黒岩開古道・横話

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ここでは黒岩開古道(仮称)の派生的話題をまとめて収録している。
現在のところ単一の以下の記事のみを収録する。この記事は後述のような理由により状況によっては除去される可能性がある。
《 里道の通行障壁について 》
記事公開日:2015/12/30
情報この記事は検証不十分な情報を元に記述されており、内容の信頼性に疑義が差し挟まれます。誤謬が明らかとなった場合は本記事は撤収されます。

黒杭村在住民による私設の道標を発見後、そのまま開側へ向かって古道を歩いた。そして一昨年に開側から進攻したとき間違いなく到達したと思われる場所まで出てきた。

周囲の景色からも到達済みの場所であることはすぐ理解できた。
しかし状況がおかしい。ここからはむしろ安泰な農道となるべきなのに一昨年来たときにはなかったものが道の真ん中に置かれている。


ドラム缶である。明らかに既存の道を塞ぐ形で置かれていた。周囲から寄せ集めた草木や竹なども積まれている。
そして恐らくここまで歩いてきた通行人に向けてのメッセージと思われるタグがぶら下げられていた。


通行止
遠慮して下さい。
ハァ?何これ?


ドラム缶の反対側、即ち開側から進攻してきた来訪者にも見えるように同じものがぶら下げられていた。それは板にマジックで書かれ、雨に降られても文字が消えないようビニル袋で包んでぶら下げられる念の入れようだ。



敢えて言おう。
何だよその「遠慮して下さい」って言い草は?
ふざけてんのか?
もしこの道が私有地内にある私道ならここに書いたことは全面的に撤回する。申し訳ないと素直に謝ろう。むしろここまで歩いてきた私は私有地への不法侵入を問われても致し方ない。
しかしその場合でも状況を知らずに歩いて来ただけの行為が非難されるべきものではないのは当然

しかし…この道は昔から通行されてきた里道の筈である。里道は法定外公共物であり、地域在住者か否かを問わず誰でも通行可能である。むしろこのようなものを設置し「通ってはいけない」を訴えたり通行しようとする善意の来訪者に心理的圧迫を加えるのは無効どころか通行権の侵害である。何だよこれ、邪魔だ!とばかり蹴り倒されて勝手に通行されても文句は言えない。

「立入禁止」とか「通行禁止」という強硬な文言ではなく「遠慮して下さい」の如き低姿勢な書き方をしているのはかなり明白である。管理者でもない人間が里道に通行制限をかけることができないのを知っているからだ。この里道の沿線住民で不法投棄に悩まされているので、ゴミを積んでいるかも知れない軽トラのような四輪に入って欲しくないという心境は理解できる。だからと言って自転車や山歩きを嗜む歩行者を通行を阻止する主張はできない。
不法投棄は困るという理由での通行制限を容認するなら、間違いなく通行頻度の低い認定市道にもその論理が及ぶだろう。原付や四輪が入ると道が荒れて里道の管理に支障を来すという理由なら制限はあり得るかも知れないが、その可能性に薄い徒歩での通行すら阻止される謂われはない。

さて、現地では無理やり先へは進攻せずにカメラで偵察した。
荒れてはいるが踏み跡の未だ遺る安泰な道が続いているのが確認できた。


これは一昨年の1月に開側から進攻したときの引き返し地点である。
上の写真とほぼ同じ撮影位置だ。


これが今回の踏査で撮影したショットだ。ドラム缶の手前から撮っている。
偶然にも殆ど同じ場所であることが分かる。


このことから黒岩側から進攻して既に一昨日訪れた場所までは到達できたことが証明された。また、ドラム缶などの障壁が2014年のはじめから2015年の12月までにかけて設置されたことが分かった。

この障壁に関しては私以外に少なくともお一方が確認し、同種の不快感を共有している。私自身が直接行動を起こした訳ではないが、この道に関しては里道(いわゆる赤線)であることの確認が取れている。一般論として市道路河川管理課の見解としてはもし里道でこのような事例があった場合、設置者が判明すれば障壁を除去するよう指導を行うという。ただしその場合でも設置者が誰か特定されないことには指導もしようがなく、順序としてはまず当該里道の属する自治会長に報告した方が良いとのことだった。[1]

情報以下の記述には個人的見解が含まれます。

しかし本来このような事象があったならば、設置者の特定を待たずに市が「この道は里道です。このような障害物を置いて通行を妨げることは認められません。法定外公共物の不法占拠になりますので至急撤去をお願いします。詳しくは市道路河川管理課にお尋ねください」などと書いたタグを貼る位のことをすべきなのである。
私はこの地区の在住者ではないし、地区外から日々この道を通ろうとして障壁があるために不利益を被っているというのでもない。したがって本件についての対処はお任せする。
恐らく誰も動かないだろう

思えば迫田の跨道橋に通じる里道を踏査したときは、もっと明白な「立入禁止」の設置物があった。これも今から思えば里道の用途廃止の手続きが正規に行われているならまだしも、そうでなければ好ましくない設置物と言えるのである。普通は立入禁止の札があれば、善良な市民は引き返す。無視して進攻するところをたまさか設置者に目撃されたら「立入禁止と書いてあるだろう。お前は日本語が読めないのか?」と高圧的な態度を取るに決まっている。
こういう事象が起きるのも一般人には目の前にある山道が私道なのか里道なのか確認する容易な手段がないことに起因する。立て札があれば信じざるを得ない。実は誰でも通れる筈の里道でありながら、容易に確認できないのを逆手にとってこれは俺の土地だから入るななどと勝手に立入禁止の札で心理的圧迫を加えたり障壁を置くなど、まったく人を愚弄した話である。
里道と判明したなら設置者の立場は限りなく弱い。そうなればきっとこの先は行き止まりで道が荒れているから知らない人が間違って入り込まないよう善意で設置したのだ…などと言い訳するだろう。真にその意図で立て札を設置するなら「立入禁止」ではなく「この先行き止まり」と書くべきである。

むやみに立入禁止の立て札を設置したがるその裏には、秘密裏にその里道から一般通行者を排除して自前の土地に組み入れようとしているのではないかという穿った見方が可能である。実際問題として相当な長期に渡って法定外公共物を公然と一私人が管理所有してきた場合、条件によっては取得時効が認められ元々は里道であれど私有地とみなされる事例が起こり得る[2]からだ。そうなれば里道は地図から消されるどころか、私有地とみなされ関係者以外一切の通行ができなくなってしまう。かつて里道であったものが元から「無かったもの」として葬り去られ、勝手に自分の敷地や駐車場へ組み込まれる。これは何も珍しいことではなく昔からごく一般的に行われてきたことである。

全国的にみてこのような事例が増えているのかどうかは分からないが、通行需要が減って廃道化していく里道は増えているのではないだろうか。安泰に通れる状態にするには道普請が必要であり、山間部での在住者が減って高齢化が進めば管理が困難になるのは容易に想像つくからである。
現に山歩きをしていてもかつては登山道であった筈の場所が私企業により整地され、通りやすくなったどころか立入禁止の札が設置されている場所がある。[3]この種の行為についてすべてが正式な国有財産の払い下げ手続きにより取得され私有地となったのかという疑義が差し挟まれる。少なくとも「誰でも通って良い道」が分かる状況になっていなければ、この傾向は山歩きを嗜む人々にとって新たな脅威になり得ることを指摘しておこう。
それでなくてもこの国にはまったくしょうもない「立入禁止」の立て札が多すぎてウンザリしている次第なのだ
出典および編集追記:

1.「FB|法定外公共物の公然かつ平穏な自主占有について(要ログイン)

2.「Wikipedia - 法定外公共物|取得時効との関係」に記述がある。

3. 霜降山周辺には多くの登山道がある。そのうちのいくつかには公然と関係者以外立入禁止の札が出ている場所がある。

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