低水位の小野湖・小野地区第三次踏査【1】

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(「低水位の小野湖・小野地区第三次踏査」の続き)

さてさて…前編ではカメラの調子が悪かろうが腹をくくっているように思えるが、これは最終的な画像の質を確認した上での結果論であった。現地では(もし白っぽく写るようなら手段を考えてはいたが)何とかしないとせっかくわざわざ時間割いて来た意味がないと結構慌てていたのである。
以下の写真も本文中に記述している操作を行うまでは画質が安定していないので、品位が劣る重要度の低い画像は同様の小さなサイズで掲載している。
【 下小野橋付近 】
ここから河川敷へ降りるスロープがあって、Googleストリートビューの映像ではロープが張られていた。しかし積んだボートを降ろすなどの利用者が結構あるらしく、現地ではロープが解かれ車が乗り入れていた。

入口のスロープでカメラを構えたが、光量過剰で白トビが酷い。
遠くや影になっている部分はそれなりの画質だが、モロに光を受けている部分はピントを合わせ損ねている。


それはそうと…このスロープを降りるまでもなく3日前に遠くから眺めたお立ち台のようなものの正体が分かってしまった。
これといった特徴もない大岩だった。


橋のある側から眺めれば自然の岩にしか見えない。しかし例の小島がある側はスパッと切断されたような面を持っているためにコンクリート構造物のように見えたのだ。
垂直になっている岩の面を撮ろうとしたが…日陰でも白トビするくらいに日射が強烈なので、太陽が当たっている岩の面がまともな映像を結ぶ筈がない。ファインダーを覗いた時点で写真にならない状況だった。

ここで昨日まで試し撮りとしてあれこれ操作してみた中で面倒だけど何とか対処できそうな方法を試してみた。それはカメラをマニュアルモードで操作する方法だ。
最近のデジタルカメラは光量から対象物へのピント合わせからすべて自動でやってくれる。よほどのことがない限り特に設定しなくてもそれなりの写真が撮れるようになっている。しかしこれほど太陽光線が強くしかも日光を厳しく反射する白っぽい岩や砂地が目立つ場所では、恐らく対処しきれないのだろう。
まず、光量が多すぎて困っているのだから、マニュアルで晴れの日モードに変更した。それから露出状態の標準をゼロとして±2まで3分の1づつ変更できるようになっていたので、ファインダーを覗きつつ数値をいじってみた。

こうして露出設定を -0.67(マイナス3分の2)ランクで撮ってみた映像である。
これでもなお白く飛んだ感じになっている。しかし標準設定だとファインダーを覗いた段階で殆どまともに映像を結んでいなかった。


マイナスの側へ動かすにつれて暗く写る。白トビはかなり抑えられるが、今度は実際に目で見えるよりも暗くなってしまう。あまりやり過ぎて目で見た状態と異なる映像を記録するのは憚られた。

同じ設定で光の当たり具合が少なくなるアングルから撮った映像。
まだ映像の下の方が白っぽいが、露出補正ゼロで撮ったものよりははるかに良い。


補正値を変えて同じアングルから複数枚撮影すれば、アジトへ帰ってその中から良いものを選択できるだろう。しかし毎回補正値を設定し直すのが面倒だし、こんな暑くて日照が強い環境下で多数枚撮影するのも症状を悪化させるので、マイナス3分の1を基本設定にして、特に光が当たってまぶしい場所などはマイナス3分の2に設定した。
最後の方はマイナス3分の1から殆ど変更していない

さて、ああだこうだ言っている間もなく人工物ではないかと思われていた物体は、単に直方体に近い形をした自然の岩と判明してしまった。

干上がった護岸下を少し歩いてみた。
岩のある場所が特異なくらいで、護岸下の殆どは粘性土に礫石、そして藁しべのような枯れ枝だった。


国道の通るコンクリート護岸部分は昔からのものではない。平成期に入ってからのものだ。町並みを通る道が狭かったので、現道を拡げるのではなく新規に小野湖側へ道を造ったのである。[1]

道路ができる以前は汀がもう少し後退していた。遠浅な汀であったらしい。
ただし護岸を長く築いているからには周囲もある程度改変されているかも知れない。


ボートの方を撮影していて、汀に何やら変なものが漂っているのを見つけた。
画面の右下に写っている丸いものである。


これは何だろう…低水位踏査には無関係だろうが、あれでも水位が下がったことによって繁殖した何かかも知れない。見たところ新種のクラゲのようでありゼリーみたいでもある。
正直言って大変に気持ち悪いシロモノだ。念のために気持ち悪いのを堪えて近くで撮影しておいた。見たくない方もあるだろうから記事に埋め込まずリンク形式にした。見たい方は このリンクをクリック してみて欲しい。気持ち悪い系が嫌いな方は不用意にクリックしないように。その正体は…私には分からない。どなたかご存じの方は教えて欲しい。
何かの生物の卵ではないだろうか…

光の反射がきつい砂地部分を避けて湖面を撮影。
こうしてみると低水位であっても小野湖自体は秀麗な眺めである。もっともこれほど青空が広がる小野湖の写真を当サイトに載せるのは初めてだろうか…


ファインダーを覗いた時点でもかなり画像が正常化していることに気づいていた。
しかし…同じ設定のままで白っぽい岸辺を撮影するとさすがに不自然になってしまうようだ。


このエリアはもういいだろう…特に変わったものはなさそうだ。最後に橋の下あたりを撮影しておいた。この時点でまだ橋の名前は調べていなかったが、橋の記事を作成する場合に要ると思ったので。

スロープを戻る前に振り返って撮影し、そのときになって沖合いに広い砂地が現れているのを見つけた。


殆ど高さがない砂地だ。その周辺部は 割と輪郭がはっきりしている。海にみられる砂地の場合、周辺部が波に洗われて軽く浸っているものなのだが…浅瀬に出来る砂地は波の影響を受ける海とは違うらしい。
ズーム画像はこちら

河川に見られるこうした砂地は昔から注意深く観察されていたようで、古い語で砂処(すか)と呼ばれる。砂処は後年には須賀などと漢字表記を変えてしばしば地名の元となっている。沖ノすかなどという地名は川沿いから海に近い地によく見つかる。

スロープを上って対岸に渡る橋を撮影しておいた。下小野橋という昭和37年架橋の橋と分かった。
あまりに早く決着がついてしまったので、車はそのままにしてちょっと対岸側を視察することにした。反対側の親柱を撮影する用事もあったので。

橋の上から小島をズーム撮影。このアングルから眺めたのは初めてだ。


先ほど訪れたお台場岩もズームしてみた。綺麗に面が出ているために人工物と見誤ったのだ。
光線の当たり具合の関係によりズームの方が現地よりも鮮明に撮れるというのが奇妙だ。


対岸側の親柱を撮影後、岸辺まで降りられる場所を探した。
釣りなどで降りる人が結構あるらしく踏み跡を探すのにそう苦労はなかった。


個人的にはまったく初めて訪れる場所である。標準的な水位ではどのような眺めなのか分からない。
それでも湖水が押し寄せた形跡のある場所より汀は数メートル後退していた。


すぐ目に付いたのがこれである。昔の農家なら間違いなく常備されていた石臼だ。
上流から流されてきて岩に当たったのだろうか。堅牢に思える石臼が割れていた。


下流側を撮影。
砂地の汀が続いていて特に変わったものは見られなかった。


特段変わったものも見られないのですぐ橋まで戻った。
これから向かう小島の方を撮影。


この写真を撮るとき、ファインダー下の方で湖水が逆光を捉えてキラキラ光っているのがちょっと気になっていた。しかし白トビや光の筋などは撮影を進めるうちに少しずつ目立たなくなってきた。正常に戻ってくれて救われた思いがしたが、この不具合がどういう条件で起きるのか分からず再現性がないことで根本的な解決は難しくなった。

車に乗り込み例の小島を撮るときの定番位置へ移動した。
【 陸繋島 】
時刻はまだ正午前。隣町バドも慌てて行くこともないからまだ充分時間的ゆとりがある。踏査は午後からが基本だからこんな時間にアジトから離れた小野地区へ来ているのは本当に稀だ。

3日前に白トビ現象が酷くなった撮影場所を覚えていたので、ほぼ同じ場所で撮影してみた。
ただし午前だから太陽の向きは異なるし撮影条件も先ほど設定した露出補正(マイナス3分の1)のままである。


逆方向の入江部分。ここは現在の小野湖沿いの国道ができるまでは入江だったことが分かっている。


ファインダーを覗いた時点でも前回のような症状が出ていないことが確認できた。

小島の写真を撮るのは新たな発見目当てではない。曇りがちの暗い写真が多かったので青空の広がる好条件の映像が欲しいからだ。
特に第二次踏査のときは小雨がぱらつく悪天候だった

多数枚撮影するうちにまた症状が出ないとも限らないが、できれば国道から眺めたときの写真も欲しいと思い、まずは小島から離れる方向に歩き始めた。

(「低水位の小野湖・小野地区第三次踏査【2】」へ続く)
出典および編集追記:

1. 奥宇内へ仕事に行っていた平成3年頃は旧道を通っていたのでこの区間の道路改良は平成4年以降である。

2.「FB|本日の裏マニ・小野湖の低水位踏査(2016/8/27)(要ログイン)

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