鵜戸神宮

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現地撮影日:2017/3/21
記事作成日:2017/4/2
鵜戸(うど)神宮とは宮崎県日南市にある神社である。
写真は玉橋から眺めた本殿。


地理院地図による位置図を示す。


鬼の洗濯岩で知られる青島より更に南下すること車で30分程度の距離にあり、宮崎を訪れたとき青島と共に観光ルートに加えられることが多い。一般事項は[1]に記載されているので、ここでは直近に作成した日南海岸の記事に準じて記事作成している。

鵜戸地区に近い駐車場に設置されている案内看板。
マップの全体画像はこちら


この案内図のように、本殿までは最初少しばかり坂道を登り、後は八丁坂と呼ばれる石段の坂道を含めて一貫して下りとなっている。大抵のお宮は出発点より石段を登り詰めた最高地点にあるのだが、鵜戸神宮では参拝には現在地より下って本殿に向かういわゆる下り宮である。

なお、マップでは岬の先を通って社務所近くまで至る海岸参道と普通車駐車場が記載されているが、道中の道は狭い。また本記事執筆現在で道路復旧工事が行われているため平日は車両通行止めとなっている。[2]いつでも駐車可能なのは、先掲の地理院地図において最初の石段を登り切った県道に最も近い場所の駐車場である。駐車料はかからない。ここから本殿に向かうには鵜戸崎の峠越えとなる。

もっとも昭和40年に掘られた鵜戸崎隧道を通ることにより最初期ほど労することなく参拝できるようになっている。
扁額部分のズーム画像はこちら


鵜戸の集落から石段を登り、このトンネルの横から更に峠を越える昔ながらの参拝道は通行可能だが、現在は殆どの参拝者がこのトンネルを通っている。案内板のある場所から本殿まで歩いて往復30分程度である。

本殿に向かう前の神門。
岬を迂回する道から参拝したときと八丁坂を経由したときの合流点である。


この神門より少し手間側に犬が小首をかしげているように見える岩がある。
神犬(いぬ)岩と呼ばれている。
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立派に聳える楼門。
正面に今年の干支である酉の絵馬が掲げられていた。


鵜戸神宮の由来説明板は楼門をくぐったところにある。
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由来板の下にあるおちち岩は、ここではなく本殿のある洞窟の中にある。

海岸沿い近くにはさまざまな奇岩がみられる。
大きな岩の上にカエルのように見える小岩が載っている。
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鵜戸神宮はウサギとも縁が深い。
これは読みの「うど」から鵜や兎の漢字が宛てられることに由来する。
午後4時を過ぎているため暗い場所では画像品位が劣っている…以下同様


この周辺には海岸にみられるのと同様の岩が間近に観察できる。
砂が固着したような緻密な岩で、別の種の岩が埋没しているようなものもある。


本殿は切り立った崖に口を開ける洞穴の奥にある。
参拝道中でここがもっともきつい下り勾配になる。


鵜戸神宮の「うど」とは洞窟のある地を意味するうつろな場所に由来するようで、この読みに後から漢字をあてているように思われる。

本殿の入口。
すぐ右横に後述する運玉の授与所がある。


本殿は洞窟の中に造られているので当然ながらやや暗い。
御乳(おちち)岩と呼ばれる岩は、洞窟の天井部よりやや下向きに隆起している2つの岩である。


鵜戸神宮をもっとも特徴付けているものの一つにこの運玉がある。
本殿横の授受所で素焼きの玉を5個100円で販売している。
販売常駐者はなく参拝者は自主的にお金を入れて桝目にセットされている5個の玉を取っていく


運玉授受所を出たところの崖下に亀岩と呼ばれる特徴的な岩がある。
男性は左手、女性は右手に運玉を握って願いを込めて亀岩の上にある窪みを狙って投げる。


男性が左手で投げるとされているのは、男女と左右の手を対比させたものと思われる。投げている観光客を見る限り実際には男女の別なくいずれも利き手で投げているようである。

亀岩は上部の窪みを囲うように注連縄が置かれている。
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垂直方向の高低差で5m程度、水平方向で6m程度あり、上部の窪みは目測で 直径60cm程度である。距離感を掴んで投げるのが難しく、最初の一投目は注連縄の中へ入れるのも困難である。実際にやってみたところ、注連縄よりもかなり手前の亀岩側面に当たるだけだった。利き腕でない左手だったら百球くらい投げても入らないかも知れない。

桝形に入らなかったからと言って嘆くことはない。現地の説明板では投げた玉が桝形に入ればもちろん、亀岩の背中に当たるだけでも願い事が叶えられるとなっている。

亀岩を側面から撮影。
一面岩だらけで細かな粒子の岩に別種の岩がめり込んだような奇岩も目立つ。
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帰りは駐車場まで登り坂となる。
もっとも来訪者向けに手すりなどがよく整備されていて坂もそれほどきつくはない。


中央の石列は最初期に敷き詰められたもので、参拝者の往来でかなりすり減っている。

この石畳は鵜戸集落からずっと続いている。
市の有形文化財に指定されている。


遠方からの参拝はかなり道中の時間がかかるが、将来的に道路網が整備されればもう少し短時間で行けるようになるだろう。
《 Googleストリートビュー 》
有り難みが薄れるかも知れないが、鵜戸神宮の神門より手前、八丁坂を降りたところから玉橋の手前まで画像が採取済みである。神門手前の映像を下に示す。


四輪が物理的に通れる場所は画像採取されているので、許可を得てsvカーで境内を走らせたか、機材を持った人間が歩いて採取したものと思われる。アングルはかなり限られるが、現地を下見したり一度訪れたものの見落としたかも知れないものをチェックするのには便利だろう。
出典および編集追記:

1.「鵜戸神宮公式サイト」および「Wikipedia - 鵜戸神宮

2.「市道鵜戸参宮線通行止め ※ 土曜、日曜、祝日の昼間は開放

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