岐波駅

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現地撮影日:2016/8/31
記事公開日:2016/9/7
岐波(きわ)駅はJR宇部線の駅の一つで、東岐波区にある。
写真は正面から撮影した駅舎。


地図を示す。


一般的事項は脚注[1]を参照されたい。ここでは一般事項を除いた個別情報および個人的関わりを記述する。

駅前の道。
市道花園岐波浦線は駅真正面でクランクになっている。


クランクとは言っても現在は車が通過しやすいように幅を確保し、ロードペイントもS字状に成形している。しかしこの道自体は車で何十年も前に何度か通ったことがあり、当時はもっと道幅が狭くて真にクランクとなっていたように思う。駅前周辺の民家や店舗が退くなりしてスペースを確保したらしい。この道路と踏切の整備は割と最近のことのようである。[2]

市道記事を書いていないので代わりにここで書くが、駅前のこの道路線形はかなり特異である。他の宇部線の駅では駅舎のすぐ横と表玄関を通る道で囲まれていたり(琴芝駅や宇部岬駅)駅正面にドン着けする道のみ(宇部新川駅や東新川駅)が殆どだからだ。
最初期は駅前に向かう道があり、横の踏切から海側は後から造ったのだろうかと思われて過去の航空映像を参照したところ、少なくとも昭和30年代後半には今のクランク状の道が出来上がっていたようだ。

後述するように岐波駅は個人的に乗り降りしたことが一度もない駅である。
駅舎へ入るのもこのたびが初めてだった。


今や駅員が常駐する駅の方が遙かに少なくなったが故に、岐波駅も例外ではない。それどころか切符の販売委託をする店もなく自動販売機に置き換わっていた。
あまり行儀は良くないが、勝手に中へ入って周辺を撮影することに。

興味深いのは、駅舎を出て線路が同一平面上に存在することである。
普通のように思えて現在ではこのタイプはかなり少ない。市内では妻崎駅が典型例である。


周知の通り電車は下部に車輪や駆動部を備えていてその上に乗客が座る部分がある。乗客はレールよりも1m程度高い場所に乗っているので、駅舎がレール設置面と同じ高さだとそのままでは乗降できない。そこであらかじめ駅舎を周辺の地面より高くして階段で入舎するように造るか、線路敷を切り下げることで電車の床が乗降所と同一平面になるように造る。そのようになっていない場合は、乗降用にホームを高く造って階段で昇降することになる。
線路が幾条もあったり乗降客数が多い駅ではこの目的で陸橋が設置されるものだが、小規模な駅ではこのように構内踏切で代用される。JRとしては列車と乗降客の動線を平面交差させたくないようで、陸橋が追加設置された駅は例外なく構内踏切を廃止してフェンスで塞ぐなどしている。

ホームから東側を撮影。
隣接して岐波東踏切がある。確かに踏切の横断部分やペイントがかなり新しい。


駅からはすぐ日ノ山が見える。
駅名標と一緒に移し込むアングルを探すのに苦労した。
ホームの幅があるのであまり後ろには下がれない


丸尾駅方面を撮影。


使用済みの切符を入れる箱はステンレスのものに置き換えられていた。
昔ながらの鉄柱だけはそのままだった。


待合室はごく簡素で駅舎の隅を利用したL字型のベンチが設置されていた。


一見そのようには見えないがこのベンチは故障しているとのことだ。まあ故障と言うよりはちょっと壊れていて修理待ちというところなのだろうが…
そのような張り紙がしてあった

後述するように訪れたことが少ない場所なので、駅を含めて周辺のことは私には分からない。この題材をFB側へ投稿したところかつて駅を利用したことのある方からコメントが得られている。[2]本記事は総括記事なので、重要な事項が知られれば随時編集追記を予定している。

小郡方面 小郡駅方面へ移動 宇部駅方面へ移動 宇部方面
阿知須駅丸尾駅

出典および編集追記:

1.「Wikipedia - 岐波駅

2.「FB|2016/9/6の投稿(要ログイン)
《 個人的関わり 》
岐波駅では乗り降りしたことが一度もない。大学時代も含めて通過駅だった。

注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

《 地名としての岐波 》
岐波(きわ)とは宇部市の東部地域の名称で、東岐波区と西岐波区として知られる現行地名である。写真は宇部線の岐波駅
写真は岐波駅の駅舎と岐波第1踏切。


東岐波・西岐波の地名および校区が存在するように、かつては岐波という一つの地域名であった。
古くから広大な干潟に代表される場所で、海水浴や潮干狩りの名所である。現在では岐波と言えば駅名の存在とも相俟って東岐波地区を示すことが殆どである。海水浴場としては平成期に命名されたきわ・ラ・ビーチの知名度が高い。
派生する地名として上記の校区名とは別に岐波浦が存在する。文字通り海に面する側に存在する地名で、市道の路線名が知られる。

「岐波」という漢字表記は、山間部と海の波という音と漢字の語義の似たものを当てたと考えられる。即ち由来はほぼ間違いなく「波打ち際」そのものである。これは厚南区にある際波とも由来を共にしている。実際、岐波も際波もかつての海岸線に近い点で共通している。宇部という名称そのものも海辺を臨む地という説があり、瀬戸内海に面した地に古くから人々の営みがあったなら、海辺にあることを地名に織り込むのは当然のこととも言えよう。

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