厚東川ダム・旧水位計跡

ダムインデックスに戻る

記事作成日:2017/6/16
宇部丸山ダム向けの取水口スクリーン上部の県道から小野湖を眺めたとき、対岸に梯子のような鋼製構造物が見えることがある。
写真は2012年9月に二度目の訪問を行ったときの撮影。


この構造物は小野湖の汀付近に造られているので、土肌が少し見える程度まで水位が下がったときに現れる。


水位が高く植物の繁茂が著しい夏場では木々に隠れて見えなくなる。

当時持っていたカメラの限界ズーム映像。
恰も鉄塔の下部構造のような鑛構造部が岸辺斜面にあり、下の方は水中に隠れていた。


肉眼でも何か塔のようなものがあることは判明していたが、上流から流れ着いた鉄骨のようでもある。しかしズーム写真で見る限りではコンクリート基礎のような部分もあるので、何かの目的でここへ設置されたらしいことまで推察された。

この物体が存在する推定位置を中心にポイントした地図を示す。


航空映像からも分かるように、およそこの物体が見える周辺に道はまったくない。恐らくは獣道すら存在しない。そのことは数年前に厚東川ダムの右岸側を何度か踏査したときから分かっている。ダム下からは一の坂方面へ沢を遡行する古い道だけが知られていて、ダムより上流側は右岸側を伝う道はない。そして謎めいた鋼構造物は厚東川ダム堰堤から少なくとも100m上流側の湖水面近くに設置されている。

2017年6月の小野湖低水位期に取水口を訪れ、そのときに撮影した画像。
ズーム機能が若干強化され、また映像が鮮明化されるようにカメラ側で設定を行っている。


最大ズームでの画像。
明らかに人為的に設置された鋼構造物であることが判明した。


鉄塔の脚部を思わせる構造で、鉄骨部に沿ってワイヤーが張られているのが分かる。上部は茂みに隠れて判然としないが、どうもこのワイヤーを固定する機能だけのようである。ワイヤーは湖底に向かって伸びており、斜面へ潜り込む部分からは鞘管に収まっている。

従来の画像では湖底に伸びる斜めの部分がパイプ状に見えたので、用水のポンプアップを行っていたのではとも思われた。電柱にみられるステーと類似する構造なので、小野湖とは反対方向に力のかかる何かを引っ張って固定する構造物のようだ。

その後県道を経てダム管理事務所まで移動し、そこでの撮影で鋼構造物が管理事務所付近からも見えることが分かった。
ズーム画像はこちら


【 最初期の踏査 】
以下は初めてここを訪れた2009年6月の映像である。取水口よりちょうど対岸に見えるため、網場を撮影しようとカメラを向ければ自然に気付く位置だった。


当時のカメラでのズーム撮影画像。
カメラのズーム性能と天気が曇っていたこともあり、これが限界だった。


何かあるらしいとカメラを向けて解像度の低い上記の写真を得ただけなものの、それが明白な人工物であることは分かっていた。
取水口を訪れた回数自体多くはないのだが、今まで現地を訪れたときには常に気付いてカメラを向けている。水位が高く木々が茂っているときは隠れて見えない場合がある。
【 この構造物の正体について 】
この項目を記述する現時点ではなお分かっていない。山側に支持を必要とする別の構造物があるとも思えないため、小野湖などダムに関する何かだろう。最も考えられそうなのは網場を固定するための支柱である。網場の設置位置を変えるなどして使われなくなったのではと推測している。現地までの道はないので、ボートで資材を運び現地で組み立てたのだろう。鋼製ではないが、同様に網場を固定するためと思われる巨大なコンクリート塊がこれより上流側に見つかっている。[1]
【 記事公開後の変化 】
項目記述日:2017/7/29
2017年度実施のダム見学会でこの構造物について担当者に尋ねたところ、水位計ということが判明した。鋼構造物部分を遺して現在は使われていないという。対岸側にはアクセス道がまったく存在しないのでボートで現地まで材料を運んで設置したようである。何故アクセスの悪いこの場所が選定されたかは分からないという回答だった。[2]

奇遇なことに2017年度の見学会において、若い頃にこの水位計の設置あるいはメンテナンスに携わったという方が参加されたという。このことから建設時期は不明にしても割と近年まで援用されていた可能性がある。

鋼構造物の上部は満水位でも浸らないため、対岸からでも視認できる。ただし春先から夏場は草木が繁茂するため満水位だと見えづらい。なお、対象物の正体が厚東川ダム関連の一設備であることが確定したので、派生記事から独立記事へ変更すると共にダムカテゴリへ移動した。
出典および編集追記:

1.「厚東川ダム・左岸堰堤接近計画【3】」の踏査過程で偶然見つけている。

2.「FBページ|2017/8/2の投稿(要ログイン)

ホームに戻る