市道霜降山登山線

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記事作成日:2021/12/18
最終編集日:2021/12/19
市道霜降山登山線は、県道西岐波吉見線の善和交差点〜持世寺間の山越えルートから霜降岳の南にある男山駐車場に至るまでの市道である。
写真は経路途中にある印象的なカーブ。


現在の経路を地理院地図に重ね描きした画像を示す。は起点、矢印は終点を表している。
経路のGeoJSONデータは こちら


男山(標高232m)を含む霜降山へ四輪で登るための道で、市道霜降山登山道と書いている看板もある。センターラインは一部区間にしかないが、道幅は充分に広く普通車も離合可能である。登山道であるだけに沢地を渡る部分以外は殆どがきつい登りである。

車両別の通行制限はないが、午後5時〜午前8時までは(外部からの不法投棄ゴミ持ち込み対策として)閉鎖されることとなっている。男山駐車場以外の目的地がないピストン市道であるため、冬期の滑り止め対策は恐らくされていない。本路線の経路全体を含めて霜降山鳥獣保護区(特別保護地区)に指定されている。
《 経路の概要 》
県道西岐波吉見線が持世寺に向かう登山ルートに入り吉ヶ原川の沢地を渡った先に起点がある。
写真は持世寺側からの撮影。


起点のすぐ先に午後5時以降は閉門し出られなくなる旨の案内板が設置されている。
この位置に開閉可能なゲートがある。


四輪で入れる道が整備されてから後では暴走族の溜まり場になったり不法投棄のゴミ捨て場が問題視されたこともあり、景観目的でない夜間の入場を制限するための措置と思われる。ただしこの場所から最寄りの民家でも1km以上離れており、現在でも毎日夕方に閉門し朝早く開門されているかは不明である。

ただし登山目的以外の来訪者が皆無なわけでもなく、道中に霜降山の銘水販売所がある。
現在は週末のみの営業となっている模様。


この他に近年の設置物としては携帯会社の電波塔がある。かつて沿線に市営の栗園が存在していたが、平成中期まで維持管理されていたものの現在は完全に放棄されている。

昭和中期以降山へ入って薪を採取する行為がなくなったこともあり、現在は樹木が著しく伸びていて道中に眺めの効く場所は皆無である。終点の男山駐車場まで行く車は意外に多いので、帰り道でのブラインドカーブにおける対向車には注意を要する。
《 歴史 》
まだ充分な資料にあたっておらず、以下は善和地区在住者と個人的な記憶を元に記述している。
【 建設の背景 】
善和持世寺間の県道の登山ルートと合わせて、モータリゼーション隆盛期の昭和40年代に入って霜降山へ車で行くために建設された登山道である。それ以前は本路線は元より善和持世寺間を直接車で往来できる道自体がなかった。

これは昭和30年代の地理院地図航空映像に先述の市道経路を薄色で重ね描きしたものである。
まだ四輪の通れる登山道としてはまったく見当たらない。


山中には至る所に薪採取などで歩いていた山道がみられ、部分的に現在の登山道に重なっている。
重ならない部分の山道がどれほど遺っているかは調べられていない

昭和40年代の地理院地図に同様の経路を重ね描きしたもの。
現在の県道西岐波吉見線の山越えルートと共に、未舗装路として完成しているのが分かる。


最初に現在の善和交差点付近から現在の男山駐車場まで車で行ける道が建設された。この道は山の高い部分を削り沢地へ押し出すことによって四輪が通行できる形にしたもので、法面保護や側溝といった付帯設備が殆ど整備されない殆ど林道同然だった。

道中の路肩には現在でも至るところにこのような長方形のコンクリート柱がみられる。
これは現在の善和交差点をゼロとしたときの距離標である。


このコンクリート柱には1700の数字が微かに読み取れる。これは善和交差点の登山口から1,700mの位置にあることを示している。当初は全体がペンキで白く塗られ数字は赤で描かれていた。経年変化で色が褪せて現在も数字が明瞭に読み取れるものは殆ど遺っていない。
上記の写真も2011年の撮影
【 持世寺までの延伸 】
この項目は、将来的に県道西岐波吉見線の総括記事を作成した折には移動する。

時期は不明だが、現在の本路線の起点より北側に持世寺温泉まで抜ける四輪の往来可能な道が追加整備されている。したがって本路線の起点は当初は大きな左カーブだった筈である。

持世寺までの区間がいつ整備されたかはまだ調べていない。当該区間は最初期に善和持世寺間を往来していた道とは重なっておらず、県道が横切る場所以外は遺っていると思われる。
【 当初から起きていた問題点 】
よく知られているように霜降山は花崗岩由来の地勢で、風化すると細かく砕けてぽろぽろとした感じの土砂となる。これを活かして霜降山周辺に良い真砂土の土採り場ができているが、半面侵食されやすい性質を持っている。北側にある持世寺川は県が土砂流出防止対策を行っている。

初期の道路建設後は法面保護や側溝の整備が行われず山を削ったままの道だった。このため大雨のたびに夥しい雨裂を生じていた。車で手軽に訪れることができる利便性が評価された裏で、自然破壊と沿線の風紀の悪化、不法投棄問題も起きていた。後年の舗装と側溝整備で土砂流出はかなり抑えられ、周辺の樹木も伸び始めているが、不法投棄は収まるどころか粗大ゴミをはじめとする大型化が目立っている。
《 Googleストリートビュー 》
この総括記事を作成した2021年現在ではまだデータ採取されていない。
出典および編集追記:

1.
《 個人的関わり 》
注意以下には長文に及ぶ個人的関わりが記述されています。レイアウト保持のため既定で非表示にしています。お読みいただくには「閲覧する」ボタンを押してください。

男山駐車場まで訪れたことは数回あるものの、坂が急で車を停めるのが大変なせいか、経路途中での撮影はこの総括記事を作成した時期以外には2017年に一度のみである。

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