グミ

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記事作成日:2023/5/28
最終編集日:2023/5/29
グミはグミ科の植物の総称で、俗にグイミとも呼ばれる。
写真は善和川沿いで見つかったグミの樹。


一般的事項は[1]を参照して頂くとして、以下では市内に限定して記述する。
《 概要 》
5月下旬から6月にかけて写真のような実がなる。
この果実でグミと特定され、それ以外の季節では特徴のない樹木に映る。


サクランボのような形をしているが、果皮はサクランボよりもやや粗くて硬い。形は縦長の楕球状で、赤味が薄く黄色がかった実もみられる。サクランボ同様に食用となり、味はやや甘くて酸味のある中に渋味が強い。このため店頭などに並ぶことは稀である。
《 代表的な自生地 》
充分に調べられていない。冒頭の個体は、善和川の中流域の井手ヶ原付近のものである。
樹の生えていた場所から下流側を撮影。先に見えているのは国道490号の善和橋である。


しかし山間部には割とありふれている可能性がある。特に二俣瀬地区は多いかも知れない。
保全ランク
市内くまなく観察しているわけではないので、他にも自生地があるかも知れない。前述の自生地以外に知見がないので、評価を保留している。
ランク呼称概要
X保留充分な調査が行われていないため評価を保留する。
《 グミの音を含む地名について 》
それほど多くはないが、グミ(茱萸)の表記を含むものを始めとしてグミに近い音を含む地名がいくつか知られている。

まず、そのまま茱萸の表記を含む例として上記のグミの樹が見つかった善和川の支流東谷川沿いに茱萸ヶ迫という小字名が知られる。


この地名は山口県風土誌では具味ガ浴と表記されている。もしかすると今回撮影したグミの樹は、地名の由来となったグミの一部かも知れない。

もう一つ、沖宇部村エリアの祈祷台池南に組木原という字名が知られている。


このエリアにかつて中学時代の知り合いが居て、年賀状を差し出すときの住所が組木原だった。在住者はそのまま「くみきはら」と読んでいた。最初にこの地名を知った中学生時代、原木組を逆から間違って書いたのではと不思議がっていた。

地名明細書では野中小村配下に組ノ木原(ぐみのきばら)という字名として収録されている。その読み方からグミの樹由来であることは確実だろう。

再び善和村に戻って、吉原川から北側に派生する沢地に尻組という字名が知られている。これもグミの樹に関連するのかも知れない。

表記は異なるが、西岐波村に野黒目や山陽小野田市と宇部市の市境西側に野来見という地名が知られている。野来見は現在では「のぐるみ」と読まれているようだが、かつて「のぐみ」と読まれていたことからも関連性がありそうだ。
《 個人的関わり 》
今のところ居住地や野山などでは見つかっていない。特徴的な実をつけるため、もし目にとまれば撮影している筈である。グミの実を撮った写真は一枚もなく、このたびの撮影が初めてだった。

しかし昭和期には割とありふれていた樹らしく、家の庭に植えていたという人は多い。[2] 私が学童期から成人まで過ごした恩田の家には、池の後ろにグミの低木があった。家は建て売りを購入したので元から植わっていたのではなく父が山から採取して植え付けたものである。

中学2年生の頃、夏場に恩田プールへ一緒に行く友達がいた。うちへ誘いに来て一緒に行っていて、私が支度している間に池の端にあるグミの樹を目ざとく見つけて「美味しいグミ!」と言って何粒も食べていた。栽培されたサクランボなどと違って渋味の強い果実であり、そう美味しいものではない。しかし甘い物が少なかった昭和中期頃は子どもたちが自然から採取する良いおやつになっていたと思われる。
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - グミ(植物)

2.「FBタイムライン|茱萸

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