国道2号・逢坂の500キロポスト

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記事作成日:2018/8/5
最終編集日:2018/8/23
ここでは、国道2号の船木地区にある500kmの距離標について逢坂の500キロポストとして記述する。
写真は下り車線から写した距離標。


位置図を示す。


市内における道路の距離標については以下を参照。
総括記事: 道路の距離標について
この場所は船木茶屋方面から車で走ってきたとき、浅く山の迫っている場所を過ぎて視界が開け大きく左へカーブする地点である。民家はカーブの外側へ疎らに存在し、カーブの内側は耕作田ないしは休耕田となっている。

国道2号は671.4kmにも及ぶ長大路線[1]であり、100km単位のいわゆるキリ番となる距離標は起点を除けば6ヶ所しか存在しないこととなる。そのうちの一つが県内というだけでなく市内の比較的アクセスも容易な場所にあることは特筆されて良い。この事実はかなり早くから道路関係者および道路設置物に造詣の深い好事家たちに知られていたが、現状は写真でも分かるように特段のモニュメントなどは設置されていない。

国道2号の市内通過区間では標準的で驚くほどのことではないが、この辺りは対面交通規格で自歩道は片側のみに設置されている。
距離標のあるカーブの内側は歩道どころか路側幅さえ充分ではない。距離標は新旧2つがガードレールの外側に据えられている。


初期に据えられた方の距離標は黄色い三角柱の2方向にアラビア数字で縦書きされている。
地面にそのまま設置するとガードレールに隠れるので、コンクリートを充填した塩ビ管に差し込む形で設置されている。


後から据えられた距離標はこれよりも倍以上高く、チョコレート色をした三角柱である。
ツタ性植物が顔を覗けていることから分かるように、三角柱は板を貼り合わせた構造で内部は中空である。


冒頭にあるように、中ほどから下には所在地がローマ字併記されている。
楠町の宇部市編入以前から設置されていたことが分かる

500キロポストの位置はカーブエンド付近であり、そこから西側は逢坂三差路に向かって緩やかに登る直線路である。
その途中に逢坂バス停が存在する。


逢坂バス停から距離標方向を撮影。
一面に雑草が生えていて土地利用されていないことが分かる。


国道2号の市内通過区間沿線には、コンビニ以外にレストランや道の駅のような休憩スポットが殆どないことは夙に知られている。500キロポストのある周辺の土地がもし利用可能なら、キリ番距離標を元にしたランドマークを設置して人の流れを呼び込むことは容易に考えつくことである。[2]

しかし現状は市内どころか国道2号沿線には比較的最近まで道の駅が皆無だった。これには国道2号は大型貨物トラックの往来がきわめて多く、沿線に集客性のある施設を新規に造ろうにもそれらが収容可能な駐車スペースを要することがネックになっていると思われる。特にこの場所の場合、既に100m程度先に大型トラックが駐輪可能な駐車場を備えたコンビニがあるので休憩スポットを造る必要性に薄い。

もし新規に造るなら貨物輸送トラックなどの単純な休憩地ではなく、500キロというキリ番を前面に押し出してドライブや観光目的で足を運ぶことを念頭に置いた設備にした方が良い。敢えて道の駅にするなら、逢坂(あいさか)というゆかしき地名も盛り込んで「出逢える地500キロポストあいさか」などというのはどうだろうか。

なお、次の500.1km地点に相当する距離標補助はこのようになっている。
従来タイプの砲丸型補助標識もある。


写真は撮っていないが499.9kmの補助標識も同様であった。

これは極端な話だが、例えばこの2つの補助標識に「キリ番前後補助標識」なんて文字を何処かにコッソリと表示する。それを来訪者がたまたま見つけて悦に入る…そして本体の500キロポストのランドマークと同様、その情報がSNSで伝播され知る人ぞ知る立ち寄りスポットとなった…という展開である。有り体に言って今後の観光はこういった「遊びゴコロ」も重要であり、特に郷土の足元にあるリソースを最大限に活用することも必要と思うのである。
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - 国道2号|路線データによる。
ただし終点の北九州市門司区には537kmを表示するキロポストが設置されており、公表されている延長はバイパスや道路改良により切り詰められる以前の数値の可能性がある。

2.「FBページ|2018/8/5の投稿
《 Googleストリートビュー 》
幹線道路なので当然採取されている。映像は下り車線側から見た500キロポスト。

上記の通り、現在の国道2号の延長は537kmであるため、逢坂の500キロポストはキリ番最後のものとなる。市外県外まで目を向ければ他に100km, 200km, 300km, 400km のキリ番距離標が存在する筈である。それらが正確にどの位置にあるのか、それぞれの距離標がある周辺地域ではキリ番であることが認識されているのか、更には特別な仕様の距離標が設置されているかといった興味が生じる。
そもそも長大国道のキリ番距離標を記事化するといったこと自体かなり稀有なことかも

Googleストリートビューを用いるなら現地へ行かずとも検証可能である。ついでながら市外県外にある国道2号の他のキリ番ポストも調べてみた。本題から外れた市外のことであるし、マップを沢山表示させるとページを開くのが遅くなるのでボタンを押すことで展開表示する形式にした。
国道2号の総括記事を作成した折りには以下の項目を移動する予定

ざっと調べて判明したのは、一見みすぼらしく見える逢坂の500キロポストが既知のキリ番キロポストの中で一番分かりやすい構成であり、しかもアクセスが容易な場所に存在するという事実であった。新規に造られたバイパスや自動車専用道路に設置されているものが目立ち、満足な距離標すら与えられていない場所もある。仮にキリ番を題材にした道の駅を国道2号に造るとするなら、沿線に余剰地が確保できる玖珂か逢坂以外あり得ないだろう。

このことから、山口県内だけで2ヶ所ものキリ番距離標が存在し、しかもどちらも徒歩で到達可能な場所である。逆に言えば、それだけ道路整備が遅れている証とも言えるだろう。
【 国道190号に関して 】
路線長が10分の1以下となる国道190号に関してキリ番ランクも10分の1に引き下げた場合、10キロの倍数となる距離標はいずれも国道2号の距離標と同じ仕様のものが設置されていることは確認済みである。
ただし「キリ番」でなくても新タイプの距離標となっている場所もある
《 個人的関わり 》
逢坂バス停付近に500kmというキリ番の距離標が存在することを知った正確な時期は分からない。学童期、厚狭へ往来するとき親父の運転する車で頻繁に通った場所だが、当時は窓の外の景色こそ注視していたものの距離標の存在自体に特段の注意を払っていなかった。親父も特に私に語ったことはなかったが、現職時代は維持関連の業務もあり当然知っていたものと思われる。

現職時代(特に「山陽維持」と呼ばれる国道2号の維持管理班)には国道490号瓜生野交差点付近に491キロポストがあり、埴生地区の「みちしお」前に512キロポストがあることは知っていた。したがってその時までに500キロポストがこの区間の何処かにあることに気付いていたと思う。ただし当時は船木地区は厚狭郡楠町だったので市内にあるという意識がなかった。

初めてこの距離標を撮影したのは2009年のことで、以下の画像が最初であった。


このときの距離標の状態は悲惨で、上部がねじ曲げられ半壊状態になっていた。車が接触したのかも知れないが、部分的に大きく曲がっていて故意に破壊された可能性もある。このことで新しい距離標は質感はプラスチックに見えるものの3枚の鋼板を合わせて造られていることが分かった。現在の距離標も上部を番線で結ばれているので、曲がりを直した上でそのまま使用している。

その後初めて逢坂地区にある石畳道の撮影に訪れたとき再度撮影している。


この写真でも一部が耕作田であることが分かる。現在ではカーブの始まる辺りに僅か残るのみとなっている。

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