード橋を支えられるとも思えないので、すぐ近くにこの相棒となる基礎がある筈だ。しかしフェンス越しに観察可能な範囲では見つけられなかった。
歩道付近にせり出していたので歩道舗装の際に撤去されたのかも知れない

更にフェンス越しに観察しながら歩道を進む。
このあたり乱雑に積まれた石材が如何にも古く怪しい感じがする。


それと言うのも積まれている中には建築ブロックやコンクリートの破砕屑が目立っていたからだ。
一部には基礎コンクリートを破砕した欠片も含まれていると思われる。


地面に対して水平に現れているコンクリート部分の一つに気付き観察する。
やはりそうだった。


ズーム撮影する。
コンクリート基礎の上に僅かながら錆び付いた鉄骨が露出していた。


見えているのは明らかに鉄骨の一部である。
この橋脚部も根元近くで切断され土を被っていた。


歩道から見える限りはこれだけで、この先は恐らく存在しないと思う。
撤去されていない二代目の軌道敷支持用の鉄骨が残っており、この辺りから初代のコースとオーバーラップするからだ。


即ち初代コースターでは市道上を2度跨ぎ夫婦池の水面まで向かうコースだったのを、二代目では市道を跨ぐ部分がカットされすべてのコースが完全に遊園敷地内へ収まるよう変更されている。この変更の理由はよく分からない。コースターに乗った客が市道や夫婦池へ転落する事故などの話は聞いていないので、単純に設備が老朽化して更新するとき資金面や安全面の制約からコースを切り詰めたように想像される。
設備更新の時期も調べてみないとちょっと分からない

私が実際に乗ったコースターは初代のものと、これとは別に設置されていたミニコースターだけだった。
ミニコースターとは言いながらも意外に怖かった…このミニコースターも既に存在しない

二代目コースターには乗ったことがないので正確な経路はよく分からない。こちらも動物園ゾーン計画で一昨年末までに運行停止され、年明けからは軌道敷や基礎の撤去作業が進められている。
いずれ遺構と化すのは確実なので、一通りの写真が整い次第、記録用の記事を遺しておこうと思う。その折りにもしこのフェンスの内側が到達可能な場所なら、もしかすると初代コースターの基礎跡も発見されるかも知れない。
恐らくこの場所には一般客は入れないと思うが…

(「常盤公園・二代目ジェットコースター軌道基礎跡【1】」へ続く)

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