写真は開始前の状況。
セッテン!!の概要については総括記事を参照。ここでは全体の流れの要所を撮影した画像で個人的視点で記述している。なお、これ以降の画像は(すべての参加者と生徒から撮影と掲載許諾を得ているわけではないので)解像度を落とし縮小したサイズで載せている。
《 開始までの下準備 》
初回である2022年度に実施されたときの関係者を通じて案内された。実施に先だって社会人の参加者向けの打ち合わせがあり、9月5〜7日の指定された中から参加可能な時間帯を選択して申し込んだ。打ち合わせ会場は香川高校の会議室であり、学校関係者を含めて10人程度だった。今回は申し込みフォームから個別に申し込んだため、知ったメンバーは誰も居なかった。前回と異なるのは、この時点で社会人向けの”人生グラフ”用紙が配られその場で作成した点である。
このグラフを元に会議室で自己紹介を兼ねた簡単な解説を行った。それから本番当日の簡単な流れが説明され、会合は一時間程度で終了した。なお、ここで作成された人生グラフと自己紹介ダイジェストの用紙は本番の日に忘れず持参するよう案内された。
《 実施当日 》
9月20日の実施前に社会人参加者向けにタイムラインが案内された。以下の通りである。12:15まで | 現地集合 |
12:30〜13:25 | 最終打ち合わせ |
13:30〜15:20 | セッテン!!本番 |
15:30〜16:00 | ふりかえり |
ホール前で受付を済ませ、グループを示す番号札と同意書とコモディティーが手渡された。
同意書は撮影に係るもので、セッテン!!で参加者を含めて撮影された写真を今後の活動目的で使用して構わないかの意向確認である。殆どの参加者が問題なく同意して提出した。私からも撮影に関して同意書の提出時に口頭で承諾を頂いている。
コモディティーのタオルは香川高校謹製で、クラウドファンディングで作成されたという。
(使うのは勿体ないので開封せずに保存している)
番号札を持って対応するAの位置が示された場所へ移動する。
同じ位置を指定された参加者が座ることで4〜5人のグループが形成された。
順次参加者がグループに加わり、全員入場したところで参加者同士のためのミーティングが行われた。
【 参加者ミーティング 】
参加者はあらかじめ配られたネームカードに他の参加者および生徒に呼んで欲しい名前を書いた。これは実名である必要がなく、実際ペンネームを書く人が殆どだった。
本番の流れの解説は、学校出身OBによって行われた。
このとき過去の参加状況が挙手によってリサーチされた。約半数の参加者が一昨年のセッテン!!にも参加していたようである。参加者は前回と同じく学校関係者が多く、全体で十数名だった。
まず担当する先生方による自己紹介が行われた。
(カメラマンは還暦スペシャルでドラム演奏指導をして下さったあの方である)
それから各グループ内で自己紹介を行った。前回に実施された自己紹介ゲームは省略され簡素化された。
最後に参加者が輪になって今日一日楽しもうとキックオフを行った。
(輪から外れていたのはお腹が冷えてトイレに行って戻って来た直後だったため)
この時点で生徒たちはホールのすぐ外に待機していた。参加者が横並びになって拍手で入場する生徒を迎えるのは一昨年と同様であった。
【 本番 】
入場後すぐに参加者と生徒のグループ分けが行われた。参加者は最初の着座グループ位置とは別の番号札が与えられている。生徒も同じ札を持っていて、参加者一人に対し2〜3人の生徒でグループができる。ランダムに決められた番号札の位置に座ることで参加者と生徒たちのまったく偶発的な接点が生じるわけである。参加者一人と生徒2〜3人による新たなグループが決まったところで開始された。最初に参加者自身が生徒を前に人生グラフを提示して概略を話した。それから同じように各生徒が人生グラフの説明を行った。前回に行われた自己紹介ゲームは省略された。
ホールの後部には担当する先生方お二方が位置し、人生グラフの主要な出来事を描いた複数枚の画用紙を使って生徒向けに人生紙芝居を演じる。人生紙芝居役の先生は2人居て、グループ内の生徒2人が人生紙芝居を観に行き、残った一人の生徒と社会人参加者が人生グラフを元に対談する。この流れを3度繰り返してすべての生徒が参加者と対談し、人生紙芝居を2度観ることとなる。
社会人参加者は充分な人数があり、生徒が3人よりも2人のグループの方が多かった。私も生徒2人のグループだったので、最初に生徒2人が人生紙芝居を観に行っている間に撮影する時間が充分にあった。
《 評価と検討課題 》
以下に個人的な評価と検討課題などを記述する。今回は2回目であり、以下に述べる「前回」とは初回開催の2022年度を指している。【 開始までの下準備 】
前回は新川歴史研究会メンバーからセッテン!!を知らされ、人生グラフなどの資料を受け取って自宅で作成してから持参した。今回は下準備の段階から打ち合わせに行き、全体の流れを早くからつかむことができた。もっとも前回も下準備の打ち合わせがあったかも知れない。打ち合わせ時に人生グラフを作成しそこで自己紹介を行ったので、本番時の自己紹介が簡素化されてその分だけ実施時間を短縮できている。打ち合わせは日にちを変えて3度行われており、そのときに顔を合わせる参加者が本番当日も同じ参加者グループになる可能性は低い。セッテン!!の元々は社会人と高校生の接点を持つことに主眼があるので、社会人同士の接点時間が短縮されている現状で良いと思う。
打ち合わせ最終日が7日で本番が20日実施なので、2週間あくことになる。打ち合わせ日から本番実施日までの期間は短縮した方が良い。セッテン!!では打ち合わせ時に作成した人生グラフと自己紹介票が重要資料となるので、すべての参加者に無くさず当日忘れないように持参すべく2週間保持するのはリスクがある。
【 本番の進行 】
前述の通り、当日は9月下旬ながら異常な暑さだったため会場が空調の効く多目的ホールに変更されている。これはまったく妥当な判断だった。参加者と先生方、生徒たちの多人数が同室するために空調を入れていてもなお室内は暑く感じられた。去年と今年の夏場の気候推移を見る限り、同時期に開催するならもはや空調の効いた部屋でなければ無理だろう。今回は司会役が大学生ではなく社会人OBが行った。前回の問題がかなり改善されており、進行はスムーズだった。硬い床のホールに直座りというのはきついが、希望すれば事務椅子を使うことができた。対談と人生紙芝居で頻繁に移動すること、一対一で話す場面があることから、お互いが座れるメリットがあっても教室を使用するのは難しいだろう。学校側で参加者と生徒に座るためのラグなどを準備するのも大変なので、座布団などの持ち込みを可とする案内を行う程度だろう。
生徒入場後に各グループへ分かれるとき、ホールのできるだけステージ側に寄って座ってもらうよう案内するのが良い。人生紙芝居を担当する先生方お二方がホール後方で待機しており、開始直後に紙芝居を聞きに行くために生徒の半分以上が後方へ移動した。このためホールの後方に座っていたグループは、手持ちアイテムを持って改めて前方へ移動する必要が生じた。
前回に比べてアイスブレークに相当する部分が簡素化された。前回は6枚繋げた紙を裏返して表になった紙に書かれた質問に答えるなど、偶発的ゲーム性を持っていた。この取り組み自体は面白いが、セッテン!!が正規のカリキュラムに位置づけられる授業であることを鑑みれば重要ではない。簡素化して時間を短縮した今回の取り組みで足りる。今回の実施時間は前回と同等程度だが、生徒の話を傾聴しコメントを書く時間も充分に確保されていた。
参加する社会人一人当たりが受け持つ生徒数は、今回の2〜3人が適正と思う。前回は4人だったので各生徒の特徴や性格を把握するのが大変であり、メッセージを書く時間も制限された。個人的には2人でも熟考したメッセージを書くのに時間がかかった。3人を超えそうな場合は追加の参加社会人を募った方が良い。
【 メッセージカードの扱い 】
生徒から参加者に渡すカードは前回と変わっていないが、参加者から生徒に渡すメッセージカードが人数分の枠が書かれた一枚紙から生徒の人数分だけの個別カードに変更された。前回は参加者から生徒に直接メッセージを手渡さずに回収し、運営側で一枚紙から各生徒の分をハサミで切って渡されていた。ダイレクトに生徒へ手渡すと、参加者による好ましくないメッセージが渡るリスクがあり、一旦回収し査読してから手渡したと思われる。今回のダイレクトな手渡しに変更することで、内容を解説しながら生徒に渡すことが可能になっただけでなく、運営側で回収し再配布する手間も省略できている筈である。前述のリスクを想定しても今回のように参加者から生徒へダイレクトにメッセージを渡す方式に同意する。 従来の回収方式は生徒への嫌がらせや心理的抑圧をかけるメッセージ(気に入った女生徒に LINE を授受するなど)を手渡されるリスクから生徒を守るための方策であろうが、まず問題が起きる確率自体が極めて低いこと、問題を起こした参加者が居たとしてもどの生徒がどの参加者グループに居たか把握可能というだけで足りる。参加者に責任ある態度を求め、かつ生徒に直接メッセージを手渡すのを容認する程度に”信頼されている”と受け取って頂けることが重要である。
【 情報共有について 】
前回と同じくセッテン!!の授業風景は実施状況が画像採取された。[1] 撮影された画像は、後日 Google フォトにアップロードされ参加者限定で閲覧可能にする旨も案内されたが、遺憾な点が2つあった。限定公開された Google フォトのアクセス先が QR コードを印刷した紙として配布されたため、読み取りデバイスを持たない参加者は閲覧できなかった。これはスマホを始めとする読み取りデバイスは誰もが持っているという前提に立っている。私企業や団体が行うイベント案内を LINE や QR コードで提供するのは問題ないが、開催案内や打ち合わせをメールで通知しているのだから閲覧先もメールでリンクを配信した方が良い。最終的にスマホを持っているうちのメンバーに読み取ってもらい、URLを転送してもらう二度手間になった。
それから最後にステージへ上がって参加者全員の集合写真を撮った筈なのだが、Google フォトにその写真が一枚もなかった。間違いなく画面の一番下までスクロールしたがアップロード自体されていなかった。全体的に撮影枚数が少なく、自分の入っている写真が前回の半分以下だった。画像の共有は9月末までとなっているため現在は公開自体が終了している。
写真は Google フォトで共有された画像の一枚。実施状況が分かり参加者も生徒も特定不可能な程度に離れた位置からの撮影画像を縮小している。
(この画像の著作権は撮影者に帰属します[1])
学校側の承諾が前提となるが、新聞などメディアを通じて活動を多くの人に知って頂いた方が良い。個人的にはすぐに現在運営で関わっている小羽山小学校の放課後子ども教室が連想された。さすがに小学生には難しいが、参加者を交えなくても中学生を対象とした授業として実施可能ではないだろうか。今後の教育に必要なのは、従来のような専門家や有資格者による情報の注入ではなく適度に雑多な情報に接する機会を設けることで生徒自身の自発的な表現を促すことである。
《 関連記事リンク 》
第一回目のセッテン!!実施時の状況。時系列記事: セッテン!!【2022年度】(2022/9/29,30)
出典および編集追記:
1. 公開はされていないが動画も専属のカメラマンによって採取されている。
1. 公開はされていないが動画も専属のカメラマンによって採取されている。