日南海岸

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現地撮影日:2017/3/21
記事公開日:2017/3/30
ここでは、私を含む郷土グループの県外遠征の折りに立ち寄った鬼の洗濯岩を含む2ヶ所について日南海岸という項目名でまとめて記述している。

郷土グループの時系列レポートは個人情報が含まれるため非公開だが、主要な景観地の写真などは公開可能でありその方が理に適っている。そこで写真や画像を主体とした本記事を作成し、一般の読者と郷土グループの双方からリンクで参照する形式をとっている。
《 鬼の洗濯岩 》
鬼の洗濯岩とは宮崎県宮崎市の青島およびその周辺の日南海岸にみられる特異な海岸地形である。
写真は内海地区にみられる典型的な洗濯板形状の海岸。


上記の写真を撮影した地点をポイントした航空映像図を示す。
映像でも同じ方向に石の筋が走っているのが見える。


その外観から鬼の洗濯板とも呼ばれる。今では洗濯板の実物を目にすることも殆どなくなったが、その呼称の通り海から浅い角度で斜めに露出した岩の表面が削られてデコボコした洗濯板のような形状の海岸である。一般事項としては青島の一部にある記述[1]を参照されたい。

話には聞いたことがあるし学童期には図鑑などで写真を見たこともあった。しかし広大な面積に同じ方向の筋が走る遠浅な岩場は本当に圧倒される。それは海の中にある古い石積みのようであり、石造りのレールが何条も並んでいるという喩えも可能だ。

5分割したパノラマ画像。


自分一人なら間違いなく海辺まで降りて詳細に観察するところだが、現地では(当日中に到達すべき目的地の兼ね合いから)それほど長時間を費やすことができず護岸上の駐車場から観察している。

洗濯岩の筋に沿った方向から撮影。
何層もの岩が浅い角度で海から露出し、その上部を削られてできた形の整った岩が散乱している。


沖合の様子。
硬度の異なる層が交互に重なり、柔らかな部分が削られ硬い部分が残るため、全体としてほぼ上部が揃う遠浅の岩場を形成している。


洗濯岩の直角方向にズーム撮影。


どの層もほぼ厚みが一定で、しかも至る所で縦方向に割れ目が走っている。


この割れ方の特性から海の中に石積みができているような景観を見せている。

この硬い層の厚みはどれもほぼ一定なので、大きく露出した後で波の力で割られたとき上下に平行な面を持つ立体となる。これは城壁などに使われる間知石そっくりである。
この海岸に臨む地区の階段や石積みには鬼の洗濯岩から採取したと思われる石材が目立つ。外観は緻密で堅そうだが、自然から産出された状態で既に平面の目立つ形状なので、あまり手を加えることなく資材として使えたのではないかと思う。

護岸からパノラマ動画撮影し、最後に洗濯岩の筋状部分をズームしている。

[再生時間: 18秒]


鬼の洗濯岩は青島周辺のものがよく取り上げられるが、実際には青島を概ね北限として南へ数キロにわたって続いている。海岸沿いを走る国道220号を車で南に進めば、車窓からかなり長い間同様の海岸を見ることができる。

今回立ち寄った内海地区のこの場所はデモン・デ・マルシェというビュッフェレストランの一角で、隣接して一般来訪者向けの駐車場も整備されている。

レストラン駐車場の一角には鬼の洗濯岩の鬼に因んだキャラクタ「デモンとマルシェ」というオブジェが据えられ、恋愛成就のパワースポットを称している。
この鬼の角を触ると願いが叶うという。
もちろん願いを込めて撫でてきた…そしてこの遠征の後半にまさしくその効果と思われる事件が…^^;


この後、郷土グループのメンバー写真を撮影した後、更に国道を南下した。
出典および編集追記:

1.「Wikipedia - 鬼の洗濯岩
《 海に向かって傾斜した崖 》
前項の鬼の洗濯岩とは直接的な関連はないが、山岳地形ながら地勢的共通点がありそうに思えるのでこの項目で掲載する。

国道220号を更に進んで鵜戸地区に向かう途中、車窓から奇妙な層状を見せる山の岩肌に気づいた。詳細に観察するために鵜戸を前にして再び停車した。
写真は駐車場より北を振り返って撮影している。


撮影場所はこの辺りである。


目印になるものを撮っておらず記事作成当初は場所が分からなかったが、メンバーで撮影するとき国土地理院設置の三角点があったことで帰宅後に場所を特定できた。

駐車場からの写真でも海に向かって緩やかな角度で下る山が見えている。
これが何とも特異な崖を呈しているのである。


ズーム撮影。
山の南側がざっくり切断されたような崖となっている。そこには海へ向かって傾斜する一定の厚みの層状構造が見られる。


如何にもこの部分は高さ数十メートルにおよぶ崖らしく、上記の地理院地図で十字カーソルで指定されている現在地から真北へスクロールさせると標高185.2mのピークがあり、その南側に連続した崖の記号が記載されている。電波塔の建つこの山自体に名称はないらしい。
この崖の傾斜が鬼の洗濯岩の露岩角度と一致するかは分からないが、巨視的には鬼の洗濯岩と関連性があるのではという指摘があった。

先ほどの鬼の洗濯岩よりも海岸が近く、その気になれば岩場まで降りることができた。
しかし時間を要するので同じく駐車場から撮影している。


岩質は似ているが鬼の洗濯岩とは構造がかなり異なる。
殆どの岩が不定形で、割れ目は直線的だが割れた面はそれほど平坦ではない。


岩の表面には波が削ったのか貝類によるものなのか、あばたのような窪みが多数みられる。

瀬戸内海とは迫力が違う波しぶき。
海水の色もかなり青みがかっている。


さすが太平洋…海が青くほぼ180度にわたって水平線が広がる。
遙か先の方まで島影すら見えなかった。


この地点から鵜戸神宮までは近い。ここでもメンバー全員の写真を撮ってから鵜戸神宮に向かった。
鵜戸神宮でも同様に一般公開向けの記事を作成する予定である。
《 Googleストリートビュー 》
現地はいずれも国道220号沿いにあるためドライブデータが採取されている。
【 鬼の洗濯岩付近 】
一連の写真撮影を行ったデモン・デ・マルシェ横。

【 海に向かって傾斜した崖 】
崖の見える北側を向いて撮影。
国土地理院の設置した三角点が右の方に見えている。


現地へ赴いた当時の足取りや周辺の景色を再確認するのにはストリートビューは好適である。
鬼の洗濯岩とはまったく規模が異なるし恐らく成因も違うと思われるが、市内の床波漁港付近に類似する景観がみられる。
総括記事: 床波の海岸
この畑の畝状の岩に関する成因は現在調査中である。

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