佐々並川ダム【2】

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(「佐々並川ダム【1】」の続き)

予期しなかった2つ目のトンネルに出会い、再び速度を落としてカメラを構えた。
ポータルがあるものの如何にも狭い。まるで鉄道のトンネルのようだ。[15:41]


フラッシュの光が巧く分散されたが、フロントガラスに邪魔されておかしな写真になってしまった。


あまりにもフロントガラスが汚れていたのでウォッシャー液を出してワイパーを作動させる。これなら綺麗に写るだろう…
ライトは消した状態で撮影した。外から入る明かりが結構あって肉眼でも充分に先を見通せた。


内部は素堀りにコンクリート吹き付けのみという簡素なトンネルだ。菅野ダムでも同様のトンネルを観た。「通れるのだから文句はないだろう!」という感じのやりっ放し感がなかなか良い…^^;
真面目な話これではダム資材輸送の大型車が通るのにかなり苦労したのでは…

出口付近。
トンネルを出て急に左へ折れていた。


出口の急な曲がり方からして、地図にあったトンネルはこっちの方で、先に通った素堀り隧道は尖った尾根部分を近回りするために後から掘ったのではないかと思う。


崖に貼り付くように進む林道。
どうやら崩落箇所があるにしても先の方らしいし、後続車も対向車もまったくないと確信できたので、路上にそのまま停めて車から降りてみた。まだ周囲の景色をじっくり眺めていなかった。[15:42]


本当に飾りのような車止めだ。車の勢いがついていたらこの程度ならガードレールとしての役割は期待できないだろう。
下はもの凄い崖なのだが、木々の繁茂も相当あるので断崖絶壁に立っているという怖さはあまりない。


この場所で車を停めたというのも対岸にもの凄く目立つ大岩を見つけたからだ。


ズームしたが手前の木の枝にピントを奪われて巧く撮影できなかった。
高さ数十メートルもある一枚岩で、コンクリートの塔のように垂直である。ザイル一本に命を託すクライマーたちはこのような岩を観ると征服欲を駆り立てられるのだろうか…


本当に山が深い。表面を樹木で軽く覆われているだけで全部が岩山といっていい。
あいにく逆光で綺麗には写せなかった。


ダムで河川維持量分しか流れていないせいか谷底を流れる水量は僅かで露岩がごろごろした河床である。


車を少し進めたところに再びダム放流関連の案内板を見つけた。
ここは前方の視界が開けているのでそろそろダム本体が見えるのではないかと思った。[15:44]


見えた。

…が、まだ木々に覆われて充分には眺められない。


軽くズームする。
もう少し先だ。まあ焦らず先に向かおう…


車窓からもダムの堰堤が見え始めた。
左側にコンクリート擁壁があるこの場所だ。[15:45]


再び車を停めて車外から撮影した。この場所だ…と思った。

下流側正面から眺めた佐々並川ダムの全容。
特有のアーチ形状は、正面からでは分かりづらい。それにしても高い。
ネットでよく観られる正面からのショットはこの場所からだろう


上空を電線が通ったり両側から木々が迫ったりでなかなかアングルが定まらなかったが、かき分けるようにズーム撮影している。横に走るのは点検用通路だろうか…ダムは上流側に膨らんでいるので、上段の通路は完全に空中に設置されているはずだ。
一番上の点検用通路を歩くとどんな気分だろう…


佐々並川ダムはゲートがない。余剰水はこの余水吐から直接滝のように流れ落ちるという。
そう頻繁に起こることでもないだろうが、この高さからのフリーフォール状態で落下地点の叩きコンクリート部分は安泰なんだろうかと思う。


ダム下にあるそのコンクリート部分。
エプロンに殆ど水は溜まっていない。湧水が床部分を僅かに濡らしている程度に見える。
この場所に行ってみたい…しかし一生行くことは出来ないと思う


そろそろダム堰堤への入口が近い筈だ。
再度車に乗り込み、巨大なコンクリート擁壁が迫っているこの場所の先に入口があった。[15:47]


視界が開け、更に高度を上げていく林道に対し下っていく分岐路を見つけた。
入口にはチェーンが張られていて車は入れない。しかし歩いて先まで行けそうだ。[15:48]


ついに到達できた…
県道分岐のところにあった通行止めの標示は何だったんだろう…結局、路上に落ちた若干の落石以外は何の障害もなかった。舗装も完璧でコンクリート隧道2箇所がやや狭い以外は通常の運転スキルを持つドライバーなら普通車でも問題ないと思う。

さて、何処まで近づくことができるのだろうか…

(「佐々並川ダム【3】」へ続く)

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