歌野川ダム【3】

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(「歌野川ダム【2】」の続き)

注意この記事の末尾にヘビの写真が掲載されています。
爬虫類が苦手な方は縦スクロールする時にご注意ください。

左岸堰堤側に到達できた喜びも束の間だった。
ダム管理所側と同様、こちらにも立入禁止を明示する立て札があり、入口の鉄門扉が閉じられていたからだ。


鉄門扉にはレールと収納場所も確保されているので、ダムの設計段階で車を通さなくする設備を予定していたらしい。


左岸側には「歌野川ダム」の銘板が設置されていた。やはりこれがなければダムらしくない。
ダム管理所側に痕跡として認められるものよりはサイズが小さい気がする。右岸には当初もう少し立派なのがあったのだろう。


ダム湖側の様子。
両岸の接続部分まで吹き付けになっている。


ダム裏の全体像を撮るなら左岸側から観た方がよさそうだ。拡大対象画像です。
画像にマウスをかざすと拡大、ダブルクリックで最大化します。
クリックすれば元のサイズに戻ります。


一連の写真を撮影しているとき、さっきまで身を置いていた右岸側の山に奇妙な構造物が藪に埋もれているのを見つけた。

ダム管理所付近をズームしている。
ダム延長上の山腹に平場が造られたのか山を削って吹き付けた痕が見える。そこに何やら直方体の塔のようなものが見えているのである。


ズームしてみた。
かなり大きなサイコロ状の形をしている。
上方を横断する線は電線だが、引き込み線は見られないので建屋ではなさそうだ。
これは何?


何処のダムだったか覚えていないがこれと同じようなものを見た記憶がある。やはり同様にダム堰堤の延長上の山腹に設置されていた。
正体が気になったが、確認するためだけにまた今来た道を引き返して右岸へ戻る気にはなれなかった。
阿武川ダムの右岸に同様のものが観られる

堰堤に接続する道路部分はちょっと構造が変わっている。
ダム堰堤の途中に橋を架けて繋げる形になっている。堰堤の端に接続しようとすると山を大きく削る必要があったかららしい。


短いながらも橋の形態を有しているなら、相応な名前を与えられているのだろう。
親柱に銘板が設置されていた。


湖畔橋という雅称が与えられていた。ダムと自然に親しんで欲しいという願いを込めて付けられた…などという背景があるのだろうか。


そうなれば大いに矛盾する状況である。
市民に親しみをもってもらえるような名前を付けていながら、来てみればダム堰堤上が立入禁止で両岸の往来ができないとか…これでは散策路としての意味を成さない。

これって絶対、おかしいよ。
小うるさい市民なら「税金払っているのに何ちゅうことだ!」とか言い出さないだろうか…
別にいいけど…ダムの財源が税金から拠出されているか分からないし何よりも下関市民ではないので^^;

別に悪意はないけど、知ってしまったので湖畔橋の正体を暴露して差し上げよう。後から付けたような名前の橋なら、設計架橋段階で正規の名前がある筈だからだ。

それは通常橋桁の端に銘板として取り付けられる。
監査廊へ下っていく階段入口からその銘板を眺めることができた。


ズーム撮影で窺う。
歌野川ダム1号橋という名称が読み取れる。何ともそっけない名称がこの橋の正体だ。
1号橋があるということは2号橋もあるのだろうか…


結局、治水利水目的のダムを造り、景観にも配慮するということで一応右岸とダム下に公園も造ったけど、何かの事件か理由があってダム堰堤付近はあまりウロウロして欲しくないという状況のようだ。
ダム湖周辺は大抵散策路になっているのだが、そういう面での整備ができていない。サクラの時期が賑わうと聞いたけど、それ以外は殆ど人が寄りつかずおどろおどろしい印象を持たれるダムという点で宇部丸山ダムと似通っているのだろうか…

左岸監査廊に降りる階段は堰堤の端、この道路橋をくぐる形になっていた。
立入禁止の標示は出ていないが、門扉が閉められている以上、入っていくのは歓迎されない状態だった。


ここから排水機場まで降りる階段があったが、進攻は止めておいた。途中で山の湧水が階段を濡らしている場所があったし、下まで降りてまた引き返す労力を払うほどの価値が見いだせなかったからである。
何だかいろいろな面で残念なダムだ。

帰り道を歩いていて山の斜面に見つけたものは…
写真…載せない方がいいかな…


ニョロニョロ君♪
あまり綺麗な色のヘビじゃあないね、君は。
突然現れるからビックリするけど蛇は嫌いではない…出会えば必ず写真で持ち帰る


車を停めた駐車場まで戻る途中、木々が切れる場所を見つけてさっきのサイコロ型コンクリート塊を再度ズーム撮影した。


側面に何か取り付けられているように見える。その他はどうなっているかはここからでは分からない。
一体、何だろう…ダムに関係あるものなのだろうか…
実はこの記事を書く現在では分かっている…ダム建設時は重要だった構造物だ

公園ではなおも数人の作業員が剪定作業を行っていたので、園内を歩き回ることはできなかった。
平日の昼間っから仕事もせずいい身分なものだ…と思われるだろう^^;
そこで車に戻り、公園を後にした。

もう一ヶ所、写真を撮っておきたい場所があった。
ダム下だ。来るときは公園に向かおうと通り過ぎていたし、その先には歌野川機場なるポンプ室が見えていた。

(「歌野川ダム【4】」へ続く)

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