市道沖の旦串線

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現地踏査日:2010/9/19
記事公開日:2011/12/27
市道の名前は一般には調べなければ分からないものなので、どの路線もそんな知名度があるとは思えません。
しかしこの名前は、以前から道路レポートをご覧になっていれば思い出された方もあるでしょう。

ひたすら、直進する市道
です。

これが代表的な風景です。


単に直線というだけでなく、起伏ほとんどゼロ。しかも両側にゴチャゴチャとした建物がなく見渡す限り田んぼ。
このシンプルさが好きなのです。

この路線は、県道琴芝際波線をレポートしたときも少し取り上げていました。あの当時はまだ市道の名前や経路を調べて自転車隊を向かわせる…なんてことをしてなかった時期でした。

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市道の起点です。幅員がやや狭く、県道に対して直角に取り付いているので、初めて車で通ろうとしたとき入口が分かりづらく戸惑うかも知れません。
地図で確認してみましょう。
市道はこの地図の中心点から北上しています。


県道はその先でY字分岐の左側を向かいます。
右側の分岐は市道沖の旦西宇部線

まだ気温高めとは言え、周囲の風景や空、風は既に秋の気配です。
自転車隊もこれから目的地へ向かうので、体力ゲージは満タン。まだ余裕綽々です。

さて、我が市道は1.5車線幅程度でセンターラインはありません。
物理的には大型車も通れるけど、起点付近に先の方で大型車が通れない部分があることを告げる標識が出ています。


もちろん、自転車隊にはノー問題。

県道はこの先でJA前交差点に向かいますが、朝夕は酷く渋滞します。特に宇部駅前を通過して船木方面に向かうのは一苦労です。
道路通なドライバーの間では、宇部駅の裏を回る信号のない抜け道としてこの市道をよく利用します。今日は午後の早い時間だったせいかそれほど往来は気になりませんでしたが、平日の夕方などは結構な交通量があります。とてもこんな感じでのんびり写真撮りながら走れる状況ではありません。

右からも写してみました。

ひたむきな直線です。


気持ちよく直線…


自転車を停め、ちょっと気取ったアングルで撮影。
平日の夕方とかなら絶対にできそうにないショット。
車はいなかった…もし居たらコイツ何やってんだろ?って思われるだろうw


実りの秋を実感させる稲穂のじゅうたんが広がっています。遠くに見えていた家並みも少し近づいてきました。


往路に走る分は結構気持ちが良いんですが、帰り道にはあまり嬉しくないときがあります。
夕方になれば車が多くなることの他に、向かい風になることが多いのです。ただっ広いのが災いして、強い風を遮ってくれるものがない…ぼたん雪が横殴りに吹き付ける真冬など、拷問級だろうなあ…

田の末端部へ到達し、このあたりから家並みが広がってきます。
しかし市道はもう少し先まで直線を保ちます。


この場所から振り返って撮影。


車の流れが途切れたのを見計らって写しています。

ご存じでしたか?
宇部には、こんな景色の道があるのです。


ゴチャゴチャと家が建ち並び、その合間を縫うようにうねうねと伸びる見通しが悪くて狭い道…
生活の必要上、そういう環境で日々自転車を走らせていると、こういう直線の道がとっても貴重なものに見えてくるのです。
この直線路は宇部の百景に指定してもいいと思う!!
去年の秋頃に撮影した風景です。
稲が刈り取られているため、更に広々とした眺めになっています。



この道の秀麗さに気付いたのは、最近のことではありません。
これは今から十年以上も前、仕事である場所を訪れたとき撮影した写真です。珍しく大雪が降り、周囲の田が白一色に埋め尽くされていたせいで直線が印象的でした。
わざわざ車を何処かに停めて撮影した筈だけど当時のことはよく覚えていない


起点から700m程度直進した後、我が市道はJR山陽本線へ接近したところで僅かに右へカーブします。

このカーブの先で反対側からやってくる別の市道(広瀬宇部駅線)に接続され、終点となります。


踏切の名称は梶堀第一踏切
我が市道の起点付近で警告されていた”大型車通行不可”は、この踏切を意味しています。


梶堀第一踏切は名前こそそう知られていないものの、通りづらい踏切ということではドライバーによく知られている場所です。以下の派生記事に写真を追加して詳細を書いています。
派生記事: 梶堀第一踏切
踏切から先の県道に出るまでは市道串線という別の路線になります。後続記事として案内しておきます。
派生記事: 市道串線
終点付近から振り返って我が市道を撮影。
カーブは本当にこの部分だけです。


市内には1,000路線近い認定市道があり、それぞれの顔を持っています。その中には市内最長であるとか、交通量最多とか非常に分かりやすい特徴を備えるものがあれば、碁盤目状に整備された住宅地の中を通る一市道の如く、まったく特筆すべき要素のない市道もあります。

無理やり感アリアリだけど、例えば
”総延長に対して直線部分を含む比率が一番高い最長の市道”
…という特徴を考えるなら、我が市道はランキングでトップに躍り出るかも知れません。
詳しくは調べてみなければ分からない…どうやって調べるの?

【路線データ】

名称市道沖の旦串線
路線番号220
起点県道琴芝際波線・沖の旦
終点市道広瀬宇部駅線・梶堀第一踏切前
延長約800m
通行制限梶堀第一踏切は大型車通行不可
備考見通しが良いため通行車両の速度に注意が必要

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現地踏査日:2011/9/25
記事公開日:2011/12/27
路側帯が新しく引き直された状態の写真を撮りました。

起点側。


終点寄りの側帯直線部分の端から撮影。


終点寄りから写した全景。


地べたアングルで。


まさに そのものです。


この路側帯のラインを引く作業ってさぞかし退屈だったのでは…

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