市道串線

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現地撮影日:2010/9/19
記事公開日:2014/4/5
市道串線は、市道沖ノ旦串線の終点から先の踏切を渡って県道宇部駅停車場線までを結ぶ短い市道である。
写真は市道沖ノ旦串線の終点から撮影している。


山陽本線の踏切を渡った先が本路線の起点になる。この場所を地図で示す。


山陽本線の踏切についてはその形状や名称など述べるべきところが多いので、派生記事を作成した。
派生記事: 梶堀第一踏切
踏切を渡った先から北へ向いて進む。
撮影位置から同じく踏切を渡る道は市道広瀬宇部駅線である。


踏切の項目のところでも書いている通り、この場所は交通が輻輳する要注意地点だ。
稀に踏切を通らず直進する車も居るので注意喚起する立て札が出ていた。


道幅は1.2車線相当で、普通車同士は減速すれば離合可能である。


少し道幅が拡がったところで前方に県道の陸橋が見えてくる。既にその場所が終点だ。


県道の陸橋は本路線側からも登れるようにスロープがついている。
一部画像を加工しています


また、右側のガードレールが切れたところに細い里道があり、田草場第一踏切という第4種踏切が存在する。この踏切を渡った先に御撫育用水路の昭和隧道坑口へ接近する道がある。
既に写真は撮影済み…折りを見て記事化される予定

本路線は県道に対して直角に取り付くよう左へカーブして終点となる。
この十字路までが本路線で、県道を横切り先の坂を登っていく道は市道山の手町線という別の路線になる。


車で一般に通行される路線としては以上である。しかし…今なお市道として管理下に置かれている古い区間が遺っていた。
その分岐路が右側に見えている通路だ。


この枝部分も本路線の一部として記載されているので引き続き案内しよう。
《 枝線区間 》
現在は車では通れないが、旧道区間と思われる部分が山陽本線沿いにある。


この細い路地は民家と山陽本線の間を通っている。
改良以前のものと思われる黄色いガードレールが遺っている。


沿線には石積みがみられるが、路面はアスファルト舗装されている。自転車などの通行用に後から舗装し直したのだろうか。


取り付け部分を県道側から振り返って撮影。
梶堀第一踏切方面へ自転車で行くならここを通れば近道だ。


終点の串交差点には陸橋があり、側面に宇部市厚南と表記されている。
かつては串という地名まで表記されていた。
長方形状に塗りつぶした跡が見えている


市道の経路図を示す。
本当に短い。さすがに旧道区間は記載されていなかった。[a1]


個人的な関わりとしては、棚井方面へ車で行く用事が殆どないため、本路線を車で通ることは数少ない。県道宇部駅停車場線沿いに好みのラーメン店があるため、たまに食べに行って帰りに小羽山方面へ寄るとき通る程度である。
自転車での通行も本路線の終点到達後はどの方向に進もうとも坂道になるため、ここを通らず他の経路を選択することが多い。
【路線データ】

名称市道串線
路線番号720
起点市道広瀬宇部駅線・梶堀第一踏切
終点県道宇部停車場線・串交差点および旧道取り付け部
延長約150m
通行制限梶堀第一踏切は大型車通行不可
備考終点付近の旧道部分も含まれる
記述内容が少ないので派生的内容も続けて書いておく。
《 梶堀第一踏切 》
現地撮影日:2014/1/11
本路線の起点および市道沖ノ旦串線の終点にあたる山陽本線の踏切名が梶堀第一踏切である。
写真は鳴動中の踏切の様子。


踏切の前後は大型車通行不可となっているため、前後の市道も含めて大型車が通ることはない。この標識は関連する市道の起点側で既に設置されている。

踏切名と位置を記したプレート。
読み方の振り仮名は記載されていない。


市道広瀬宇部駅線の線形に従って撮影している。
この市道は現在地から踏切を渡って左方向に進む。


本路線から振り返って撮影。
踏切を挟んだ前後がH型の道路接続状況になっているため、踏切の前後で大きなハンドル操作を強いられる。


この道路形状と狭い道幅。そして交通量の多さから梶堀第一踏切は夕刻時きわめて通り抜けづらい要注意地点としてドライバーに広く認識されている。

市道沖ノ旦串線は、船木から中山方面に向かうとき混み合う宇部駅前交差点をショートカットする目的で好んでドライバーに通行される裏道である。このため夕刻時は特に踏切前後が混み合う。
路線としては市道広瀬宇部駅線が一本の道として踏切を横断し、踏切を挟んで市道沖ノ旦串線と市道串線が異なる路線名として伸びている。往来としては本路線の県道側からと沖ノ旦方面から来る交通量が特に多い。

梶堀踏切は幅が狭く、一度に一台しか通行できない。しかも踏切の前後が捻れているので、一旦停止も含めて車が抜けきるまで時間がかかる。夕刻時にはしばしば4方向から押し寄せた車が睨み合い状態になる。

通過の作法にはドライバーにおける暗黙のルールが存在し、どの方向からでも先頭車列の一台が最初に差し掛かったタイミングの流れが優先され、後続車輌がすべて渡り終えるまで他の方向からの車は待機する。渡り終えた次に待機している車列の何処が踏切に進入するかはそれまで各車列が待機していた時間もさることながら、先頭車両の肝力が大いに影響する。気弱なドライバーが先頭車両となってしまった車列は、他の方向からの車に先を越されていつまで経っても通過できない事態が起こり得る。先頭車両が踏切に入りさえすれば後続車は前に従うだけなのである意味楽だ。このため踏切の先頭車両になってしまったときのプレッシャーは相当なものがある。まごまごしていれば他の方向からの車列に先を越されるし、そうなれば後続車にも迷惑である。それ故に現状をみてアドバイスするが、気弱なドライバーは夕刻時にこの踏切を通らない方が良い。

有り体に言って、この場所は踏切通過のための整理信号が必要だ。しかし信号機設置はもちろんのこと踏切の拡幅や線形改良は、列車衝突による重大事故でも起きない限り今後ともまず有り得ないだろう。
鉄道は各交通において最上位の優先権が与えられており、国道ならまだしもたかが地方自治体による市道レベルの要請で踏切の形状を変更するのは極めて困難だ。都市計画レベルでなければ殆ど不可能と断言しても良い。実際、踏切の部分だけ異様に狭く歩道も付属しない踏切[b1]や踏切が整備される見込みがないために道路造りから放棄されてしまった箇所[b2]も存在する。

現代の車社会における問題点や喧噪から離れてしばし昔を思えば、この踏切名である梶堀(かじぼり)は当然ながら小字名である。この近辺は住居表示変更の手が及んでいないので、後述するを含めて多くの小字名が現役と思われる。梶堀という小字名は市内にいくつか知られ、そのいずれもが干拓地や川岸など水が関わる地である。際波開作以前は厚東川がかなり東側に蛇行しており、この辺りも川の影響を受ける場所だった。舟の繋留所などがあったのではと想像される。
なお、踏切の名称に関しては梶堀第一踏切のみが存在し第二踏切はない。
《 串について 》
串(くし)という小字は市内でいくつか存在する。そのうち最も知名度が高いと思われるのが、大字際波の広瀬寄りのこの場所の串である。
写真は串交差点の信号機に取り付けられた地名表示板


この交差点には陸橋があり、かつてその側面に宇部市厚南区串と記載されていた。[c1]
この県道沿いには串バス停が存在する。


一般に「くし」および「こし」と発音する地名は”越す”に通じ、一越えすべき丘や山地がある地勢に由来する。また、岸辺の「きし」からの変化という説もある。確かに小串も串も海に面した山沿いにある地名だ。市外部では徳山の岩徳線分岐にある櫛ヶ浜、東萩駅の次に隣接する駅の越ヶ浜も同様の由来と言えるだろう。
《 漢字一文字の認定市道について 》
情報この記事はカテゴリ整理の過程で暫定的にこの場所へ移動されています。将来的に単一記事に分割されるなどで再度アドレスが変わる可能性があります。

漢字一文字の名称となる認定市道は本路線の他に以下のものが知られている。既に記事化されているものはリンク付きで案内している。
市道沼線
市道岬線
市道開線
市道浜線
市道原線
市道島線
市道市線
認定市道のみならず市内の漢字一文字地名にまで拡大しても他には殆ど見当たらないだろう。
出典および編集追記:

a1. 本文ではこのように書いているものの埋め込まれている地理院地図には枝線も記載されている。これは後年に地理院地図の表示が精密化されたためで、本記事を作成した時点ではこの枝線は表示されていなかった。

b1. 市道真締川東通り線の真締川東踏切。整備された自歩道が踏切の前で途切れている。

b2. 市道厚東川東通り線の未成区間。小野田線を横切る部分は踏切すら存在しない。

c1. 山陽本線で小野田まで仕事に行っていたとき電車の中から陸橋の側面に記載されていた地名を見たのが初めてである。小串は知っていたが串という地名が市内にあることを初めて知った。現在は串の部分が塗りつぶされ「宇部市厚南」となっている。
同様に構造物の地名表記から小字部分を抹消した例が他にもみられる

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